第7話 弟の豊と私のこと

私が起きるとすいちゃんはもう朝ごはんを準備して、気分はルンルン気分ですいちゃんの家の柔軟剤の匂いがした。

甘くてどこか柑橘系の匂いだった。

起きたばかりの私をすいちゃんは私に気づいて、ぎゅっと抱きしめた。

そして、彼女は私に言った。

『今ね、朝食の準備してるから。蜜ちゃんはゆっくりしててね』

すいちゃんは相変わらず優しかった。

その優しさに甘えて、私は携帯のLINEを確認した。

すると、弟からメールが来ていた。

そこには、こう書いてあった。

『姉ちゃんへ、今日もまたお母さんの地雷を1個踏んじゃいました。僕の行いが悪いから成績が下がったのだと言いました。でも、僕はお母さんの言葉のDV癖を知っています。今日もまた電話でごめんねと言いました。そろそろ僕も限界を迎えそうなので、明日ぐらいには一度だけ家に帰ってきてください。こんなメールをしてごめんなさい。豊(ゆたか)より』


私がため息をつくと、すいちゃんがどうしたのと心配そうに見つめるのでことの経緯を話すと、彼女は言った。

『もし、豊くんが辛いならうちに来て良いよって伝えな。別に1人増えても私の家は変わらないから』

私はなんだかすいちゃんに申し訳ないと思いながら、豊に『もし辛いなら、私の友達のところに来な』と話した。

すると、豊は即答で『行きます、学校終わったら荷物まとめて行きます』と書いてきたので、『ゆっくり事故に遭わずに来なさい』と言った。


私は豊に話すべきだと思った。

私とすいちゃんが付き合っていることを。

私たちは友達じゃないことを。

豊が来たら話そうと思う。

少しだけ怖くて勇気がいるけど、たった1人の身内であり、弟だから。

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