第28話 山で素材採集を手伝ってみた1

ダンジョンへ行ってから、しばらくすると皆の対応がおかしい。


今までは「ガキ」とか「チビ」とか「おい。」とか言われてたけど、最近は「そらさん」と言われるようになった。


ダンジョンで魔獣とか魔物を倒し過ぎたかな?


最後に放った「スーパーノヴァ エクスプロージョン」の事をすっかり忘れている。というか記憶から消したのか…


そのおかげて最近はイラッっとする事がなくなって良かったかも。


最近はギルド要望もあってギルドの近くの宿屋にサナと一緒に泊まっている。


理由は簡単、サナがボクが何処に行っても、べったりとくっ付いてくるからだ皆の視線が痛いし。


あそこは絶対に安全だし食料も十分だし完全に自立出来ているので問題は無い。


ギルドの要望って言うのは何かあった時にすぐに連絡が取りたいのでギルドが宿と3食提供するから、その宿に居て欲しいという事であった。


昼間の町への買い物とかは自由で勝手に遠出は禁止をされた。でもギルドに報告すれば大丈夫だ。


今のところは生活に不自由は感じてはいないかな


部屋は宿屋の2階で宿泊者が泊まる部屋だ、1階は受付と食堂、厨房がある。


宿屋の食事はそこそこ美味しかった


トイレは共同で少し不便・・・


風呂は勿論無いが初めの家に転移で帰って入っているので問題は無い。


ギルドが近くにあるので毎日用もないのに通っている。


今日も勿論、顔をだす予定でいる


朝起きて抱き付いているサナを退けて着替えて


サナを起こすのに、今もほっぺで遊んで起こしている。


柔らかくて触り心地が良いし癒されるからだ。


本人も嬉しそうだし毎日続けている。


ボクは朝の用意が終わっているのでサナの着替えを座って眺めて待つのだ。今日のパンツは水色だ。やる事がないから仕方ない


朝食を食べ終えるとギルドへ向かう。


ギルドに入ると知らないハンターからも最近は挨拶をされるようになった。本人は毎日通っているからだと思っているが本当は上級ハンター達から教育を受けているからである。


受付に行き


「おはよう。今日は何かある?」


受付嬢「あ、ギルマスが探してましたよ。ご案内します」


久しぶりにギルマスの呼び出しか・・・嫌な予感しかしない。


ギルマス「久しぶりだな!今回は依頼ではない」


「では、何でしょ?」


ギルマス「お前、ダンジョンで何をした?」


「え?何もしてないけど?」


え、何かばれてるの??口裏合わせてあるよね。


ギルマス「じゃあ、何なんだ。とんでない噂が聞こえてくるのだがな。」


「え?ボクは知らないですけど。噂ですよね」


ギルマス「ドラゴンを魔法1発で50体倒したとか」


倒した数が盛られているし。


「え。そんなわけ無いじゃないですか!ドラゴンは倒せないはずじゃないですか」


ギルマス「まぁそうなんだが。もし倒せるなら大事だぞ」


「ギルマスがそんな噂を信じると思いませんでしたよ」


ギルマス「それと王都を50個分吹っ飛ばす魔法を放ったとか」


「そんな魔法が使えれば良いんですけどね」


何で知ってるんだよ。誰だよ言いふらしてるの!


ギルマス「一応確認しておきたくてな。用はそれだけだ」


「確認も済みましたし、お邪魔しました。」


応接室から出て依頼ボードを見て受付嬢に


「何か依頼あります?」


受付嬢「そういえば結界石の採集依頼があってパーティを探してましたよ。そらさん達だけで完了出来る依頼ですが助けて貰えるとありがたいです。」


「大丈夫ですよ。でも後衛で支援専門たったらですけど」


受付嬢「あちらのテーブルにいる方達です」


受付嬢に紹介された


6人組のパーティで大人数で冒険が楽しそうだね


「パーティの手伝いで支援をする事で良いんだよね。宜しく」


男リーダー「このパーティのリーダをしている。今回は、よろしくな。」


女「今回は頼りにさせていただきます」


「そろそろ行きますか」


男リーダー「今回、採集場所に強い魔獣がでるんで気を付けて欲しい」


「こちらは問題ないと思うよ。ボク達は支援に回るから」


男リーダー「ああ、それで構わない」


馬車で1日掛かって来た場所は山だ。


しばらく歩いて採集場所に向かって山道を歩く。


相変わらずサナは、やる気が無さそうだ。


決して機嫌が悪いわけではない。


「リーダーさんの剣は精霊が宿ってるの?かなりレアじゃない?」


男リーダー「え?見ただけで分かるのか?」


「そんな気がしただけだよ」


男リーダー「普通分からないと思うがな。火の精霊が宿っている精霊剣なんだ。」


「格好いいね!」


男リーダー「そろそろ魔獣が出てくる場所だ」


リーダーは出来てきた魔獣を討伐していく


他の剣士が魔獣を抑え後衛が魔法で攻撃して連携して倒す


このパーティだけで十分じゃない?


ボク達、必要なくない?


後ろで待機しているだけだな・・・


だが、徐々にキツくなってきたようだ


たまに後衛まで魔獣が来る事が多くなってきた


リーダー「わるい。抑えきれなかった。」


今回は後衛として後ろからヘルフレイムを放つ


リーダー「とても助かるぞ」


魔獣の出現が少し落ち着いたところで休憩をする事に


他の人に興味がないのか離れた所の岩にサナが座っているのでボクがサナの前に座る当然パンツが見えるので鑑賞するが・・・2度見をしてしまった。


え?!朝の水色だったのに水色に白のストライプの模様に変わってる。


いつの間に履き替えたんだ?謎だ


サナが気づいたのかニヤニヤしてる気がする


サナ「喜んでくれたか?サプライズだぞ。」


「え?何が?」


サナ「いつも、わたしが座ってる時にパンツを見てニヤニヤしてるではないか。」


「あ、うん。いつも楽しみにしてる。」


サナ「朝もわたしの着替えを見てニヤニヤしてただろ?」


「・・・はい。」


サナ「部屋を出る時に、そらが喜びそうなパンツに着替えたのだ」


「え、わざわざ着替えてくれたの?」


サナ「そうだぞ。」


「ありがと。ビックリした」


サナ「もっと見て良いぞ」


と、ワンピースを捲る・・・


「他の人に見られちゃうよ」


サナ「え。それは嫌だな」


慌ててもとに戻す。


サナ「そらは、パンツが好きだなぁ」


「それは・・・サナが可愛いからだよ」


サナ「そうなのか?そうだったのか!」


変な事を言っちゃったかな。


リーダー「そろそろ行くぞ」


先に進むと岩系の魔物が増えてきたので


剣士達が苦戦してきて魔道士が魔法の詠唱が出来ない事が増えてきた。


そろそろ前衛に変わろうかな。


「ボクが前衛に変わるよ」


サナ「わたしも前衛に行くぞ。そら、ぎゅっとして。やる気が出るから」


え、あ・・はい。


サナを抱き締める。


他のパーティは見てない振りをしている


いつも通りにヘルフレイムを撃っていく


サナも魔法を撃って爆散させている


移動速度が上がる


ボクとサナ以外は皆の疲れている様子だ


「休憩をとります?」


リーダー「この先も長いからな・・・休憩を頼む」


また、サナは離れた場所に座っているのでサナの近くに座る


サナ「なぁなぁ。どうだった?可愛かったか?」


どうやらさっきの続きらしい


「とっても可愛かったよ。うん。」


サナ「もっと見てて良いんだぞ?」


「自然にチラッと見えるのが良いんだって。」


サナ「あっ!そうだったな。忘れてた。自然とか・・・」


何やら考え込んでいるのでリーダーの所へ向かう


「まだ先なんですか?」


リーダー「今日ココで夜営する事になりそうだな」


えぇ。飽きてきたんですけど。


夜営は、面白そうだけど・・・


付き合いますか。


「夜営が出来そうな場所を探しながら進みますか」


リーダー「ああ。そうしよう。」


「出発しますか」


さっきと同じくボクとサナが前衛で後衛は他のパーティだ。


後衛は、もう歩いて付いてくるだけになっている。


開けた場所があったので、そこで夜営をする事にした。


他のパーティは男女に分かれて2つのテントを張っていてサナが女子のテントに誘われていたが・・・そらと一緒に寝ると断っていた。


久しぶりのテントだ。


6人用のテントを出してベッド、テーブルに椅子を出したが


テーブルと椅子は必要か?と思い直し片付ける。


見張りは昼間なにも出来なかったと言って他のパーティが引き受けてくれた。


日が落ちる前に夕食を作る


ボクとサナは焼いた肉と宿屋の食堂のスープにパン。


他のパーティは固形スープの元をお湯を掛けている。美味しそうだ。それにパンだが固そうだ。


皆食べ始める


男「相変わらず不味いスープだな」


あのスープ不味いのか


女「そんなこと言ってもしょうがないでしょ。黙ってたべなさい!」


女「自分で作れば良いんじゃないの?」


男「料理なんか作ったこと無いからな」


男「食える獣とか出てきてくれれば良かったんだがな」


男「そっちの肉は旨そうだな!」


仕方ないので焼けてない肉を渡す


「自分達で焼いてくださいね」


男「催促したみたいで悪いな」


リーダー「今回は助けて貰ってばかりなのに、ありがとな」


「あ、これ塩なので使ってください」


女「ありがとね。」


サナが女を睨んでいる


女「邪魔しちゃって悪いわね」


男「余計な事を言うな!」


リーダー「俺達は助けて貰っているんだぞ。」


「気にしてないので大丈夫ですよ」


リーダー「いや。そちらの女の子が気にしている様なので」


隣を見るとサナが女を睨んでいる・・・


サナの耳元で


「サナが一番可愛いから大丈夫だよ」


と小声で言った。


急にニコニコになり問題解決した。


リーダー「すまない。助かった」


肉は6人全員に行き渡ったようで良かった。


男「この肉は何の肉なんだ?」


「猪ですよ。」


男「こんなでかい猪を捕ったのか。凄いな」


女「町じゃ猪の肉は中々売ってないから」


男「猪も旨いんだな」


男「まぁ猪を捕っても持って帰るのが大変だからな」


男「1頭丸々を持って帰れないよな」


リーダー「そろそろ休むぞ」


「おやすみなさい。」


そらとサナは一緒にテントに入りサナがベッドに座る。


そらはベッドに横になる


サナが立ち上がりパジャマに着替えだす


律儀だねぇ


パジャマのズボンを履くところで止まる


サナ「明日のパンツがないんだが?」


それは一大事だ。ボクの楽しみがなくなる


サナも収納袋を渡してあるが着替えを持ってくるのを忘れたらしい。


時間があるのでどう言うのが良いのか聞いてみるが


サナ「そらが好きな奴で良い」


「サナの好みはないの?」


サナ「ウ~ン・・可愛いの」


「可愛いのってどういうの?」


サナ「ピンク色とか水色が好き、今日の模様も好き」


10種類くらいを適当に出して渡した


その中で選んで履き替える


見えてましたよ。ちゃんと。


サナが着替えが終わり隣に横になった


寝る時はトレードマークのツインテールは外している


キレイな透き通る紫色のサラサラの髪の毛


頭を撫でてみる・・・


サナ「なんだ?急にどうしたんだ?」


「サラサラな髪の毛を触ってみたくて」


サナ「めずらしくは無いだろ。」


「じゃあ、他の人のを触ってくるよ」


サナ「あ!ダメだ。悪かった。今のはナシだ。撤回する。この様にサラサラは、わたししか居ないからな!遠慮しないでずっと触ってくれて良いぞ」


他の話があって頭を撫でる手を止めて起き上がりベッドに座るとサナはボクの目の前に座り頭を撫でろと待っている様だ。


頭を撫でながら


「サナって防具付けなくて大丈夫?色々と持ってるけどいる?」


サナ「必要ないけど、付けた方が好みなのか?可愛くなるのか?」


可愛さ基準なのか!


「ダメージとか怪我とかしないの?」


サナ「まぁ今まで位の魔物や魔獣程度なら大丈夫だ。ダンジョンにいたドラゴンは防具があっても無くても一緒だな。死ぬな。」


一緒に居る時から出掛ける時は服装が町娘の格好でワンピースを好んで着ている。買い物に行く時もダンジョンに行く時も同じ格好だ。


サナもバリアが使えるから問題はなさそうだが・・・


見た目がちょっとお出掛けっていう格好だからねぇ


という自分も同じだが・・・


気にするのはやめよう。


「うん。分かった無くても問題ないならそのままで。でも、気を付けてね」


サナ「そらも気を付けろよ。な!絶対だぞ」


逆に心配されてしまった。


つい嬉しくて抱き付いてしまった。


後ろから抱き付いたので胸を触ってしまったので慌てて手を離そうとすると手を握られ胸の位置に戻された。


サナ「そうされると落ち着くな。そのままでいてくれ」


「サナが良ければ良いけど・・・恥ずかしいんだけど。」


サナ「恥ずかしいか?誰も見ていないぞ」


「そういう問題じゃなくてドキドキするというか」


サナ「ああ、そうだな。ドキドキはするな。嫌か?」


「嫌じゃない」


サナ「わたしは満足したからもう良いぞ。そらは満足できたか?」


「あ、うん。ありがとね。」


もう一度横になり


「そろそろ寝ようか」


サナ「うん。寝る」


そういって抱き付いてくる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る