第5話 魔法の特訓

#2024/06/25 誤字脱字の訂正、文章の編集を行いました。


翌朝……


あまり寝れなかったが多少は寝れたハズなのに疲れていた。


部屋を見渡すとステフ以外は皆まだ寝ていた。


ステフは朝食の用意で、昨日の夕食のスープを温め直していて忙しそうだ。


そっと外に出て探索魔法で盗賊の小屋の辺りを探ってみた。


昨日の馬車と盗賊が10人ほど集まっている様で、とりあえず近くまで転移をして上空から様子を見た。


外に2人見張りがいたので少し事情でも聞いてみようかな……


迷子を装って近づくと見張りをしていた者が気付き、子供の姿なので警戒無く近づき声を掛けてきた。こいつ……バカだろ。こんな所に子供が一人で来る訳が無いだろ。


盗賊「おや?どうしたんだ?迷子か?そんな怯えた顔をするなよ。中に入れば食事くらい出してやるぞ」


「え?あ、ありがと……道に迷っちゃって……」


盗賊「そうかそうか……可哀想にな〜。さっ家に入って寛いでくれ」


見張りがドアを開けて、俺を家の中へ入れてくれたがロープで早速、拘束してきた。


盗賊「はっははは……悪いなガキ。丁度、昨日は商品の子供が逃げちまってよ……まぁ……お前は女の子じゃないが、可愛い顔をしてるし貴族のババアか少年好きの変態貴族が高値で買ってくれそうだな」


やっぱり、ここが人拐いで人身売買をしてる奴等のアジトで間違いないな。聞いてもいないのに聞きたい情報を自分から話してくれた。


「ご飯を食べさせてくれるんじゃないの?」


盗賊「お前バカか?この状況をまだ理解してないのか?お前は……まぁ、パンぐらい食わせてやれ!やつれたら折角高値で売れる商品の値が下がっちまったら困るしな」


エル達が捕らえられていた部屋に閉じ込められ、パンと水を渡された。


情報も本人から聞けて、子供を拐う人身売買組織で間違いないから始末しても問題ないな。


早く終わらせよう…お腹空いたし。


上空へ転移をすると、ビー玉くらいの弾で炸裂+燃焼弾連射をイメージをして小屋に向かい指を差すと、指先から弾が連射されると凶悪な破壊力で5秒で全てが粉々になり灰となった。


これで盗賊と拠点が無くなったし、この辺りしばらくは平和になるかな。


さっ。終わったし帰るかー。転移っと……


家に帰宅した頃に皆が起きていて俺の帰りを待っていてくれたらしく、皆で朝食を食べ始めると盗賊の討伐の事を報告した。


「さっき盗賊の討伐してきたよ」


女の子達「「「「は!?」」」」


ブロッサム「ちなみに、どうやったのかしら?」


「魔法の射撃の連射バージョン」


アリア「シャゲキ?」


「アリア、後で一緒に狩りに行こう!その時に見せてあげるよ」


アリア「楽しみなのです」


ブロッサム「魔法の連射とか想像もつかないですわ」


エル「なんかカッコいいッ!」


「エルも一緒に来る?」


エル「わたしは、今日は休んでるよ。昨日の事もあるし……」


「皆は?」


ステフ「わたしは家事がありますから……」


ブロッサム「では今日は、ご一緒しようかしら」


「うん。遠くまで行かないから大丈夫だよ」


アリア「じゃ!外で待ってるのですっ」


「アリア、自分の食器とか片付けて必要そうな物の用意もしておくんだよ」


アリア「はい!なのですっ……ん?あの……何を用意するのですか?わたしは何も持っていないのです」


「アリアにバックとナイフ、水袋、食料、タオルを用意するから、これからは自分で管理するんだよ」


アリア「有り難うなのです!頑張るのですっ」


ブロッサム「私には無いのでしょうか……?」


「皆の分も用意しておくよ。ステフにも用意しておくから今度、一緒に出掛けようね!」


ステフ「はい。有り難うございます……」


朝食が終わり家の周りでブロッサムとアリアで狩りをするがアリアが煩く獲物が逃げてしまう。


獲物を見つけると……


アリア「あそこに居るのですっ!!動いたのですっ!」「ウサギさん可愛いのです。可哀想なのです……」


などと、うるさい。……なのでエルに迎えに来て欲しく初の魔法通信を試した。


エルを思い浮かべ通話をするイメージで語りかけた。


(エル!アリアを迎えに来てくれないかな。場所は森の入り口辺りだから、そこで待ち合わせね)


エル(えっ?何?!そらくん?何?わ、分かったよ。迎えに行くっ)


(魔法通信だよ。エルも使えるようになったと思うから連絡したいと思ったら使ってみてね!)


やっぱりイメージ出来る事は何でも出来るみたい。


10分くらいしてエルが迎えに来た


エル「そらくん急に声が聞こえたからビックリしたよ。もー」


ブロッサム「何でエルさんが、ここに?」


エル「そらくんに急に呼ばれたんだよ!」


「エルを魔法通信で呼んだんだよ」


ブロッサム「何その変な魔法は!」


「遠くにいる仲間と連絡がとれる魔法だよ」


(ブロッサム、こんな感じ。聞こえる?)


ブロッサム(なに?え?!聞こえますわよ……)


「ボクの魔法というかスキル?能力の少し分けたんだよ」


ブロッサム「なんてデタラメな能力ですの!」


エル「良いじゃん!便利そうだしカッコいいっ」


「ってな感じで皆も使ってみてね。でアリアは家でお留守番ね!」


アリア「まだシャゲキっていうの見てないのです」


「アリアが騒ぐから獲物が逃げちゃうからだよ」


アリア「静かにするのです、帰りたくないのです。そらと一緒に居たいのです……」


「うぅ〜ん……1時間だけねエル頼めるかな?この辺に結界が働いてるから人間が倒せる程度の魔獣や動物しか居ないから」


ブロッサム「またデタラメな事を……」


エル「分かったよ」


アリア「有り難うなのです!エルも有り難うなのです!」


さっそく探索魔法で……お、鹿が…でも少し離れているな……


イメージが出来るから出来るはず!


魔力追跡弾!


発砲と同時に上空へ上がり獲物へ急降下しヘッドショットが決まった。


アリア「え!何なのです?」


「今のが射撃だよ」


アリア「よく見てなかったのです。残念なのです」


「じゃあ獲物を捕獲したら家の前で射撃しようか」


アリア「はい。なのです」


エル「今の、かっこよかったよ!」


ブロッサム「……今のは違うと思いますけれそ?前回は直線でしたけれど……今回のは弧を描いて獲物に向かって行った感じでしたわよ」


「ブロッサムは良く見てるね」


ブロッサム「私も何か攻撃魔法がありましたら……狩りに参加をしたり自分の身を守れるのですが」


「家に帰ったら練習をしようか?」


ブロッサム「はいっ!お願いしますわ」



帰宅した……


無事に獲物を捕獲し家の前で的を作り、射撃のお披露目をアリアにして気に入ったのか、アリアは俺の真似をしていた。


格好を真似て構えて「シャゲキ」と連呼をしていて見ていて可愛い。


ブロッサム「私も練習しようかしら……」


ブロッサムも真似をし始めたので、俺がビー玉程の石を持ち説明をした。


「これが現れて飛んでいくイメージ出来るかな?」


それを見ていた興味を持ったのか嬉しそうにエルも真似をしていた。


エル「シャゲキ」


石ではなく氷の弾が出てきて3メートル程を山なりに飛び落ちた。


エル「出来たぁっ!!そらくん、そらくんっ!」


ブロッサム「なんなのよ。もぉー」


アリア「スゴいのですっ!」


「もう少し頑張れば狩りも出来そうだね。あとは弾が飛ぶ早さと威力のイメージかな」


アリア「わたしも頑張るのです」


実は少し遠出を企んでいたが……今日は諦めよ。皆が魔法の練習をしていたので、家に居たステフに獲ってきた鹿を渡してステフにも新しい事を教えようかな。


屋根付きの解体場と獲物を吊り下げられる器具を取り付けた場所と大きめのタライを数種類と解体ナイフを渡した。



ステフ「わあぁ。スゴイです……何ですか……ここ?」


「ステフにも新しい事を覚えて貰おうと思ってさ。解体だよ」


ステフ「わ、私……解体出来ないですよ」


「練習すれば出来るようになるよ!練習しなければ出来ないままだよ」


ステフ「……は、はい…やってみます……」


「まずは大きめの獣は吊り下げて解体をした方がラクだよ」


ステフ「はい」


鹿の角にロープを結び滑車に魔法を付与してあるのでラクラクに鹿が吊り下げられ、鹿の下にタライを置いた。


「こんな感じでお腹に切れ目を入れて……内蔵を取って……食べる物と食べない物を別けて。後は革を剥いで…肉を部位ごとに切り取るだけだよ」


俺の解体を見ていたステフが、もう一匹の鹿を吊り下げて真似をして抵抗なく解体を始めた。ここに来た時は小動物でもコワがっていたのに。


ステフ「こんな……感じでしょうか……」


「ウンウン。キレイに切れてるね!内蔵を切らないように気を付けてね。お肉に臭いや味が移っちゃうから」


ステフ「革を切っちゃいました……」


革は武器、装備、工芸品、服等の材料で売れるので収納に保管してあるので必要ないんだけど、ここを去る事があった時に為に覚えておいて損はないだろうからね。そんな予定は無いけど念の為にね。


「革を剥ぐの難しいから仕方ないよ。後の肉は適当な大きさにでも切り分けてお終いだよ」


ステフ「…私にも出来ました…達成感です!」


「とっても上手だったよ!今日、使わない肉は保存しておくから別に分けておいてね」


アリア「そら。そらぁ。わたしも出来たのです!石が出たのです!飛んだのです!!見て欲しいのです」


アリアに呼ばれ練習場所に手を引かれて連れてかれた。


ブロッサムがとても機嫌が悪そうなのは気のせいでしょうか?


アリア「シャゲキ……」


パシュン……


石が出現し10メートル先の的の手前で落ちた。


「おぉ!スゴい!頑張ったね」


と、アリアの頭を撫で回した。


アリア「はいなのですっ。わたし頑張ったのですっ」


石が出現しても我慢して呼びに来ずに頑張って練習をしていたんだろうなエライ。


エル「わたしも的に届くようになったよ。スゴいでしょ〜♪」


「スゴい上達の速度だね」


ブロッサム「むぅ……」


「ブロッサムは石とか物を撃つより光を撃つイメージで練習すれば良いのかも?」


ブロッサム「分かったわ。やってみます」


しばらく時間が過ぎて……


「もうソロソロ夕方になるからお風呂にしようか」


女の子達「「「はーい」」」


お風呂は、いつものメンバーでエルとアリアと一緒でワイワイと賑やかに入ってからブロッサムが1人で入り出てくると、夕飯でステフが頑張って用意をしてくれていた夕食を並べ始める。


夕飯になり食事中に魔法の話になった。


「ここの明かりは光魔法だからブロッサムも光を点ける練習どうかな?」


ブロッサム「良い練習になるかもですわね。早く食べて練習をしたいですわ」


「ブロッサムは射撃と言うよりレーザーの照射って感じかな」


ブロッサム「レーザーのショウシャですか?明日から練習ですわね……」


アリア「わたしも頑張るのです」


湯上がりでアリアのぷにぷにの頬が仄かに赤くて可愛い。


エル「わたしもレーザー撃てるかなー?撃ちたいなぁー」


ブロッサム「エルさんが撃てるようになりましたら私の立場が無くなってしまいますわ!」


レーザーの話で盛り上がり食事が終わるとステフがお風呂に入りに行った。


後片付けはブロッサムとエルが洗い物をして、疲れたのかアリアはベッドでお腹を出して寝ていた。


俺は給水タンクの水の補給に外に出てきた。これは俺しか出来ないので夜に給水タンクに水を満たす。


給水タンクに水を満たすといっても……ウォーターボールで水を出現させ、そのまま置く感じで終わってしまうのでタンクの上に座り……考え事を始めた。


最近、ずっと肉ばっかりで栄養面が不安だとか考えながらウォーターボールでタンクを満たした。


お風呂場でジャバーとお湯を使う音がした。お風呂に入っているステフに声を掛けた。


「ステフー!お風呂の湯加減は大丈夫?ぬるくなってない?」


ステフ「きゃぁ」


可愛い恥ずかしがっている声が聞こえてきた。


「ぬるかったら温めるよ?」


ステフ「だ、大丈夫ですぅ……」


ならばよし!と家の中に戻った。


狭い家なのでステフとの会話を聞いてたのかブロッサムがジト目で見てきたが気のせいだ……と無視をした。


ステフは発育が良いからなー窓があったら覗いてたかもなぁ……それに一緒にお風呂に入るならステフが良いなぁ……と思いつつベッドに横になった。


隣には可愛いアリア寝顔を見て癒されていると、またもやブロッサムにジト目で見られた。な、何?可愛いアリアの寝顔を見てるだけじゃん!気にしてたら負けだ!


さーもう寝よう、今日は朝早かったし……寝かけたところに、エルも寝るのか隣で横になり抱き付いてきた。……ベッドが狭い事を思い出した。


明日こそ寝室を作るぞ……いや、しばらくこのままでも良いかな……


エルさん胸が、また……ぷにゅぷにゅ♡と当たっているのですが!


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