祇園祭の日(京都の高校生からのレポート)
ミンイチ
第1話
今年も、この季節がやってきた。
『祇園祭』の日だ。
祇園祭は平安時代に始まった祭で、元は悪病退散のために行われたものだ。
それぞれの町ごとに山や鉾をたてて一種のパレードのようなものを行う。
山と鉾の違いはわかりやすく言うと、「大きさ」と「上に載っているもの」だ。
山には上に木が置かれてあり、鉾には頂上に鉾が刺さっている。
山や鉾にはそれぞれ、基になった物語があり、例えば「役行者山」だと名前のとおり、役行者の話が元になっている。
コロナが収まってから最初の祇園祭のため、国内だけでなく海外からも沢山の人がきている。
電車やバスは人で混み合い、混雑防止のためにルートや停まる駅を変更したりするほどだ。
諸事情で京都を離れ、土曜日の夜に帰ってきた母は
「本当に人多かったわ。
バスにも外人さんも多くて、めっちゃ混んでた」
と言っていた。
今までの祇園祭は雨にさらされる年が多かったが、今年はちゃんと晴れている。
しかし、晴れすぎているのも悪いもので、予想最高気温が38℃になっている。
盆地特有の湿度の高さはまだましだが、この暑さでは動く気にもなれない。
そんな中でも祇園祭を行っている方々は本当にすごいと思う上に、終わったらしっかりと休んでほしいと思う。
さて、そんな京都に住んでいる私だが、祇園祭に行ったのかと聞かれると、答えはノーだ。
宵山にも宵々山にも行っていない。
勉強していたというのもあるが、何よりあの人混みに入る勇気がなかったのだ。
宵々山の日に流れてきた部活のOBの人のツイートを見てみると、そこはまるで通勤ラッシュ時の、あるいはそれ以上の人混みだった。
夜だったからというのもあるだろうが、一歩も動けなさそうだった。
前祭の日――つまり今日(7/17)も祭を見に行くことはなかった。
普段なら歩いて10分と少しほどのところに山鉾が来ているが、行こうとも思わない。
その代わり、京都のローカル放送局である『KBS京都』の生放送を見ていた。
その放送では、それぞれの山鉾の簡単な説明や、それに乗っていたりする人の紹介だったりをしていてかなり面白かった。
来年、僕は大学に進学する予定で、もしかしたら京都を離れるかもしれないが、また祇園祭を見たいと思う。
(そしてあわよくば、屋台で食べ歩きなどもしたい)
祇園祭の日(京都の高校生からのレポート) ミンイチ @DoTK
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