第2話 敷衍


 イプシロン氏の脳内には、これまでに多くの新技術や新製品、型破りの電気自動車やロケットの数々を開発してきたプロセスで獲得してきた無数のノウハウやアイデアのストックが、豪奢な宝の山のように積み上げられていた。

 「夢」というキーワードから派生する、ものになりそうなアイデアをしばらく物色して、即席の”brain storming ”をしばらく行った。

 例の、「99%のperspiration ,1%のinspiration」の発明家に擬せられることもあるアイデアマンの脳裏に、やがて、原始的なコアセルベートのごときアイデアの萌芽が生まれて、何度か細胞分裂を繰り返していった。

 ものになりそうだったが、途中で死んでしまうのもあった。

 そういうプロセスが繰り返されて…そうして、やっとどうにかなりそうな、”白眉”の秘蔵っ子?が生まれ、優秀な継嗣らしく?すくすく育っていった。

 

 やがてその子はとてつもない化け物のような、世界に革命を起こす風雲児となる運命なのだった…


<続く>


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る