気が利く神様

「塚田正彦くんだっけ、やけに理解が早いね。君は死んだんだよ?もっと慌てたり怒ったりするもんじゃないの?」


「どうせあのまま生きてても大して良いことなんてないですし、俺なんて、勉強もできなくて、ドッジボールでは最初に当てられるし、妹には無視されるし、そのうえお母さんには…」


「ストップ、ストッープ、分かったから、辛かったんだね。」


「えーと、まずはここが何処かだね。ここは神様の事務所の応接室。ここで来客をもてなすの。」


「なるほどわかりました。で、これから俺はどこに行くんですか?」


「ふふふ…それなんだがな、君は幸せ者だ。いや、これから幸せ者になれるんだよ。」


お、天国に行けるってことなのかな?


「パラレルワールドって知ってる?」


「ああ、この世にはいくつもの平行世界が存在してるってやつですか」


「そうそう、君はこれから別の世界に行けるの、君が住んでた世界で言うところの異世界転生ってやつだね。」


 「君が死んじゃったのは私の手違いなわけで、お詫びと言ってはなんだけど、特別に君の能力を大幅に上げてあげる。

君は前世では辛い思いをしてたから、その分次の世界で楽しんで貰っちゃおーってわけ」


「それで、俺が行くのはどんな世界なんですか。」


「そうだねー主には魔法だねー」


「ていうか、私の格好もわざわざ君の好みに合わせてるんだけどなー。

君が夜中にベッドで私みたいな子を見ながらごそごそしてるの知ってるんだよー。」

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