第2話 共存ってもんを考えろ!当たり前の事だろうが!!



どうも、皆さまこんにちは【とある】です。


私はいつも通り、ペットショップでメダカが入った水槽を洗いながら、午後の予定を組み立ててたとき、ふと思った。


メダカについてどの程度知ってるだろうか。


メダカといっても一概に色々いる。


鉄仮面、オロチ、紅帝、サファイア等、様々な種類があり、一番高い物では100万とポ◯カのリー◯エSRと同等の値段が付いているのも存在する。


だが、今回そんなものはどうでもいい!


寧ろ、今述べたメダカを理解できている人間には何も関係ない。

ていうか、そんなたっけぇメダカを理解して購入する人間は、わざわざウチみたいなテナント店に行かず、ブリーダーか専門店、人によってはセリに参加して手に入れるだろうからだ。



そう、私が問題視しているのは、そんな中でウチみたいなテナント店でメダカを購入するお客様についてだ。


もちろん、メダカを購入しているお客様が全員悪いやつなんて思わない。

だが、一定数いるのだ、そう【キノコのお客様】が。


そう例えばこんな話だが・・・


「あ、店員さん、【普通のメダカ】ください」


【普通のメダカ】って何だよ?!

どれ渡せばいいんだよ?!

人によって普通って変わるんだよ!?わ・か・る!?

ちゃんと主語言えや、友達でも伝わらない時あるんだよ!こちとら、友達じゃねえならちゃんと話せや。


だが、こういう時に限ってこういうタイプは何をいっても【普通のメダカ】しか言わない。


仕方なく、品種改良がほとんどされてない普通のメダカである黒メダカを渡すと。


「え、これじゃない」


ぶっ飛ばしてやろうかてめぇ。

まあ、予想して外したのは私だよ?

けどよ、お前が壊れた人形のように【普通のメダカ】としか言わなかったのが原因だぞ?

わかってんのか??


ああ、このキノコ面はわかってないわ。

私はため息を付きながら説明する。


「いや、普通のメダカと仰っていましたのでメダカの原種に近い黒メダカを案内しましたが、正直普通のメダカと言っても人によって違うんすよ、名前がわからないならせめて色とか、ウチの水槽確認して探してもらうとかして貰わないとわからないんですよ」


「ああ、はいわかりました」


ここまで言わないとわからないんか。

本当にゲンナリする。

そして、そのお客様がお目当てのメダカを見つけたようで近づいてみる。


「えっとこれかな」

「ってヒメダカかい!!」


そのお客が指を指したのはヒメダカだった。


ヒメダカを知らない人に説明するとヒメダカとは、黒メダカから生まれた突然変異種を掛け合わせ、黄色い個体を固定化されたメダカの事で、主に【餌用】として用いられるメダカである。


まあ、普通っちゃ普通のメダカだよ?

江戸時代からある種類だし。

でもさ、これ観賞用で飼うタイプでもないし、どこのペットショップも基本的に餌用として売られてる奴だからかなり弱い個体だからな?


まあ、この時は解決して売ったけどね。

ちょっとめんどくさい位にしか思わなかったが、もっと上位種のキノコも存在していたんだ。


「店員さーん」

「はい」

「ちょっとお聞きしたい事がありまして」

「はい、何でしょう」

「金魚が入ってる水槽にメダカを入れたら全部食われたんですが」

「共存ってもんを考えろ」

「???」


つい、某海賊漫画のコックが使用してた言葉を引用する位には衝撃だった。


しかも、私が言った共存の意味を全く理解出来てない。

こういうのって、生きてればわかるもんじゃないの?私ちょっと怖かったわこの時。


「えっと、お客様」

「はい」

「サメが入ってる水槽に魚入れたらどうなります?」

「え?食べられちゃいますよね??」


うん、そこに行き着いてなぜ気が付かん。


「いや、金魚って雑食ですからね?口に入れば大抵なものは食べます。だから、お客さんがやったのってサメの中の水槽に入れるのと同じ事ですよ」

「そ、そんな!!」


ちょっと泣きそうな顔になるキノコ。

あ、ちなみにちょっと若めのお姉ちゃんねこのキノコ。


まあ、ちょっと頭にキノコ入ってるけど、反省できてる分まだ救いようがあるかー。


そう思い私はこう言った。


「確かに、お客さんがやってしまったのは失敗です。でも、生き物を買う上で死んじゃうってのは魚ではよくあるんですよ」

「はい」

「だから、この失敗を糧にしてもっとメダカがのびのびと生きていける環境を作るのが、食べられちゃったメダカ達に対する罪滅ぼしじゃないんですか?」

「は、はい!!わかりました!私新しいメダカを飼います!!店員さん!!私どの子をお迎えして、どういう環境にすれば良いんですか!?」


「・・・・・・計画通りニチャァ( ◜ω◝ )」


こうして私はお高めのメダカと、メダカ専用の水槽とフィルター、そして観賞用のライトを営業して買ってもらい売上に貢献してもらった。


まあ、ちょっと心の傷を利用した感は否めないがウィン・ウィンの関係だし大丈夫だろ。

売ったものは高いが良い物なのは間違いないし。



まあ、何が言いたいかと言うと生き物を買う前にちゃんと下調べして、自分の常識が間違ってる可能性があるって事を頭の隅に置きつつ考えてから行動しろってことだ。


こんなの社会どころか、ある程度学生生活をそれなりに経験すればわかりそうだけど、意外とその経験がペットにも通用するという事が結びつかない人が多い。


だからこれを読んでくれてる人は自分を過信せず気をつけてくれ。

ちゃんと勉強してればわかる事だから。

それが私からの忠告だ。


さて、じゃあ次の水槽を洗いますか。


と、立ち上がった時にお客様に話しかけられた。


「あの、すみません」

「はい、何でしょう」

「メダカの水槽にイソギンチャクを入れたら全滅したんですが」

「理科の勉強やり直してこい」

「???」


義務教育に乗ってる理科がわかればこんな恥ずかしい発言はまずしないわ。

ああ、もしこの話見てわからねぇって人がいたらなんかすまん。


とりあえず言えるのは、ナメクジに塩かけたら死ぬだろ?

あれと同じ原理とだけ覚えとけばいい。


以上

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