第2話真夏の汗
平日の朝方、小学生もいない公園に2人はベンチに座り(真弓に関してはベンチに触れることが出来ないので空気椅子)動揺したまま話している。
彼の名前は
まさかのまさかだけれど、彼しか私のことは見えない。
「えっと…私どうやら、死んでたらしく…なんていうの?これ、ユーレイ?になっちゃって。」
自分で言うのもなんだけどいつも陽気な私が好きな人の前ではキョドってしまう。
「それで…未練…があるんじゃないかなって。」
「幽霊かぁ…………、」
彼もまた、強ばった表情と頭を抱える姿勢。嶋崎くんの優しい性格上どうにかならないかと考えてくれているんだと思う。
なにか思いついたかのように 青いネクタイをしめる。私はただ自分自身の赤いネクタイに触れることすら出来ずにいるけれど。
「なにか、心当たりは?」
心当たり、といえばあるんだけど。
「もしかしたらそれじゃないかもしれないし…」
「それじゃなくたっていいよ。何回だってやろう。俺、手伝うから」
彼は私の手を握ろうとするのだけど予想通り通り抜けてしまった。
「…ありがとう」
出やしない汗と作り笑いが
蝉の声と炎天下の日差しをむさくるしく感じさせた。
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