天翔けるアマリリス

 大空を飛ぶカラスの周囲に、バリバリと発電したような音が発せられる。


 空間が歪み、その姿は黒いひずみの中へと呑まれていく。


 空が一瞬だけ黒くなる。


 刹那、同心円状にパルスが広がり、その中心点から巨大な生物が姿を現す。


 翼を持つ、筋肉質な肉体。


 アマリリス――レインの搭乗する、戦闘用ドラゴンだった。


 レインはアマリリスをカラスへと化けさせて、ミラグロ側の情報を収集していた。


 先ほど、ゲオルクの口から恐ろしい計画が漏れた。それは瞬く間にダークエルフたちの知るところとなる。


 アマリリスは太陽へと咆哮を上げると、大きな翼をはためかせながら、恐ろしいスピードで空を駆けていった。

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