個性という花を探して

Danzig

第1話

個性という花を探して





ひょっとして



あなたは

個性という言葉に苦しんでいませんか?


あなたや、あなたの大切な人が

個性という花を探して

迷子になっていませんか?



でも


そんなに難しく考えなくてもいいんですよ


そんなに無理をしなくてもいいんですよ



個性という花はずっと

あなたに寄り添っていますから



例えばね


「海」という字を書きなさいと言われて


「山」という字を書くことが個性ではないのです



皆と同じように「海」という字を書いても


その「海」という字の中に


必ずあなたの個性が現れているのですよ



大事な所で手が震えてしまうところ


なかなか真っすぐな線にならないところ


おおらかな曲線になるところ


少しバランスが悪いところ


強い部分、弱い部分があるところ



その全てがあなたの個性なんです




決して


人より秀でている事が、個性ではないのですよ


人と違っている事が、個性ではないのですよ



あなたが、あなたでいる事


それ自体が個性という花なんです





とは言っても



自分の個性を好きになれない


そんな人もいるかもしれませんね



でも

きっとそれは


良くない部分ばかりが

見えてしまっているからじゃないかな



人にはね


良い部分と、そうでない部分があって


それが全て繋がっているんです



そう

まるでコインの表と裏のように



例えばね


忘れ物が多い人は

集中力が高いのかもしれません



一カ所にじっとしていられない人は

より多くの事を見ているかもしれません



すぐに泣いてしまう人は

想像力が豊なのかもしれません



固定概念にとわられてしまうのは

学習能力が高いからなのかもしれません



弱さとは優しさなのかもしれません




だから、自分の嫌いな部分を


無理に直そうとしてはいけませんよ



それは同時に


よい部分を無くしてしまう事になってしまうから



でもね、

そんな事をいったって

あなたは、それに悩んでいるのですよね


でもね、

それであなたが困っている分


きっと


どこかで

良い部分に助けられていると思いますよ



それが、個性という花だから




今この場所で


あなたの個性が悲しい思いをするのなら


別の場所に行きましょう



そんな場所からさっさと離れて


「それでもいいよ」


と言ってくれる人の所へ行きましょう



「そのままでいいよ」


と言ってくれる場所を探しましょう



大丈夫


きっと見つかりますよ




それでもあなたが


個性という花を見つけられずにいるのなら



字が好きな人は、沢山字を書いてごらん



絵が好きなら、沢山絵を描いてごらん



踊りが好きなら、沢山踊るといい



歌が好きなら、沢山歌うといい




上手くいかなくてもいいんです


好きなものを楽しんでいる事


それが個性という花に水をあげることなんです



もしも


楽しめなくなったら

手を止めてごらん


嫌になったら

辞めてごらん


好きではないところから

離れてごらん



すこし離れてみる事で

見えて来るものがあるかもしれませんよ



でもね



個性という花が

しおれてしまったと嘆(なげ)かないで



しおれてしまったように見えるのは、

ただ、お水が足らないだけなんですよ



個性という花はね


お水をあげれば


何度でも


何度でも


綺麗な花を咲かせるんですよ




ひょっとしたら


次に咲く花は


前とは違う色の花になるかもしれませんね



でもね


その色は、もともとあなたの中にあった色



個性の見え方が変わっただけ


あなたが変わってしまったのではないのですよ




そう


あなたは

あなた


どこまで行っても

あなたなのです



他のどこにもない


たった一つの

個性という、かけがえのない花



もっとそれを見つめてあげてください



きっと花も喜んでくれますよ



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