第4話 紋章

すると、トラックを運転する軍人が無線をとっている。恐らく他の軍人に指示を出しているのだろう。


「こちら、クロクスファイロン高等学校の生徒4人を保護した。そちらのトラックも保護を頼む。」


「あ、あの。」


 此処で、体育教師が余計な事に軍人に話しかけていた。


「ん?なんだ?」


「一応私体育教師なんですけど。」


 体育教師が軍人に向かって明らかに余計な訂正を持ちかける。それに対して、軍人は冷たい目をしながらため息を吐いた。


「訂正、生徒3人に教師1人だ。オーバー」


 何だかんだで訂正してくれている軍人。流石国宝物。わかってらっしゃる。


「先生、何やってるんです?」


「いやぁ、生徒扱いされるって事は、俺も相当若く見られているんだな」


 教師も、教師でアホだ。

 まあ、そんなこんなで助かった4人は全員単細胞生物だ。つまりは、「アホ」と「アホ」と「アホ」と「アホ」だ。


「私たちは何処に行くんだい?」


「君たちは近場の基地のシェルターにて保護する。身の安全が保障されない限り、そこでいると良い」


「食べ物あるかな?」


「缶詰なら沢山ある」


「あー。早く寝たい。」


 そして、そんなこんなで軍隊の基地までついた。此処は学校からは少し離れている程度だが、基地ならばある程度の身の安全は確保できるであろう。

 広い駐車場にトラックを止め、俺たちは基地のシェルターへと移動する。

 すると、入り口で検査があるらしい。何でも、腕に光を当てて何も無かったらそのまま入れるって奴だ。

 最初に体育教師が検査を受けて何ともなく、他二人も同じく反応は無かった。


「何の検査だろうね」


「さあな、まあさっさと終わらせて、暖かい暖炉につこう」


 すると、ついに俺の番になったので、腕にライトを当てさせた。早くシェルターに行きたかったのだが、神様がそうはさせてくれなかった。

 俺の腕が、光ったのだ。ライトに照らされ紋章の様なモノが浮き出て来る。


「て、適正者だー」


 軍人がそう叫ぶと周りの軍人も共に喜ぶ。何がそんなに喜ばしい事なんだ?


「君は適性者だよ!!さあ、コッチに来て!」


 何が起きたのかもわからないまま、軍人に手を引っ張られて何処かへ連れ去られていく。

 するとその時、俺のプレジクトフューチャーが発動した。

 見えた未来。一瞬ではあったが其処にはロボの様なものが見えた。炎の中を立ち尽くす孤独なロボットが其処に。だが、詳細を知る暇も無くその予知は終わったのであった。

 そして、ボーッとしているうちに見知らぬ大きな建物へと連れて行かれていた。そして、中に入り俺が見たものは、巨大なロボットであった。


「うわっ!!」


 全長は学校並みで人型ロボットに近い形のものだった。だが、俺はこのロボットを見た瞬間からワクワクが止まらなかった。

 俺が求めていた、ロボットはコレだ!!まさに、夢の体現であり、ロマンそのもの!!


「君には素質がある。このロボットに乗って戦ってくれ!!」


「はい!!!是非!!!」


 俺は二つ返事でその要求を呑んだ。

 憧れ。

 夢。

 それが叶うなんてなんて素晴らしい事なんだ。俺が死ぬ迄に見つけたかったモノをようやく見つける事が出来た。

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