魔王を倒そう
魔王の元に向かってから約三日。ついに魔王の元に辿り着いた。
「ここが魔王が治める魔族の国か」
今僕はフードを深くかぶり、自分の身を隠しながら街の中に入っている。今すぐにでも魔王の元に行きたいが、真昼間から魔王の城に潜入するのはさすがに面倒なので夜まで時間を潰す。
そして夜。城の中に潜入する。
潜入する場合はそれに合ったスキルが必要になる。
まずは【隠蔽】。これは自分の気配や魔力を隠すことが出来るスキル。
次に【風魔法】。城を真正面から入るわけにはいかない、なので【風魔法】で空を飛び潜入する。それと【感知】系統のスキルが無い場合、【風魔法】を使うことによって人の位置を把握することが出来る。
という感じで、城内の警備を超え、魔王がいるであろう部屋の前まで着いた。
「この先に魔王が」
『間違いありません。巨大な魔の力を感じます』
『やっぱり魔王は凄いね。力を感じるよ』
剣二人がこう言うなら間違いなさそうだ。
「行くぞ」
扉を開き、真正面から部屋の中に入る。
「何者だ?」
中に入ると豪華な椅子に座っている角を生やした男が出迎えてくれる。
「初めまして魔王様。勇者の遊佐勇魔と申します」
「勇者?」
魔王はこちらを見てくる。どうやら鑑定を使っているらしい。
「……ほう、随分な力を持っているようだな。それに背中に刺しているのは聖剣か。それで、その勇者が何の用だ?」
「用件は一つです。戦争を止めてください」
魔王と人族の戦争を止めるのがおそらく僕たちを呼んだ誰かの願いのはずだ。だからそれを止めれば帰ることが出来る。
「それは出来ないな」
「どうして?」
魔王はニヤリと笑う。
「そんなもの、人間共の悲鳴を聞くのが心地いいからに決まってるだろ!」
「……」
……。魔王にも良い奴はいた。けど、こいつはダメだ。
「そうか。なら、死んでくれ」
ライとレフを抜き、魔王の元まで走る。
「死ぬのは貴様の方だ勇者よ。【
魔王が雷の魔法を放ってくる。
「邪魔だ。喰らえレフ!」
『はーい!』
レフは魔力を食う。それは魔法も同じ。
【轟雷】をレフに喰わせ、前に進む。
「その剣、まさか魔剣か!?ならば、【
続いて魔王は雷の魔法を放つ。たださっきと違い複数の方向から雷が迫ってくる。
この数はレフだけじゃ防ぎきれないな。
「レフ、ライ」
レフで雷の半分を喰らわせる。残りの半分はライで切る。
「ちっ、人間ごときが。【
続いて来たのは巨大な雷を纏った炎。
この魔法はこれまで以上の魔力が込められている。
『あれはちょっと食べきれ無いなぁ』
「だよな。じゃあ相殺するぞ。……【二刀流・魔力切り】」
二本の剣で【轟雷魔炎】を切り裂く。
「なっ!?馬鹿な、我の最強魔法を切るなんて」
【魔力切り】は対象の魔法を把握、そして構成している魔力を切り裂く。対魔法最強の技だ。
「くそ、【轟雷】【魔炎】」
魔王は狂ったように雷や炎を撃つ。だがこれ以上はもう無意味だろう。
「哀れだなこの世界の魔王は。決めるぞライ、【聖剣・魔王殺し】」
「なっ、!?」
一瞬で魔王との距離を詰め、聖剣ライによる対魔の一撃を入れる。
「勇者とは、これほどまでに強いのかぁ………」
魔王は聖剣の一撃で倒れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます