異世界転移したら

 異世界転移は唐突に起こる。色々なパターンがあるが、今回は僕が現在進行形で体験しているクラス転移について説明しよう。

 クラス転移とは、学校の一クラス約三十名ほどが異世界転移する現象だ。

 僕が今回体験したのは昼休み中。


「うわぁ!?」


「な、何なんだ!?」


 突然教室の床が光だし、次の瞬間、僕たちは白い部屋に居た。


 ここでポイント!

 突然の異世界転移に驚くとは思うが、一度冷静になろう。辺りに人がいない場合、転移魔法を使ったのが良い人か悪い人か分かりません。

 どちらにせよ転移したばかりではどうしようありません。むしろ余計な行動は逆効果です。騒がず、冷静に、周りをよく見て情報を集めましょう。



 異世界転移してからすぐに、部屋の扉が開き、白い服を来た神父のような男が鎧を着た騎士たちと共に入ってくる。


「お、おぉ!召喚は成功だ!勇者様が降臨なされたぞ!!」


 神父の言葉に、生徒たちは「勇者?」と疑問を浮かべる者、「俺が勇者だと!」とテンションを上げる者など様々な反応を見せる。



 ここでポイント!

 多くの場合、「ステータス」と呟くと自分のステータスを確認することが出来ます。そこで自分が【鑑定】や【魔眼】などのスキルを持っている場合、スキルで異世界人を確認してみましょう。

 この時、【闇魔法】や【洗脳】などのヤバそうなスキルを持っていた場合、警戒心を上げましょう。だいたい危険な奴です。



 今回僕は鑑定を使いましたが、そのようなスキルはありませんでした。少し安心です。


「さぁ、勇者様!王がお待ちです、こちらにどうぞ」


 僕たちは神父と騎士たちに案内されて、王が居る場所まで移動した。


「おぉ!そなたらが異世界より来られた勇者か!」


 王は四十代ほどの金髪の男性。その横には三十代ほどの女性の王妃。さらに横には僕たちと同じくらいの年の少女、姫が座っている。

 王妃や姫というのが分かるのも【鑑定】のおかげだ。


「私たちが勇者様をこの世界に召喚したのは魔王を倒して欲しいからです。魔王とは我々人族と敵対している魔族の王。悪逆非道を尽くす邪悪の王です」


 ここでポイント!

 大体異世界に召喚される理由はこんな感じです。ですが一方の話だけを鵜吞みにせず、魔王側の意見も聞きましょう。実は魔王の方が良い奴の場合があります。僕は一度だけありました。


「勇者様。どうか、どうか私たちをお救いください!」


 王たちは深々と頭を下げる。そんな姿を見て、生徒たちは互いに顔を見合わせ頷きあう。


「もちろんです!いいよなみんな!」


「「おぉー!」」


 ここでポイント!

 異世界に来たばかりでテンションが上がっているとこういう馬鹿を言い出す奴がいます。ですが一人だけの意見では集団意見を覆すことは出来ないので表向きは合わせても、きちんと自分の意見を持つようにしましょう。


「ありがとうござます!では早速皆様の力の確認をいたしましょう」


 次回、スキルについてに続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る