続々々々々々々々・後輩と子供の頃遊んだことがあるとか気づくわけがない
《バタン》
家に着くとシオンは風呂にも入らず自室のベッドにうつぶせに倒れこむ。
_______懐かれているとは、思っていたけどあの時のみさちゃんが…美咲かぁ
美咲がアルバイトの出勤の際の教育係はシオンだった。
その当時の事やウミセンヤマセンでの出来事を思い返している。
考えれば考えるほど思い出してもいいようなふしはあったと思うが全く気が付かなかった自分がひどいやつなのでひどく落ち込んだ。
かと思えば社内での出来事を思い出し妙な妄想を膨らませたりもした。
そしてまた最低な奴だと自己嫌悪しを繰り返していた。
シオンとミサキは同じ時間帯に働くことが多くたまに入れ替えで出勤などもあり仲が良かったがどこかに一緒に出掛けたりしたことはなかった。
あんなに懐いているミサキだが断られるのが怖くどこにも誘えないでいた。
シオンはシオンで気持ちに気が付きながらも幼馴染で元彼女のアイを思い出し恋愛に発展するのを恐れ、そういう状況になりそうになると「ハイハイ」とへらへらしながら逃げてきた。
もちろんミサキの事が嫌いではないシオンは先ほどの車内でも同様にその状況を無理矢理に回避して逃げた。
だが近いうちに必ず話さなければならないと考え憂鬱になっている。
ふとうつぶせになっていたシオンは視線の先にあった右腕の時計が目に入る
時刻は4時30分に差し掛かろうとしていた。
そういえばまだ外してなかったなと思ったそれを外して机の上に置くとベッドの上で胡坐をかいて座る。
帰ってきてベッドのすぐにベッドの上に放り投げたスマートフォンを探すと通知欄からアプリを開くとアプリ内の通知のボタンをタッチして履歴を開いて確認していく。
そして「はぁ」とため息をつき、今度は仰向けにベッドに倒れこんだ。
シオンが見ていたのは≪ジェネレーション・ギャラクシー≫と言う配信アプリだ。
≪ジェネレーションギャラクシー≫は星々の数ほどいる配信者と視聴者とを世代を超えてつなげるという謳い文句で始まり、通称ジェネギャなどと呼ばれている
生放送配信ツールとしては後発のコンテンツだ。
世代を問わずという事だがライバーと呼ばれる配信者は10代から30代くらいまで、リスナーと呼称される視聴者は10代から50代くらいと視聴者側では文字通りジェネレーションギャップがあるほど広いが配信者側ではそこまでの幅はなく主に若く見た目の良い女性配信者が多い。
それもそのはずでもちろん中継を顔出しで行っているのがほとんどで18歳未満禁止という事もないが際どい配信が多く投げ銭制度があるからだ。
投げ銭とはリスナー側が有料のアプリ内アイテムをライバーにプレゼントすることだ。
ストリートミュージシャンや大道芸人などに投げられる小銭にその姿が近いことからそう呼ばれている。
シオンがアイとの問題で人間不信に陥りかけていた時にこのアプリをアルバイト先の友人から紹介され暇つぶしに入室した枠と通称される配信者のチャンネルに入ってその魅力にはまってしまった。
こんなアプリ何が面白いんだと思っていたシオンは投げ銭などはできないのだがそれでもそのライバーは熱狂的にアイテムをプレゼントする常連リスナーたちと同様に扱ってくれたからである。
始めたばかりの頃に入った枠で投げ銭をくれないなら来なくてもいいなどと言われライバーに追い出されて以来特にアプリは開いていなかったが本当にたまたま入っただけであったにも関わらずそういった扱いをしてくれたことがうれしかったからだ。
そのマナカと呼ばれる推しライバーがアルバイト中に配信していたのだ。
そしてそのマナカが枠を開いてないかと期待し探したが、なかったのである。
シオンは残念に思いながらSNSアプリを開いてマナカの投稿を追ったりしているうちにそのまま寝てしまった。
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