【短編】 育てた私が悪いけど、育った乳は金がかかる。

乳に関する愚痴エッセイの裏話

 これはもう日々の怒りがスパークしたやつです。


 いつだったか、ダイエットをしている時に見つけたネットの記事で、節約したかったらダイエットをするな、みたいなのがあったんですよ。どういうことかっていうと、まぁダイエットに限らず、その逆、太ることに関しても言えることで、要は『服を買い替えなくちゃいけなくなるから、体型を変えるな』ってことなんですね。特に痩せると、いままで着られなかった服が着られるようになって嬉しくて買っちゃうじゃないですか。


 あんな感じでですね、乳を育てると、まぁ単純にブラジャーの買い替えが発生するじゃないですか。それでも、Cとか、Dくらいだったらまだそこまでものすごい出費ではないわけです。もうね、この辺りのブラジャーが一番可愛いのよ。通販とか参考画像として載せられてるのてたぶんそれくらいのサイズのやつなんですよ。もう一番可愛い。


 ワー可愛いー! って思って、Gとか選んだら価格は跳ね上がるわ、届いたブラジャーは『装甲』だわですよ。


 そんで、流行りのオーバーサイズ的な服を着たら着たでアマゾネスみたいな上半身なんですよ。何でそんな強そうになんのよ。そりゃあ、伸縮性のあるピタピタ素材の服でも着れば良いんだろうけど、それはもう肌着なのよ。一番スッキリ見えるの、肌着なのよ。そんなんで往来を闊歩してみ? 捕まるって。


 かといって、グラマーさん用、みたいなブランドのお洋服を見てみたら、ファストファッションのお店で見たようなデザインでも値段が全然違うのよ。ここに多めに肉があるせいで、それに合わせた服を買おうとすると金がかかってしゃーないんですよ。もう膨らむの覚悟でL着るしかないのよ。そんで案の定アマゾネス爆誕すんのよ。これはまぁ、私の骨格のせいもあるけど。


 乳を育てるのはね、ほんと、ある程度まででやめた方が良いんだなと思いつつもね、それでも育ったら育ったで、今度は重力と戦わないといけないんですよ。戦いって終わらないの。


 そんな感じで孤独に闘ってましてね。だってほら、リアルでこんなこと語れる相手がいないから。いや、旦那にはね? 愚痴りますよ。この乳のせいでよぉ! って。旦那は優しいのでウンウンって聞いてくれますけど、でも男性なのでね。心の底からのウンウンではないわけですよ。ましてや「わかるー!」とかないわけじゃないですか。何がわかるってんだ、ブラジャーの必要のないお前によぉ、ってウザ絡みされて終わるだけじゃないですか。


 もうよっぽどね、自棄を起こして、Twitterに乳の愚痴専門アカウントでも作ってやろうかとも思いましたけど、踏みとどまってこれを書いたというわけです。せめて何か一つくらいは乳がデカくて良かったエピソードでも書ければ良かったんですけど、これのお陰でモテたってこともないし、何なら旦那は尻派らしいし、マジで良いことは特にないですね。


 いつか、派手にすっ転んで頭を強打するところだった我が子をこの乳クッションで受け止めました、九死に一生! みたいなエピでも書ければ良いなと思っております。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る