【短編】 薄給の夫を支えるためにパートを探したら、週3で魔王やる事になりました!〜夕飯の仕度があるので、きっちり定時で上がらせていただきます!〜
週3パート魔王主婦の裏話
さて、二作目は実に宇部らしい宇部コメディです。
やはり一作はこの手の宇部コメディをぶち込まないとですよね。
こちらの話は、毎日更新しているエッセイ、
『好きなことを、好きなだけ』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887527530
の、
『第1970話 ○○を××に替えただけなのに!?』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887527530/episodes/16818093080706378194
で例として挙げたタイトルが思いの外良い感じだったことと、ありがたいことにコメント欄にて、「読んでみたい」という方がおられたため、頑張ってみた感じですね。
基本的に宇部さんはノープロットで突っ走るタイプなのですが、今回はもうタイトルがプロットみたいなものですから。この通り書けば良いわけです。
なので、メモしたのは、主人公である主婦の名前とその家族。それから面接官担当の名前と役職くらいなものです。
ヒロインの名前はすぐに決まりました。ナターシャさんです。なぜナターシャさんかというと、当初の予定では彼女の夫も結構しっかり出番があって、その旦那さんから『ナタちゃん』と呼ばせようと思ったからです。もうおわかりですね、ナタ。そう、ジェイソンさんの愛用武器です。推し殺人鬼の武器の名前で呼ばせたくて、ナターシャにしました。ですが、書いているうちに旦那さんの登場シーンは消え、『ナタちゃん』呼びも消えました。
ちなみに、出て来ませんが、旦那さんの名前は『ダン』です。旦那だから『ダン』さんでした。初稿では子どもも二人いて、高校生のお兄ちゃん『タイロン』と、中学生の妹『ミィシャ』がいました。これはなんかポンと浮かんだやつです。特に理由はないです。
初稿ではダンさんはガーゴイルサービスという大手運送会社の配達員でしたが、羽を負傷したことにより、内勤業務に回されてお給料がダウン、その補填をするためにナターシャさんがパートを探す、という感じでした。
お話は、魔王様の秘書である大魔道士のガスパール様と面接をするところからスタート。ちなみにガスパール様はため息にも毒が含まれてる毒系の魔導士です。そこまで考えました。
で、その志望動機を話す際に、家の経済状況というか、そういうのに触れて、『薄給の夫を支える』部分の説得力を持たせようと思ったんですね。でもそうなると、肝心の、ナターシャさんの魔王エピ部分が薄くなっちゃって。
駄目だ駄目だ。
よし、家庭エピを削るため、新婚さんということにして、子どもはこれからってことにしよう。なぁーに、魔物なんだし、人間とは寿命も違うだろうしな。50年くらい新婚生活を楽しんで、子作りはそれ以降ってことにして――って今度はラブラブ新婚夫婦にしました。だけど、ダンさんの職業は同じ。営業職から内勤に変わってお給料が下がり、何なら在宅ワークにしてしまえ、と。
すると今度は、旦那が在宅なのに、ナターシャさんは週三のパートで夕飯の仕度のために定時で帰るのか? と。
個人的に、「家事は女の仕事! 俺は在宅とはいえ働いているんだから家事なんて一切しないからな!」みたいなモラ夫は絶対に書きたくないんですよ。夫婦を出すなら仲良しじゃないと嫌。となると、ダンさんはナターシャさんが働いている間はリモートしつつ家事をする主夫になってしまったのです。ますますナターシャさんが週三パートで夕飯の仕度のために定時退社する意味がわからなくなってしまったのです。
これも駄目だ。
こうなったら、その辺はもう読者様に脳内で勝手に補完してもらうしかない。というわけで、面接シーンも大幅にカットし、ダンさんの薄給部分についてもサラッと触れるのみにしました。余計なことを書くからいけないのです。そこはもう自由に想像してもらえば良いや、って。それよりもナターシャさんの活躍だ!
というわけで、この構成になったわけです。
その辺の平凡な主婦がなぜか魔王として戦えちゃうし手柄もあげちゃう、っていうのが、この話の最終目標ですから。まぁ結局、言うほど平凡な主婦ではなく、資格マニアの主婦になりましたけど。
でも、どうでしょう。
これもしかしてカクヨムネクスト賞狙えるのでは? と思っています。オリジナル資格さえ浮かべば、なんかうまいこと長編になるのでは? なんて。まぁ書けるかわかりませんけど、担当編集者さんがサポートしてくれるって書いてるし(他力本願)。
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