サワダマチコの婚活の裏話③

 最後にこの人、サチカさん。

 第一章で名前だけチラリと出、第二章でいよいよその姿を現し、そしてまさかの最終章でもおかわり出演するという、ヤバい女です。


 彼女は私の考える――というかネットの中に転がっている(嘘かホントかわからないけど)――『痛い婚活女子』を具現化したキャラで、せめていつか幸せになってくれ、という気持ちを込めて『幸』の字を当てました。あと、華がある、見た目はきれいな女性、ということで『花』。それで『幸花サチカ』となったわけです。


 それでですよ。

 当初の予定では、実はサチカさん、途中からマチコさんと仲良くなって、一緒に婚活するはずだったんですよ。最後の婚活パーティーも、サチカさんに背中を押されて参加を決める、っていう。


 流れとしては、やはり男の人と喧嘩してるサチカさんを目撃して(内容はだいたい白南風君と同じだけど、今度はサチカさんが平手されたりとかする)、見かねたマチコさんがハンカチを冷やして登場。よりによってコイツに見られるとは、とぐぬぬ状態のサチカさん。ついついこんなことしちゃったけど、ぶっちゃけ後悔してるマチコさんが、びくびくしながら結婚相談所を勧める(というか、押し付けた感じ)、っていう。


 でももちろんこの段階ではまだ『白南風君とお付き合いしているフリ』を続行中なんですよね。それでも、まさか同じところに入会しないだろうと思ったら、そりゃあ生活圏内がその辺(六月ろくがつ町)なら相談所も同じですわな。


 だけどほら、そこは宇部作品だから。うまいことかち合わずにね、それぞれ婚活するわけです。そんでまぁ、本編の通り、白南風君と良い感じになるんだけど、例のアクセサリーショップのアラアラでマチコさんブチ切れ、相談所に駆け込んだら、サチカさんと遭遇。ここでやっと相談所通いがバレるわけです。


 で、勢いで飲みに行って何もかも話して、よっしゃそんならパーティー参加しようぜ! あたしも行くし! 頑張ろうぜ、マチコ! って。


 でも、実はサチカさんは白南風君が浮気してないことになんとなく気付いてるわけです。何せ彼は、遊びの女にプレゼントなんかしない(したら最後、記入済み婚姻届コースだから)男。自分がどれほど強請っても、買い物のついでにアクセサリーショップに入ることだって拒否されたことを思い出し、こっそり白南風君とコンタクト。


「マチコがこんなこと言ってるぞ。お前そろそろ腹くくらねぇと婚活パーティー連れてくからな。ちなみに日時は〜」


 で、パーティー会場に飛び入りで参加(さすがに乱入はまずいと思ったから、無理やり飛び入り参加。出来るのかわからんけど、出来るという設定にした)して、マチコさんに猛アピール、こっそり用意してた指輪でプロポーズ! っていう。


 なかなかの力技になる予定で。


 サチカめっちゃいい女じゃん。私の中でサチカが鈴木紗理奈さんになった瞬間でした。


 ただ、ちょっと力技すぎるかなって。これは月9じゃねぇなって思って。今回は月9みたいなの書こうって思ってたから。月9なんてまともに見たことないけど。これは木曜か金曜の深夜ドラマだなって思ってやめました。あと、乱入じゃないとはいえ、飛び入りで参加してソッコーターゲットロックオンからのプロポーズとか、空気が読めねぇにも程があるだろ白南風、周囲の迷惑考えろやって思って。


 もしかしたら、創作として盛り上がるのはこっちなのかもしれないんですけど、その場の空気とか、他の参加者のことを考えると、もういたたまれなくて……。痛すぎるカップルじゃん。私がこう考えるってことは、マチコさんもこう考えるんですよ。


「し、白南風さん……(トゥンク」


 には絶対ならねぇな、って。


「し、白南風さん……(ドン引き」


 の方だな、って。


 なので、白南風君はパーティー後に来てもらうことにしました。婚活パーティーのことを予め知っていたら絶対に事前に妨害するか、乱入するかだと思うので、パーティー中にサチカテレホンだなと考えると、 やっぱり仲良し婚活フレンドよりは、「アイツ、あたしから男を奪ったくせに婚活してやがる! チクッたれ!」パターンかな? と思い、サチカさんはやはり『寄生先を探す婚活女』のままでいてもらおう、ということになったのです。ごめんなサチカ。


 ただまぁ、きっと彼女のことですから、パーティーでなんかいい感じの男を引っ掛けたんじゃないかと思うんですよ。見た目は良いのでね、結構何人かから声はかかって、ちゃっかり連絡先も交換とかしたりして。


 で、本命の医者とかその辺とマッチングするんですけど、やっぱりこっぴどく振られて、やさぐれているところにあのパーティーで連絡先だけは交換したけど、職業とか年収で「こいつはねぇな。まぁ、一応キープだけはしとくか」みたいな感じにしてた男性と再会。最初はとりあえず貢がせとくか、って感じで適当に付き合ってたけど、なんかだんだん彼のお陰で変わっていって――みたいな救済スピンオフをいつか書きたいですね。


 とまぁそんなこんなで、たぶん全部出し切ったと思うので、これにて『サワダマチコの婚活』の裏話、終了でございます!

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