サワダマチコの婚活の裏話②

 そう、それで、その『白南風しらはえ』がですね。てっきりその季節的なというか、天候的な、そういうやつなのかなって思ったら(実際、夏の季語のようです)、地名でもあって。長崎県の佐世保市に白南風町というところがあるそうで。


 前回のね、なんでも食べちゃう妖怪の『秋芳君』も山口県の秋芳洞と被ったし、何なんでしょうね。私、長崎なんてマジで何の縁もないんですけど。


 それで、地名だってわかったのが物語の終盤を書いているところだったんですが、せっかくなので生かすことにしました。ほら、白南風君が製薬会社のボンボンというアレです。普通にありそうじゃないです? 白南風製薬とか。


 そんで、本社の住所からそういう名前にした(でも後にグローバル化的なアレで『エスエイチ製薬』に改名)ってだけなのに、珍しい苗字だからきっとそこのボンボンに違いない! という噂が流れていることにしました。でも実際、そこの社長か何か(この辺は特に断定しなかった)が、たまたま本名が『白南風』だったホステスと「えっ、君の名字も白南風なの? 実はウチの会社ももともと『白南風製薬』っていうんだよね。えーこれ運命じゃない?!」みたいな感じでそういう関係になり、恭太君が生まれる、と。でも、あくまでも愛人との子なので、ひたすら援助を受けまくってるだけっていう。そんな設定を加えたりして。


 やっぱりね、院まで進むっていったらお金がかかりますから。いや、世の中の院生さんみんながみんなこうだったら大変ですけど。


 あとはあれですね。

 学食の小林さん。45歳で職場では二番目に若い方ですが、社歴が長いのでナンバーツー的ポジションの人です。この人は長年同棲している恋人がいるんですけど結婚はしてません。で、最初は同性のパートナーだから結婚出来ないってことにしようかな? って思ってたんですが、色々ぶっ込んでもな、と思ってやめました。ただ単に『結婚』っていう制度に縛られたくないのかもしれないし、もしかしたらバツイチでためらってるのかもしれないし、相手は実は他に家庭があるというか、離婚したいのに応じてくれなくて家を出てるとか、そういうのかもしれないし、その辺はあえて書かないことにしました。そこにも触れちゃったら20万字いくってばよ。


 さて、相談所の後藤さん、マチコさんの担当の彼ですね。

 実は当初の予定では、彼もマチコさんを狙っている設定でした。これも収集つかなくなるというか、そもそも客に手を出すとか大丈夫なのかって思って、慌てて彼の左薬指に指輪をはめましたが、ぎりぎりまで「指輪はカムフラージュ。実は離婚して独身だが、独身だと説得力に欠けるため、既婚者の振りをしていた」みたいな感じで、ラストの婚活パーティーで誰ともマッチングしなかったマチコさんを慰める&俺なんてどうですか? って予定だったっていう。やめましたけど。


 そして、弟の嫁の麻美さんですね。

 ここが一番悩んだんですよね、あの後どうなったかって書いた方が良いのかなって。もちろん考えてはいるんですけど、そこまで書いたらラストが間延びしねぇかなって思ってやめました。


 ちなみに麻美さんは、書いてはいないんですけど、設定ではマチコさんの高校の後輩でした。ただ、マチコさんの方では全く面識がないというか、年齢的にはかぶってないんですけど。一方的に知ってて、何となく気に入らないって思ってる、っていう。何でこんなのが義姉なのよ、って。狙ってた先輩(義孝の友人)が「義孝の姉ちゃん美人だよな」とか言ってるのを聞いたりとかして、勝手に敵意を持ってたりとか。結局、その先輩とは駄目で、義孝君の方と付き合うんですけど、実は蓮君は義孝君との子ではなくて、浮気相手との子ども、という設定があります。今回の浮気相手か、はたまた過去の浮気相手かはまぁどっちでもいいんですけど。もうさらーっと『今回の浮気相手』とか書いてることからもわかるように、月に何度も預けていたのは……っていう。皆さんも薄々感づいていたでしょう?


 そんで、クリスマスに全然迎えに来なかったのは、「行き遅れのコミュ障おばさんのくせに高級ホテルでディナーとか、生意気だしありえない。絶対に嘘だし、本当だったとしてもすっぽかして振られれば良い」、ってことで浮気相手とよろしくやってた、っていう。弟にチクられるとか微塵も考えなかったのかしら。頭大丈夫か、この子。


 ね、この辺のこと全部書いたら大変でしょ? 20万字行くって。需要と余力があったらこの辺のも書きたいですけど。とりあえずカクヨムコンの方ではあそこまで、ってことで。


 あと何か書きそびれたことなかったかな。


 あっ、麻美さんは密かに食堂をおしゃれカフェにしたいとかそんな野望を持ってます。こいつだけ設定が多い(笑)

 だけど、まだ舅姑が元気なので、早く引退しないかなってその時を虎視眈々と狙っています。実家の食堂はもうほんと『THE大衆食堂』って感じのお店なので、おしゃれじゃないから手伝いたくない、っていう。食事はその店で食べるので、彼女は料理を作りません。子どもの離乳食も作ったことないです。義孝君はなぜこんなのと結婚したんだ。たぶん顔だけは可愛かったんでしょう。それにデキちゃったし(実際は別の男の子だけど)。とにかく女の嫌なところをぎゅぎゅっと凝縮したような感じの女で、マチコさんは一応オドオドコミュ障おばさんですけど美人設定なものですから、「でも私は結婚もしてるし子どももいるから、私の方が上」みたいな感じでマウントを取りまくっているのです。


 まぁでも今回のことで離婚かもしれませんね。あーらら。なんかうまいこと行って書籍化とかなって続編出すってなったら書きます。そんな日が来れば良いなぁ(笑)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る