【短編】 天翔ける竜になった白蛇の(ヤバい)花嫁

天翔ける竜になった白蛇の(ヤバい)花嫁の裏話

 これでカクヨムコン短編は最後だ! と意気込んで臨んだ生贄モノの異種婚姻ファンタジーでございましたが、いかがだったでしょうか。たぶん生贄云々の話は初めて書いたんじゃないかな、と。構想自体は昔からちょいちょいあったんですけど、書けそうなのがせいぜい導入~中盤くらいで、オチが迷子な上、長編まで育ててあげられそうになくてですね、それでもまぁ短編なら? という気持ちがあったものですから、頑張ってみた次第であります。


 それでですよ。

 当初、この生贄ちゃん(作中では『ソコノ』なんて名前のような名前じゃないような名前でしたが)はですね、ガチのマジで白金様にぞっこんラブで、マジで食べられたがってる設定でした。つまりは、村を大きくするとか何とか、そんなのもう一切なし。もうとにかく好きなので、「白金様の血肉になりたいです!(ハァハァ」っていうガチのヤバいやつでした。が、それだとどうにも10000字におさまらなくてですね。かといって長編も無理。ほんと中編部門があったらなぁ、って。


 なので、途中から花嫁になるんですけど、それはそれで結果オーライというか、まぁ血肉にはなれないけど、お嫁さんならいっか! 大大大好きな白金様のためならその辺の人間を全部三枚におろしますね! っていうヤンデレヒロインだったんですよ。


 それを白金様がどうにかこうにか嫁いびりで諦めさせようとするんですけど、彼はとっても優しいので、いびりきれなくてことごとく失敗しちゃうんですね。失敗するっていうか、生贄ちゃんが愛の力ですべてクリアしちゃう、ってだけなんですけど。


 で、生贄ちゃんは、毎日白金様のところに通ってる感じで、その度に村人から馬鹿にされるんですよ。お前みたいなやつが白金様の嫁になれるわけないだろ、みたいな。生贄ちゃんの村での立場はあの通りで、両親はいなくて、村長さんのお屋敷に住まわせてもらってるんですけど、寝るところは家畜小屋だし、食べ物は残飯だし、読み書きも計算も出来なくて、揶揄われたり蔑まれたりしながらこき使われてる、っていう。


 そんな彼女が何で『白金様にぞっこんラブ』なのか、っていうのが、自分でもかなり謎でですね。ここまで考えたは良いけど、えっ、その辺どうしよ、って。毎度毎度ね、ノリと勢いのノープロットで書くからそんなことになるんですよ。だってどうしても、人間を三枚におろそうとするやべぇヤンデレヒロインを書きたくて!


 それで色々考えましてですね。

 やっぱり命を助けられたってのが自然かな? って思ってですね。そういうのもちょっと書いてみたんですよ。たまたま白金様がうっかり目を離していた時に大雨が来ちゃって、それで土砂崩れが起こったりして――とか、そんなようなやつ。


 そんなのを悠長に書いてたら20000字くらいになりそうでね。やべぇ、違うわ、って。


 それで、村にものすごく恩を感じている生贄ちゃんが、村のために身を捧げる、っていう、そこだけを見たらたぶんド定番な流れの生贄モノになったわけです。ド定番じゃなかったのは、生贄ちゃんが一生懸命すぎるというか、職務について真面目過ぎたというか、とにかくそんな感じで、めっちゃヤバかった、っていう。


 そんな話になったわけです。


 そんでほら、困ったら神様のパワーで何とかなると思ったのでね? 神様も出しました。神様ってもう何でも出来るから。最後は白金様を人間にするか、生贄ちゃんを竜にするかして、ハッピハッピフゥッフー! っていうイメージだけはあったので、竜にしてみました。ほら、今年辰年だし。ぶっちゃけていうと、「あっ、ちょうど今年辰年じゃん!」って気付いたのは書き上がる直前でしたね。普通に干支のこと忘れてましたから。ウヒョー! ちょうど良いじゃん! 私すごーい! って思いましたもん。忘れてる時点で何もすごくはねぇよ。


 それにしてもアレですね。

 私ってほんとまともな神様を書きませんね。なんか人間味をだしたくなるというか。ほら、ギリシャ神話の神様もたいていアレじゃないですか。下半身がだらしない方とかいるでしょう? だからまぁいっかな、って。


 とにもかくにもどうにか新作短編5つ書けました! 頑張りました! もう思い残すことはねぇよ、と言いたいところですが、公式さんがまーたとんでもない企画をやるみたいなので、まだ書くかもしれません。

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