週一サンタは毎日大変!の裏話②

 さて、そんなこんなで不登校になりかけた暖乃ちゃんですが、多少サンタ絡みでなんやかんやあったものの、やたらと普通普通とアピールする普通の中学二年生になりました。


 ですがまだ気は抜けません。

 宇部さんの悪い癖である、『登場人物に何かしらの重い過去を背負わせる』が虎視眈々と次の獲物を狙っています。暖乃ちゃんは回避しましたので、次のターゲットはトナカイです。ヒロインが駄目ならトナカイ達になんか背負わせればいいじゃない! というわけです。児童向けだっつってんだろ、と心の中の聖母ウベ・マリアが強めに囁きますが、まぁまぁ、と軽くいなして書きまくります。


 この月曜日営業所、後継サンタがおりません。

 という書き方をすると他の営業所にはいるのかな? と思われたかもしれませんが、現状、ノープランです。万が一億が一書籍化するなどして続巻を書くとなったら、そこの後継サンタが暖乃ちゃんに一目惚れしてアーラララ、みたいな展開も書けそうですね。


 それは置いといて。

 とにかく後継サンタがおりません。アドじいはまだまだ現役バリバリですけど、一人娘のマルユッカさん(暖乃ちゃんママ)はそりが大の苦手なのでサンタを継ぐ気はありませんし、その話が持ち上がった際、暖乃ちゃんはまだまた小さかったですし。というわけで求人サイトに募集要項を出して、何とかそりをクリアした人がサンタの研修に挑むのですが。


 そこでトナカイーズがその新人君に振り回されてとんでもない目に合い、『研修』という言葉に異常に怯えるようになる、という話にもなりかけました。具体的には、プレゼント対象者の願いが『サバゲーをしたい』で、新人君がちょうどトナカイいるし、こいつらを狩るゲームにしたら良くない? みたいなとんでもない提案をし、その時はちびっこトナカイ達もいたため、レラが囮を買って出て――っていう。


 ワッカとフミもまぁまぁ偉い目に合うのですが、その度にレラが庇ってさらに酷い目に合い、角も折れかけ、毛皮もベロベロになり――、と私はレラに何か恨みでもあるのかな。普段はドツンツンのツンデレが実はものすごく仲間思いだ、っていうのを書きたかっただけなのになぜこんなことに……。


 それで暖乃ちゃんは普段ツンツンの俺様レラの優しさに気づいてトゥンクする的な流れだったんですけど、さすがに児童向けでトナカイをいじめる描写はどうだろうと思ったのと(カクヨムコンなら容赦なくやってたかもしれない)、あとまぁぶっちゃけ文字数がやばくてばっさりカットしたわけです。


 さて、そんなこんなで何度も『いつもの宇部』が顔を出しかけましたが、魔法の言葉『今回の上限わかってんのか(70000字)』で黙らせ、あのようなお話になったというわけです。文字数の上限がなかったら、いつもの宇部作品になってたでしょうし、カクヨムコン行きだったかもしれません。

 

 ただ、あのまま書いていてもですね、その書き出しの『不登校』部分がどうしても強くて、何をどうしたら、それを乗り越えてまた学校に行けるようになるんだろう、っていうのが難しかったんですよね。それに『学校=絶対に行かなくちゃいけない』っていうのも、もしかしたら現在進行形で学校に行けていない子が読んだ時にプレッシャーになるんじゃないかなとか思ったりして。


 そりゃ行かないよりは行った方が良いんでしょうけど、絶対にそうとは言い切れないというか。絶対に行かなくちゃいけないって書いてしまったら、「学校に行けない自分は駄目なやつなんだ」、「不登校なんて、ウチの子は弱い」みたいに取られるのも嫌だなって。うまい作家さんならそういうのもうまく書けるんだろうなって思うんですけど、私にはその力がないのでね。


 どんな人が読んでも傷つかない話を書くのは不可能だとわかってるんですけど、どうしてもそこが引っ掛かってですね。なのであんな感じのストーリーになりました。


 まぁ、アマチュアなんだし、そこまでイチイチ配慮せず好きに書けよって話なんですけど。あんまりあれもこれも配慮配慮ってしてたら何も書けなくなっちゃうぞ、ってね。


 そんなこんなで出来上がりました、(たぶん)そんなに宇部作品らしくないような気がするサンタクロースのお話でした。まかり間違って書籍化のオファーが来たら、ちびっこトナカイ達が帰還してわちゃわちゃ編、他営業所の後継サンタに暖乃ちゃんが一目惚れされてさぁ大変編、なんやかんやあって三尋木みよぎ君も暖乃ちゃんを好きになっちゃってアーラララからのレラがヤキモチ焼いちゃってフゥッフー編などをチラつかせて2巻、3巻まで頑張りたいですね。


 もちろんいまのところノープランですけど(笑)

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