何でも食べちゃう妖怪のお話の裏話③

 で、ストーリーとしてはこんな感じだったんですけど、登場人物の細かい設定としてはですね、まず、杣澤君ですね。


 彼はお寺の息子、という設定でした。

 結構由緒ある系の長男なんですけど、なんやかんやあってお寺は弟の鉄二てつじ君が継いでます。妖怪とかもちょいちょい遊びに来るようなところで、小さい頃は河童と相撲を取って遊んだりしてて、彼が大きいのはやっぱり遠い祖先に見上げ入道がいる、みたいなのも一瞬考えました。


 この寺設定がどこで活きるかというと、まぁぶっちゃけ活きることはなくてですね、途中で伏木さんが半妖とバレるわけですけど、彼は腰を抜かしてましたね。そんなの知ってましたよアハハとはなりませんでした。じゃあなぜ寺生まれにしたんだ。


 そんで、伏木さんですけど、実は途中まで、彼女こそが『岡女嘉寺』という設定がありました。彼女は名前を変えながら各地を転々としておりまして、明治のその頃は『岡女嘉寺』として金庫を作っていた、と。場所は名前からもわかる通り、岡山県という設定でした。『岡女嘉寺』という名前は、『岡山の女』で『岡女』、『嘉』の字は自分の母親からもらって、『寺』は幼少時によく遊びに行っていた寺から、という感じでつけました。で、その『寺』が実は杣澤君の家だった、っていう。そういう縁があったりしました。


 ちなみに伏木さんは、『俺の執事、本当に男なんだろうな!? 〜執事派遣センターから来た執事がやけに色っぽすぎるんだが!?〜』の『ヤス君』ことヤスミン・フレデリク・フレデリカ君というキャラにそっくり、という設定もあります。とにかくそういう作中作をたくさん出したくて、秋芳君の方は何とか完結作の方にも残せたんですけど、伏木さんの方はどうにも入れられず断念しましたね。


 とまぁそんなこんなで、これがさんざん生みの苦しみを味わった今回のカクヨム参加作でございました。


 いまこうして振り返ってみましても、本当に書き直してよかったなと思っております。駄目ね、ちゃんとプロットは用意しないとさ。毎回毎回「えー、宇部先生、ここからどうなるのー!?」って一読者の気分で書いてましたから。ここからどうなるのかなんて私が一番知りたいっつーの。


 で、毎回ちゃんと反省するんですけど、たぶん次のカクヨムコンもほぼほぼノープロットで臨むんですよ。いまのところ、男性アイドル二人組が出てくるラブコメで行こう(BのLじゃなくて)と考えてはいるんですけど、いまのところ、登場人物とふんわりストーリー(しかも頭の中にあるだけでメモすらしてない)しかありませんから。


 とりあえずそんな感じです。

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