第七話 farewell this world 4
「そんで?その死者へ与える【3つの選択肢】とやらはなんだ?」
「まあまあ、そんなに急ぐな。急がば何とかって言葉があるだろう。」
得意げにペルセポネは【ことわざ】を披露する。
きっと他の日本出身の死者かなんかに教えてもらったのだろう。
正直うろ覚えだろう。
「まあ、つまり、このことをわかりやすく説明するとまず、選択肢はさっき言ったように三つだ。その内訳のまず、一つ目は、そのまま綺麗に成仏して、天国に行くこと。ただここで、注意してほしいのが『天国』というこは名前だけで、そこでは一生何もすることはないけどね。ただ、真っ白な空な感に行き、永遠にそこをゆっくりと、心置きなく過ごす。ただ、それだけさ。」
「なんだ、それ、そんなの全然天国なんかじゃねーじゃん。それじゃほぼ「無」だよ。ある意味地獄でもあるじゃないか。ちょっと暇が嫌いなおれにはそれちょっと嫌だな。」
「それで救われる人もいるから名称が、天国なんだよ。世の中は君が思っているより広く、多様性に満ち溢れているよ。この世の全てに疲れ切った人、まあ、所謂【社畜】という属性の奴が行きがちだな。」
此処で、間違いなく言えるのはこの人が言った、【社畜】は属性でもなんでもない。
(世界がどう転んでも、社畜はただの社畜だ。)
「そして二つ目の選択、もう一度君がいた、同じ現世で生まれる。いわば現世にもう一度転生だね。」
「もう、あの退屈な現世での生活はもう懲り懲りだよ。できればそれもちょっと嫌だな。」
俺の言葉を聞き、待ってましたと言わんばかりの表情をペルセポネはしていた。
「うん、そうか。そんじゃあお待ちかね、最後の三つ目の選択の発表だ。それは、異世界に行き(転生)そこでチート能力を私が貴方に授けて、そこで無双(¿)をする。最近は何故かこの選択が人気なんだよね。まあ、私からもここが一番のおすすめなんだけどね。さあさあ‼︎貴方はいったいどれを選ぶのかな?」
はは。選択肢?馬鹿馬鹿しい。そんなこと、言われなくても決まってんだろ。
俺は意気揚々と手を天に掲げて大きい声で堂々と言った。
「俺が選択する運命は、『異世界転生』だ!!」
その刻、わずが0コンマ3秒の出来事だ。
「ーーーー」
「.....その素早い判断は良いことなんだがちょっと本当にそれで良いのか?あまりにも判断が早過ぎないか?後から後悔しても知らないぞー。チート能力って言っても、結局は他のことを考えると、色々現世よりも大変だよ。」
早急に決めた俺に小さな警告を鳴らすペルセポネ。しかし、それが善意だろうが悪意であろうが俺の心は変わらない。これが俺の思っている中での最大の選択なのだからな。
異世界に行くことなど、雑作もない。
「ああ、んまあそれで良いとも。それが俺のただ一つの曲げることの無い一つの答えだ!!ははは。」
異世界....か、正直言ってよく小説とかアニメとかで見て憧れていたな。最強になってハーレムを築き上げて、良き仲間に出会って、彼女を作って。異世界では現世で出来なかった、あんなことや、こんなことが、待ち広げているだろう。
「そ、そうか。まあ、貴方が良いなら大丈夫だけど。」
「よし、じゃあ、俺の転生特典は最強スキルで頼む。所謂、なろう系ってやつでよく見るものな。ハーレム系とか、チート系のね。本当に頼むぜ。嘘ついたらもう所構わずそこら辺で泣くからな。」
「o.k.それじゃあ私にあとは任せておいて。全てのパラメーターフルMAXにしといてあげるからね。特別にね。まあきっと活用次第ではかなり無双できると思うよ。じゃあ御幸運がーあるかな?」
「俺に聞くな。でも幸運は俺自身がこの手に掴み取ってやる。」
「それじゃあ、最強第二人生頑張ってね。可愛い嫁、ペルセポネより貴方に愛を込めて♡」
「ああ、ハーレム作るぜ。お母さん、俺。立派な人間に生まれ変わるよ。」
「はは、やっぱり貴方は面白いわぁ。」
円陣の様な物に呑まれ、俺を異世界に送り込む。ここから、俺の新たな生活が始まった事だ。
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