第1章 転生
第2話 目が覚めたら
狭い。なんだろう、なにかずっと暗くて狭いトンネルを通ってる感覚だ。これが死というやつなのだろうか。
っっと。何かから抜けたような感触がしたと同時に世界がとてつもなく眩しく光る。
「ーーーーーー〜」
「ーーー〜」
「ーーーーーーーー〜!!」
は?
そこにはなんかめっちゃ喜んでるように見える若い男性と安心した顔でベットに寝ている若い女性、そして1人の30代くらいに見える女性がいた。
「ーーーーー〜?」
ん〜、なるほど。
「おぎゃあああああああ!おぎゃあああああああ!」
どうやら僕は転生したようだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ということでおそらく現在生後3日。
とりあえず状況を整理しよう。おそらくだがこの前僕は帰り道に熊に襲われ、逃げてる最中崖から落ちて前世の僕である西山日向が死亡。そしてなんとびっくり赤ん坊としてここに転生した、というところだろう。
そしてここに来てから1回も聞いた事のないような言語、そして知らない国籍の人しか見ないところから考えるとおそらくここは異世界と言うやつなのだろう。
幸い僕は結構その類のアニメや小説、漫画が結構好きだったのでそれなりの適応ができているし落ち着いてはいる。いや、逆に興奮してるかもしれん。
ちなみにこの3日間何をしていたかというところほぼ思考と睡眠だけだ。いやまじでこの身体めちゃくちゃ眠たい。びっくりだよ。
精神は大人なのに身体は赤ん坊だから、社畜時代を思い出してなんちゅう時間の無駄をしてるんやと思ってる。それだけじゃなく大人の精神でおもらしをするのだから羞恥心でちょっと泣きそう。
あとパパとママが美男美女すぎる。驚愕したわ。あの顔の遺伝子を受け継ぐなら自分もかっこよくなるのだろうか。前世ではまあ普通って感じだったからぜひイケメンになってみたいところだ。
この赤ちゃんボディではできることが少ないけれど、さすがに暇すぎるので何か出来ることを増やしていきたいところだ。
まず第一に言葉を覚えたい。この3日間頑張って覚えようとしたけど未だにさっぱり。まあ頑張って覚えていこう!
そしてもうひとつ、なんと大発見がある。
頭の中で異世界あるあるのアレを念じると
(ステータス、オープン!)
ノア・アレクシス 年齢0歳
レベル0
HP6/6 MP5/5
筋力:1
耐久:1
俊敏:1
知力:1
魔力:1
器用:1
幸運:1
スキル:なし
こういう感じで自分のステータスが見れるっぽい。
というわけで今世での僕の名前はなんと!
な、な、なんと!
ノア・アレクシスというらしいです。
まあ自分ではめちゃくちゃ気に入ってるしなかなかいい名前だと思う。これからはずっとこの名前を名乗っていくことになるだろうからいい名前をくれたパパとママには感謝。
まあひとつ言いたいことがあるとすれば、僕のステータスは間違いなく凡人以下っぽいことかな。少なくともなにかに恵まれてるとかはこのステータスからは全く読み取れない。正直転生だしなにかひとつくらいスキルがあってもおかしくはないと思うのだけれど僕にはないらしい。まあ転生前の記憶があるだけでも十分過ぎるだろうし文句は言えない。
あと何より、この世界には魔力があるらしい!
これは元の世界にはなかったものなので一刻も早くどういうものなのか理解したいところだ。前世のゲームなどの知識だと空気とか自分の体内に普通に存在してるイメージなんだけどそれを感じ取ることはなかなか難しい。もしかしたら魔法とか何かしらをする時にのみ感じられるのかもしれないし要研究だ。
レベルに関してはどうやってあげるのかは分からないけど勝手に上がるってことは無いだろうし暫くは上がらなそうかな?
こんなことを考えていたらそろそろ時間らしい。まぶたがものすごく重たいし、思考も鈍ってきた。
ああ、次起きる時はおもらしじゃないといいな。
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