第2話 9つの国

現代のフォルトナ。


人魔大戦の後、人々は長い年月をかけて9つの国を興した。


フォルトナを作り出した8神を祀り上げるため、それぞれの神を祀った国が誕生した。


炎の国 スヴァルム


氷の国 インヴェル


風の国 リュズゲル


雷の国 エレクレア


水の国 ゲリゼルン


土の国 トゥルバス


光の国 アオレント


闇の国 フィンスタ


そして8つの国の中央に位置し、8つの国の宗主国であるマハイル。


8つの国はそれぞれの文化や、【人魔大戦】以降最も偉大な発明と言われた魔法学を形成し、各国独自の魔法を発展させながらも、宗主国マハイルを通じて良好な関係を保っていた。


マハイルには各国から様々な目的を持った人々が集い、そしてお互いの国の文化に触れ、それを理解しあうことで国家間のより良い関係を築いていった。


8つの王国は神々が天上へと帰っていった後に、人魔大戦で大きな功績を残した8人の偉大な人物を王として讃え、現代に至るまでその血族が代々王として治めていた。


宗主国マハイルは8つの王国が誕生したのちに、今後永久に人間同士で争うことがないよう、8つの王国を統べる絶対的な存在を作り出す目的のもと誕生した。


その国名にはそれを提案した実在の人物の名が付けられた。後世には聖マハイルとして神格化され、聖マハイル教団という宗教団体も誕生し、日々人々に世の安寧と平和を説いている。


一方、魔族たちは人間の暮らす地域とは遠く離れた辺境の地にて、オディウルと呼ばれる国を作り、貧しい生活を送っていた。


人間の暮らす地域とオディウルの間には長い年月をかけて築かれた巨大な壁によって隔てられていた。


人魔大戦以来、人間と魔族の間での関わりは全く消え、いつしか人間たちの間では魔族は御伽噺の存在とされていた。


巨大な壁の向こうにはまだ見ぬ新天地が広がる…。


多くの学者たちはこぞって壁を乗り越えその先に足を踏み入れる方法を考えたが、未だ壁の向こうに踏み入ることが出来た者はいないという。


人魔大戦ののち、フォルトナで戦争は起こっておらず、人々は争いのない世界でその裕福な生活を謳歌していた。


【運命の日】が訪れるその時までは…。

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