第46話 殿下視点

婚約者のカリーナがあの女を連れて、王妃教育にきた。なぜ、あの女がいる。確か修道院へ入れられたはずだ。


ヨシュアから連絡をもらい、会議を理由にカリーナと会うことを避けた。


カリーナは何を考えている?宰相は把握しているのか?側近の令息も近頃見かけない。


母上にカリーナの様子を聞く。

いつもと変わらず王妃教育を受けているらしい。


適当な理由をつけ、王宮医師に鑑定を受けてもらったが、異常はないと言われた。


納得ができなかったので、錬金局長に相談した。強力な隠蔽をできる術師なら王宮医師にわからないこともあるかもしれない。錬金局長が鑑定するか、状態異常ポーションを飲ませてみればいいと言われた。


リトラーゼ公爵令嬢がエグみのないポーションを作ることができるそうだ。状態異常ポーションは聞いたことはないが、彼女が作れるなら、気付かれず飲ませれる。


私が直接会いたかったが、ヨシュアを使者に状態異常ポーションを作ってもらうように依頼した。


リトラーゼ公爵令嬢が行方不明になってなければ、彼女が婚約者だったはずだ。あの聡明で清らかな彼女は私のものだった。


リトラーゼ公爵令嬢はすぐに状態異常ポーション良を作ってくれた。ヨシュアから状態異常ポーション良を受け取り、母上に頼んで飲ませた。


カリーナはやはり操られていた。ここ数ヶ月の記憶が曖昧らしい。


カリーナを診断した医師の行方がわからなくなっている。医師の行方を調べているが、見つからない。


カリーナを母上の元に隔離し、錬金局長に作ってもらった魔道具をどうやってあの女につけさせるか、話しあった。


ヨシュアの提案で、カリーナの部屋に私からのプレゼントとして置いてみることになった。カリーナへのプレゼントを勝手につけるなんて有り得ないだろう。


あの女が部屋に戻ってきて、すぐプレゼントを見つけた。控えていた侍女の話だと、見つけてすぐプレゼントをつけたらしい。


ありえないだろう。やっぱりおかしな女だ。


王宮の侍女や騎士団にも被害者がいて、一部が錯乱状態になってしまった。リトラーゼ公爵令嬢からもらった状態異常ポーション良を飲ませ、隔離した。


宰相は、被害にあってなかったが、候爵家の令息や使用人のほとんどが被害にあっていた。特に令息は、孤児院からあの女を連れてきており、婚約者を酷い扱いをしていた。


被害者の数が多く、今回の件を隠すことはできない。宰相から、カリーナとの婚約解消と令息の側近辞退の申入れがあり、承諾した。


同年代の子女はほぼ結婚している。高位貴族で結婚していないのは、リトラーゼ公爵令嬢くらいだ。母上に彼女を婚約者にできないかと相談した。母上は、あまり乗り気でなかったが、父上にお願いしてくれると言ってくれた。


父上に呼び出され、もうすぐ結婚する女性を婚約者にできるわけないだろうと怒られた。常識的でないのはわかっているが、彼女以上にふさわしい女性はいないのだ。

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