第45話 領都リトラーゼ

キッドと領都リトラーゼへ視察にいくことになった。ウリュウさんとシンさんも同行し、領都の公爵家専属錬金術師にポーション良の指導をする。


領都リトラーゼには、母の従兄弟リンドールが領地を管理している。リンドールは、母に似ているフィリスティアを溺愛している。


父と絶縁していた母の弟ディーンは、リンドールの弟だったが、母が当時の王太子だった今の陛下と婚約していた為養子になり、リトラーゼ公爵家を継ぐことになっていた。王太子が隣国の王女と結婚することになったため、母とは婚約を解消した。ディーンは、母が父と婚約すると同時に、リトラーゼ家が保有していた伯爵位を継いで、リトラーゼ公爵家に奉公に来ていた傘下の子爵令嬢と結婚した。


「リンドール叔父様!」

『やあ、フィリスティア。いらっしゃい。見ないうちにまた綺麗になったね。キッドもよく来たね。』

『リンドール殿、お久しぶりです。お世話になります。』


「リンドール叔父様、アスシオンの錬金術師たちが、ポーション良の作成に成功いたしました。」

『ああ、こっちにも届いているよ。本当にエグみがないんだね。』

「はい。ウリュウを連れてきましたので、領都の錬金術師にも作成してもらおうと思っています。」

『ウリュウがいるなら大丈夫だろう。』


アスシオンの錬金術師も領都の錬金術師もリトラーゼ公爵家と契約した際に、外部への秘密漏洩ができないようにしてある。作ったポーションについても錬金術師個人が、外部へ販売することはできない。騎士団へ卸す際も厳しく管理している。


中級、上級はポーション良になるが、下級は今まで通り領地の専属ではない錬金術師から買い上げることになりそうだ。


ウリュウさんは、リトラーゼ公爵家の専属魔術士にも魔道具を使って魔力の効率化を計る。王宮錬金局長がその調査を始めたことを伝えておいた。ちなみに新しい魔道具を作るように局長に頼まれている。メモリが細かいものが欲しいと言われてる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る