第40話 状態異常ポーション

薬草を揃えて、状態異常ポーションを作る。

とりあえずは、下級ポーション良と同じ魔力で作ってみる。


あっさりできた???

鑑定は、状態異常ポーション良になってる。他も一緒なのかな?


さっさと渡して帰ってもらおう。


ポーションを持って、温室へ向かう。

リョンちゃんとシャスとファハは、温室内の高いところにシャスの糸で作ったハシゴで遊んでる。ハシゴの上を走るファハの回りをクルクル飛び回るリョンちゃん。


シャスはところどころにクモの巣を張り、クモの巣に体当たりして跳ねて遊んでる2人。


楽しそうだけど、温室がクモの巣だらけ…

ヨシュア様、同じように体当たりは辞めて下さい。


「みなさん、楽しそうですね?」

『あっ。すみません。』

「いえいえ、ヨシュア様、出来ましたよ。」

『ありがとうございます。』

「使用の際はきちんと鑑定をしてからお願いしますね。」

『はい。効くといいのですが…』

「医師の鑑定では状態異常はでてないのですよね?」

『そうなのですが、あきらかに様子がおかしくて。2年前に学園にいて退学になった男爵令嬢を覚えていらっしゃいますか?』

「ええ」

『彼女、あの後男爵に修道院へと送られたのですが、少し前からロンバル候爵家でメイド

をしているようで、ロンバル候爵令嬢が登城の際、同伴しているのです。ロンバル候爵令嬢は、マナーもしっかりした落ちついた方だったのですが、男爵令嬢の好きなようにさせてまして。まだ、大きな問題にはなっていないのですが、前科もありますし、ロンバル候爵令嬢が注意もしない、登城に同伴させるのはおかしいと殿下が判断されました。男爵令嬢は、ロンバル候爵令嬢が王子妃教育をしている間に王宮で自由に過ごしているのです。』

「魅了や洗脳を疑われていると言うことですか?王宮医であれば鑑定できるのでは?」

『王宮錬金局長に相談したところ、もし強力な隠蔽がかけられていれば、王宮医の鑑定でないこともあり得る、状態異常ポーションを飲めば解決するのではと言われまして。』

「状態異常ポーションと言わず飲ませるのですか?」

『そうです。珍しい栄養剤を手に入れたと言うことにし、王妃様と共に飲んでいただく予定です。王妃様がお見えになるところには、男爵令嬢は来ませんので、男爵令嬢がいない間に飲んでいただきます。』


物語は終わったのにまたヒロインの登場だなんて。確かにおかしいよね。問題を起こして、ロンバル候爵令嬢自身も被害を受けていた。候爵家の使用人なら身元調査や保証人が必要で、簡単に雇ってもらうことはできないはずだ。


状態異常ポーションを受け取り、ヨシュア様は王都へ帰って行った。


ヒロインはどうやって候爵家に入りこんだのだろう。


ポーションが効けばいいけれど、ポーションが効いても根本的な解決にはならない。

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