第34話 バットエンドのヒロイン
キッドとお父様に図書館で絡まれた話と殿下に1人で行動するのを避けるようにと言われた話をした。
ヒロインの家へ抗議をすると2人とも言ったが、接点を作りたくなかったのでやめてもらった。
図書館へ行くことを控えたので、ヒロインに会うこともない。
ヨシュアさんの話だと、ヒロインは私を探しているようだ。相変わらず、悪役令嬢にイジメられたと回りに言いふらしている。
ヒロインのクラスは、ヒロインのいい分を男子生徒を中心に信じている。
ヒロインのいい分を信じた伯爵家の男子生徒が、ヒロインの腰を抱きながら婚約者の子爵令嬢に婚約破棄を言い渡した。
『そのような事実はございませんが、婚約破棄は受け入れますわ。皆様、証人になって下さいませ。婚約者でもない女性の腰を抱きながら、ありもしない理由で、家も通さず、婚約破棄を言い渡したことを。』
『ありもしない理由なんかじゃない。泣きながら、話してくれたんだ。』
『再度、申し上げます。私は何もしておりません。その方と話したこともございません。』
『ほら、こうやってイジメてくるの。助けてぇ。』
『家に帰ってすべて報告させていただきますわ。失礼いたします。』
婚約者破棄を言い渡した男子生徒は、次の日から学園にこなくなった。
子爵家から、婚約者の伯爵家、ヒロインの男爵家に慰謝料が請求されたらしい。
ヒロインの実家は、イジメられているという話を鵜呑みにして、学園に乗りこんできたが、学園長から、今までの高位貴族へのつきまといや、今回の詳細を聞き、真っ青な顔をしヒロインを連れて帰って行った。
連れて帰るときも、ヒロインは色々喚いていたが、男爵に怒鳴られ引きずられるように馬車に乗せられた。
物語は、あと2年近くもあるのにヒロインが退場した。
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