第33話 図書館での遭遇

図書館で従魔関係の本を読み漁り、次は薬学の本を読もうと探していた。


誰か近くにいる気がしてふと顔をあげた。

シャインゴールドの瞳と金髪が見え、慌ててカテーシーをした。


『ああ、ごめんね。邪魔してしまったね。

フィリスティア・リトラーゼ公爵令嬢だよね。』

「はい。お初にお目にかかります。リトラーゼ公爵家フィリスティアと申します。」

『会ってみたかったんだ。貴族科にいないからどうしたのかと思っていたけれど、魔術科なんだね。』


王子様?なんで話しかけてきたの??

会ってみたかったとは?


「はい。魔術科の1年に在籍しております。」


ドタバタと走ってくる音がした。ヒロインだ。こっちにぶつかってきそうなので、直前で身体を避ける。


『いったぁい。酷いですぅ。足を引っ掛けるなんて。私、いつもこの人にイジワルされているんですぅ。』


初対面ですけど、なにか??


『彼女は、ここで私と話をしていた。いきなり走ってきて、ぶつかりかけたのは君だろう。第一に図書館は走ってはいけない。』

『どうしてその女をかばうのですか。その女は悪役令嬢なんですぅ。私イジメられているんですぅ。』


ヒロイン、いい逃げしていった。だから、図書館は走っちゃダメだって。


後ろから、あの生徒会役員が来た。


『もう少しちゃんと見張りをしてくれ。』

『殿下、あの人行動がおかしいどころじゃないです。ああやって人にぶつかっては、言いがかりをつけるし、自分で噴水に落ちるし、街へいけば人のお金を使い、ヒロインだから許されるとか訳がわからないです。』


この人は王子の密偵だったのね。


『あの女を知っているのか?』

「いえ、存じ上げません。」

『いつもイジメられてる、悪役令嬢と言っていたが、心当たりはあるか?』

「ございません。」


『殿下。』

ヨシュアさんだ。


『ヨシュア、どうした。』

「ロンバル候爵令嬢とのお約束の時間がせまっております。」

『そうだったな。リトラーゼ公爵令嬢、出来れば1人で行動しない方がいい。』

「1人ででごさいますか?」

『フィリスティアさん、魔術科からでる場合は、私に声をかけていただければ、ご一緒させていただきます。』

「ヨシュアさん、ありがとうございます。父へ今回の件を話し、対応させていただいてもよろしいでしょうか?」

『そうだな。ヨシュア、彼女を魔術科棟まで送って差し上げろ。』


ヨシュアさんに魔術科棟まで送ってもらう。


「ヨシュアさん、従魔小屋にシャスとファハを迎えにいって、今日はもう帰りますのでここで大丈夫です。」

『裏門まで送るよ。』

「リョンちゃんは従魔小屋ですか?」

『ルーくんとファハちゃんとピョンピョンやって遊んでいたよ。』

「それは癒やされますね~」

『あの3人は仲良しだよね。』


シャスとファハを迎えて、ヨシュアさんとリョンちゃんと帰る。


あ、キッドだ。迎えにきてくれている。


「婚約者が迎えに来てくれていますので、ここで大丈夫です。送っていただきありがとうございます。」

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