第29話 魔術科
1年の魔術科は、週の前半の午前中に必須授業が3日間ある。
魔力基礎の授業の後に魔力循環、選択授業は、従魔基礎と薬学を取った。薬学をとっていないと、来年錬金術の授業が受けれない。錬金術を履修すれば、ポーションの作成許可がもらえる。
やっぱり異世界といえば、ポーションでしょう!ポーション作成は、錬金術を履修した錬金術士のもとで、3年以上修業して作成許可をもらうこともできる。学園に入れない平民は修業するしかないが、環境は余りよくない。
教室に従魔を連れているのは私を含め4人、もう1人シルバーホースを連れている。
従魔は、家系で引き継がれている場合と、自分でテイムした場合がある。
シャスとファハは、母から譲り受けた。
母の家系は、生産に特化した家系らしい。キッドと同じ年の従兄弟がいて、婚約したときにキッド経由でお祝いをもらった。従兄弟もシャインスパイダーを従魔にしていて、シャスと兄弟らしい。叔父様とお父様とは和解はしてない。キッドは、お祝いをもらったことをお父様に伝えたが、あの件で絶縁状態なのはかわらないらしい。
物語では、シャスもファハもでてこない。いなかったのか、物語に関係ないから書かれてなかったのか。領地に追放になった後の悪役令嬢はどうなったのだろう。
従魔のいない残り10人は魔術理論を選択する為違う教室だ。
ブラックオウルを連れているのは、諜報を得意にしている家系で、お父様は騎士団の参謀で副団長なヨシュア・レン伯爵令息三男。
ブラウンウルフを連れているのは、Aランク冒険者の息子のハンス。
グリーンワラビーを連れているのは、王都の商業ギルドマスターの息子のマーク・リリュー子爵令息次男。グリーンワラビーのオスのお腹の袋は、アイテムボックスになる。
シルバーホースを連れているのは、騎士団の馬を領地で育てているタスク・ローランド伯爵令息長男。
魔術科にいる貴族令息はこの3人。3人とも行儀作法は免除している。
ブラックオウルのリョンは、シャスとファハが気になるみたいで、ヨシュアの肩からこっちを見てる。食べないでね、餌じゃないよ。
ブラウンウルフのロイは、ハンスの足元でお昼寝。ふわふわの尻尾が魅力的だ。シャスも気になるみたいで、ロイに近づく。ロイは、一度起きて、尻尾でシャスを包む。シャスも一緒にお昼寝だ。
グリーンワラビーのルーは、教室の後ろでピョンピョン。ファハが興味津々なので行っておいでと送り出した。ルーに近づくと見つめあって、ルーの足元で遊びだした。踏まれないようにね、ファハ。リョンもやってきて、ルーの上でホバリング。
初授業は、従魔基礎。先生は、副担任のリーベル先生で、従魔はアクアレオパードのリン。
『授業を始める。従魔と一緒に生活する上で必要な知識を説明する。まず、確認だ。従魔登録は済ませてあるか?』
リーベル先生の授業は、とても楽しいものだった。みんな登録も済ませてあって、次回、学園の裏の森で授業することになった。
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