第28話 ヒロインと王子様
入学式の時間が迫り、着席する生徒が増え始めた。
すべての席が埋まりかけたころ、ヒロインと王子様がいらっしゃった。
ピンクゴールドの髪にピンクの瞳のヒロインと金髪にシャンパンゴールドの瞳の王子様。
後ろから婚約者の候爵令嬢と攻略対象たちがやってきた。
物語なら、王子は本来婚約者の座る席にヒロインを案内し、婚約者がヒロインにそこをどけと激怒する。
王子は物語のようにお花畑だろうか?
悪役令嬢の私に物語と違う後妻モドキからの虐待があった。他に転生者がいて物語を改変している影響なのではと考えたが、転生者を探すのは危険な気がしてやめておいた。
商業ギルドへもハンモックとオーバーオール、キグルミパーカー、ガウチョパンツ以外は登録していない。ハンモックとシャスの糸で一財産出来た。半分は、商業ギルド、残りはアイテムボックスの中だ。転生者と疑われる行動はしていない。
学園も魔術科だし、婚約者はキッドだ。物語のようにはならない。
王子は、ヒロインをどこに案内するのか?
ん?案内しないの??
入り口で止まると生徒会役員がやってきた。
生徒会役員がヒロインを席に連れていき、王子は自分の席へ。候爵令嬢は、無表情のまま王子の隣の席へ座った。
ヒロインは、出会いを失敗したのだ。
転生者は、誰だ。物語はどう進むのか。
まったくわからなくなった。
色々考えている間に入学式は終わった。
ヒロインは、王子を追いかけようとしているが、王子はクラスへ行ってしまった。慌てて、ヒロインは追いかけていった。
おそらく、ヒロインは転生者だろう。
近づけば、冤罪をふっかけられるかもしれない。物語がどう進むか気になるけれど、魔術科棟から出ないようにしよう。
魔術科1年は、15人。女子がいない。私だけなの?魔術科に入るにはある程度の魔力か従魔がいないと入れない。
従魔は、中型までは教室へ入ることが許されている。
自己紹介をする。従魔を連れているのは、3人。ブラックオウル、ブラウンウルフ、グリーンワラビー。
「フィリスティア・リトラーゼです。従魔はシャインスパイダーとファイアハムスターです。よろしくお願いします。」
無難に自己紹介を済ませ、他の人の自己紹介を聞く。従魔たち仲良くなれるかな。
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