第25話 リトラーゼ公爵と交渉
アウロの森に来られるのは嫌だったので、条件をつけてシャーナで会うことになった。
会う条件は、私の自由の確保。もし、公爵家に戻るならキッドさんとの婚約すること。学園はできれば通いたくない。もし、通わなければいけなければ、魔術科にすること。
学園は、貴族たちが通う普通科と魔術科、騎士科がある。魔術科は、普通科や騎士科と建物も違うため貴族との摩擦もおこりにくい。
貴族は、行儀作法をとらないといけないが、魔術科は、テストを受け合格すれば、行儀作法の授業は免除される。魔術科の生徒を守る為の優遇措置だ。
キッドさんがまず公爵と会い、話をしてくれる。話がまとまったら、森へ迎えに来てくれて、話は、ダミアさんのお店を貸してもらうことになった。
あれから数日。どっちのツリーハウスの荷物も片付けた。結界だけはそのままにしておいた。戻ってこれることを祈って、本を抱えて眠る。
『フィリア。』
「キッドさん、レオンさん。」
『公爵と会うことになった。公爵からは、オレと婚約してもいいから戻ってほしいそうだ。戻る先は、王都の屋敷。学園へは魔術科でいいから通ってほしい。できる限り自由にしていいが、デビュータントだけはでてほしい。公爵も社交はほぼしていないから、無理はしなくていい。オレたちも拠点を王都に移すよ。』
「キッドさん、ありがとう。迷惑かけてごめんなさい。」
『迷惑じゃないさ。フィリアが気にすることはない。王都には、グリード候爵家の屋敷以外にオレたちの拠点がある。リトラーゼ公爵家が嫌になればそこにおいで。従魔が過ごしやすいように部屋を作るし、フィリアが作りたいものを作ればいい。』
ありがとう。キッドさん。
私の自由を確保してくれて。逃げ道を用意してくれて。
『用意が出来たら行こうか。』
「キッドさん、レオンさん、ハンモック持ってる?」
『ああ、持ってる。』
「じゃあ、ジップラインで移動しよう。」
ちょっと練習したら、2人ともすぐ出来るようになった。どうやら、やって見たかったみたい〜
楽しい時間はすぐ終わる。門番さんに挨拶して、シャーナの街に入る。
冒険者ギルドにむかう。
森で採取したインディゴ草は、冒険者ギルドで買い取りをしてくれる。Gランクの初仕事だ。王都でこれるかわからないから、預け入れしたお金を全部おろし、キッドさん達とともに王都への移籍してもらった。
ダミアさんの店に付く前に商業ギルドに納品する。セイルさんには、これが最後になるかもと伝えたら、王都の商業ギルドに納品してほしいと頼まれた。セイルさんの兄のカイルさんへの紹介状をもらい、ダミアさんの店へ向かう。
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