第23話 キッドさんのハンモック
森へ逃げるように帰ってきて、数日ようやく気持ちが落ち着いて湖のハンモックに揺られているとマップが反応した。
疾風の2人とダミアさんとセイルさんだ。
「こんにちは。キッドさん、レオンさんありがとうございました。ダミアさん、セイルさん遠くまですみません。」
『フィリアちゃん、ここいいわね~森の中にこんな場所があるなんて。』
『確かにここは別世界ですね。』
『ハンモック、もらいに来た。』
みんなが一斉に話すから、レオンさんが苦笑いしている。
「はい。これがキッドさんのハンモックです。ちなみに押し売りですがレオンさんのもあります。」
『ありがとう、頼み忘れてたんだ。嬉しいよ。』
レオンさんの分も作ってよかった〜
「キッドさんのはフックの紐が赤で、レオンさんのが水色です。同じだと間違えるかもしれないので。無属性のクリーンを付与してあります。」
『付与まで?ありがとう。』
無事、ハンモックを渡せた。
問題は金額、ハンモックを作るのにシャスの糸3巻使った。それだけで小金貨3枚。
ここまで来てもらったので糸代だけでもいいけど、どうしよう。
『フィリアさん、いくらで販売する予定ですか?』
「ここまできてもらったし、セイルさんたち案内してもらったので、糸代のみにしようかと思ってます。」
『う〜ん、今回はそれでいいですが、次回からはきちんとして下さいね。糸代の小金貨3枚は卸値です。付与も本来なら小金貨1枚、シャインスパイダーの糸は加工に手間がかかるので、ハンモックの作成に小金貨1枚で、小金貨7枚が妥当な金額です。』
まって、小金貨7枚…70万でしょ〜誰が買うのよそれ。
『ちなみに今回商業ギルドで作成したハンモックは、銀貨50枚で販売予定です。』
「そんなに高くて売れるんですか??」
『売れます。量産体制が整えばもう少し安価になります。冒険者ギルドからも購入依頼が来てますし、まずは富裕層をターゲットにしてます。』
なんだろう…金銭感覚がおかしくなりそう。
『出来上がったハンモックがこちらです。
とりあえず片側が輪を固定として、3種類の販売から始めます。販売は商業ギルドと冒険者ギルドになります。特許料は商業ギルドの口座でよろしいですか?』
「はい。それでお願いします。」
『それとフィリア、ここからが本題だ。』
「ではツリーハウスへ行きましょう。」
『いいのか?』
街側のツリーハウスはなにかあったときのため来客に対応できるようにしてある。
「先に行って準備してます。キッドさん案内よろしくお願いします。」
シャスの糸を使い、木に登って、ジップラインで移動だ。
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