第21話 アウロの森へ帰る

昼の視線が気になって早めに森へ帰ることにした。ランクは上がったし、半年の猶予がある。キッドさんの依頼は森へきてもらったときに渡せばいい。


あとは、ダミアさんとのやり取りだけ。

明日、ダミアさんの店に行って受け取れれば受け取って、森へ帰ろう。払ってしまった宿代はもったいないけど、仕方ない。荷物はアイテムボックスの中だから帰る準備はない。


宿へ今日でることを伝える。泊まらない分は返してもらえた。ギルドの宿だから良心的だ。


冒険者ギルドでケビンさんの列に並ぶ。


『フィリアさん、どの依頼受けますか?受付はあちらですけど、今日はここでしましょうか?』

「すみません。今日はお願いがあって…。今日、森へ帰ることになったのですが、疾風のお2人に伝言頼むことはできますか?」

『依頼ではなければ有料になるけどいいかな?』

「はい。大丈夫です。依頼のハンモックなのですが、出来れば森に来たときに渡したいと伝言お願いします。」

『はい。承りました。森へ帰るの??当分来れないのかな?』

「出来ればランクダウンしないように来る予定です。商業ギルドへの納品もありますから。」


これでキッドさんの分はいい。後は商業ギルドとダミアさんだ。


「おはようございます。」

『あら?フィリアちゃん、どうしたの?ガウチョパンツは出来上がったけど、他はまだなのよ。』

「ちょっと森へ帰らなくてはいけなくて。出来上がった分だけもらってもいいですか?」『じゃあ、商業ギルドだけ行ってしまいましょ。』


ダミアさん商業ギルドへ行き、登録をすませる。セイルさんに森へ帰ること、次はいつになるかわからないけど、ダミアさんに商品の受取にくる予定があることを伝える。


商人街で買い物ができなかったので、買い物が出来るか聞く。購入出来るようだ。

このメンバーならアイテムバッグを持っていることがバレても大丈夫だろう。


あの店で見た小麦粉は、錬金術で作ったようだ。錬金術で作る方法と手引きとあり、錬金術で作ると良質な小麦粉ができるらしい。

とりあえず、小麦粉25キロ。胡椒の実10個、塩5キロを購入。


出来上がったハンモックは、販売前にサンプル等確認をする必要がある。急ぐなら、森へ来てほしいけど、守る手立てがなければ森は危険だ。


『じゃあ、あたしがセイルを連れていくわ~森のどの辺りなの?』


マップを見せるわけにはいかないし、うまく説明できない。


「あ、疾風のお2人なら森の位置知ってます。」

『あらそう、じゃあ案内させるわ~』


キッドさん、レオンさん、ごめんなさい(_ _;)

たくさん迷惑をかけそうです。


フードを深く被り、商業ギルドをでて森へ急ぐ。


数日ぶりに帰ってきた。森の奥のツリーハウスだ。なんだか疲れた。マップを起動し、結界を確認する。大丈夫。帰ってきた。

日本語で書かれた本を抱きしめ、シャスの糸車をファハが回すのを眺める。

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