第13話 シャーナの街で再会

ケビンさんからお金をもらい、ふと見ると見覚えのある顔と目が会う。


驚いた顔をしながら、固まってこっちを見ている。森であった2人組だ。


『フィリアさん、どうした?』

「いえ…」

疾風はやてと知り合い?』

「多分、アウロの森で見たことがあります。話したことはありません。」


『そうだな。話したことはないな。』

『キッド。』

『ケビン、ちょっとこの子と話しがあるんだがいいか?』

『話しですか?フィリアさん、どうする?』

「ギルド内でなら大丈夫です。」


信用できそうだけど、さすがにあったばかりの人についていくのはやめておきたい。ギルド内なら大丈夫だろう。


『俺はキッド。こいつはレオン。疾風というパーティーを組んでるAランク冒険者だ。』

「フィリアです。冒険者登録したばかりです。」

『アウロの森であったよな。』

「はい。」

『拠点をかえるのか?』

「いえ、素材を売りにきただけです。」

『そうなのか。』

「話しとは?」

『ああ、湖でいつも寝てる網みたいなのあるだろう?』

「ハンモックですか?」

『ハンモックと言うのか。あれはどこで手にいれたんだ?』

「買ってません。作りました。」

『売ってくれないか?』


ハンモックかぁ。シャスの糸だから作れないことはないんだけど、商人街に行って、シャインスパイダーの糸の値段がわからないと売価も設定できないし、どうしよう。

ケビンさんが心配そうにこっちを見てる。


「少し時間もらっていいですか?」

『ああ。』


ケビンさんのところへ行く。


「シャスの糸で作ったものを売ってと言われたのですが、どうしたらいいですか?」

『商業ギルドで登録はないよね?これからも従魔の糸を売るなら、商業ギルドに登録してからがいいよ。何を売るの?』

「森で休憩するときに使ってるものなのです。」

『わざわざ売ってというとこは、珍しいものなのかな?発案したものなら商業ギルドで特許を登録してからだね。』

「特許ですか…」

『商業ギルドに紹介状を書こうか?』

「いいんですか?」

『うん。大丈夫。基本、介入しないんだけど、特例があってね。特殊な品を納入する冒険者を守れるような仕組みがあるんだ。』

「お願いします。」

『キッドにも説明するよ。おーい、キッド。』


『キッド、フィリアさんはまだ商業ギルドに登録がないから、販売はできない。準備ができるまで待ってほしい。』

『わかった。』

『商業ギルドはいつ行くかい?』

「明日、商人街へ買い物にいくのでもしよければ明日行きたいと思います。」

『ああ、大丈夫。すぐ書くから待ってて。』

『商業ギルドか、同行しても構わないか?』

「えっと…」

『フィリアさんが嫌でなければ、一緒のがいいかもしれない。見た目で判断はしないと思うが、疾風が一緒なら大丈夫だな。』

「わかりました。」


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