第11話 シャーナの街 2日目

あのまま寝てしまっていたようだ。

身なりを整え、ウエストポーチから作り置きのサンドウィッチを出して食べる。


今日は、ギルドへ行って依頼をする。

昨日と違って、ギルドは混み合っている。


Hランクの依頼を確認する。

ギルドの掃除、荷物の運搬、薬草採取、商家の手伝い、除草作業、本の清書


一番金額が高いのは本の清書。作業もギルド内なので、安全だろう。作業は3時間。作業内容によっては増額あり。


これにしよう。昨日の受付嬢のところ持って行く。受付嬢の名前はケリーさん。


「この依頼をお願いします。」

『はい。作業前に能力の確認をさせてください。規定に届かなければ、受けれません。また、作業後最低レベルを達成しなければ成功報酬が半額になり、今後この依頼を受けることはできません。逆に想定以上の作業をしていただいた場合は増額となり、優先的にこの依頼を受けれるようになります。』

「はい。」

『では隣のカウンター、昨日従魔登録をしたカウンターが担当となりますので、指示に従って下さい。』


担当のカウンターで説明を聞き、簡単な書き取りをする。担当は昨日従魔登録をしてくれたケビンさん。


合格がでたので、カウンターの奥の小部屋で作業をする。書き取りをするのは、冒険者ギルドのマニュアルだ。

日によって書くものは変わる。内容によっては外に漏らすことは禁止されているが、自分の知識として蓄積される。人気の依頼かと思うが識字率が低いこの国で字がかければ商家などで仕事をしたほうが稼げるためあまり受ける人がいないらしい。


集中して書く。何とか3冊かけた。時間になりケビンさんに確認してもらう。


『よく出来てるね。午後からもお願いしたいけどどうだい?』

「すみません。街に買い物に行きたいのです。買い物が終わって帰ってきてからなら大丈夫ですが。」

『じゃあ帰ってきたら声かけて。時間が短くてもポイントが付けれるし、金額は1時間銅貨50枚。内容は変わるけどフィリアさんなら大丈夫でしょ。』


依頼は、午前が3時間で銅貨50枚を銀貨1枚に増額だった。午後は更に増額だ。嬉しい依頼だ。


早めに買い物を終わらせて帰ってこよう。

小麦粉や調味料がほしい。


あまりまとめて買うと目立つから何回かに分けて買いたい。店でなく露店に行く。鑑定を使い、良さそうな店を探す。鑑定とマップをリンクさせる。良店は青、危険な店は赤で表示させる。


青の店から、小麦粉を売っている店を探す。

ちょっと怖い顔のオジサンが売ってる露店に入る。オジサンが怖いのか価格が高いのかあまりお客さんがいない。


小麦粉と胡椒を見つけた。露店なのでカードが使えない。小麦粉は1キロで銀貨1枚。回りの店舗に比べると倍以上するが、小麦粉の品質はここがいい。とりあえず1キロ。もっと現金持ってくればよかった。

胡椒は10グラムで銀貨20枚。高い。胡椒の実は1個で銀貨1枚。普通に採取する場合は、1個の胡椒の実からわずかしか取れないため、錬金術を使えば1個なら5グラム取れる。


とりあえずこの店では、小麦粉だけ買った。

フラフラと青の店を覗いて、気になったものを買う。


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