第5話 フィリア10歳

あれから2年経ち、十歳になった。

あの2人組は、話しかけられるわけではないが、時折見かける。様子をうかがっていたが、悪い人間ではなさそうだ。


十歳になったからギルドに登録しに街へいく予定だ。逃げてきた屋敷と反対にある街はシャーナというらしい。2人組は、そこを拠点としている冒険者のようだ。


十歳の子供が1人で行って、門でとめられないだろうか?孤児院にでも連れていかれると面倒だ。


どうしようか?旅をしているなら身分証を持っていないのは不自然だ。身内とアウロの森で住んでいて、いつもは身内が商人と取引してるが、十歳になったので、自分で魔石を交換する為にシャーナに来たと言えばいいか。


いつも隠蔽してる髪と眼はどうするか?

入門の際に、隠蔽がひっかかると面倒だ。

公爵家が探してるかはわからないが、用心しておこう。


髪は、インディゴ草で染めた。目立つ金髪が緑の髪になった。緑はどうなんだろ?わからないから仕方ない。碧眼は変えれないから、前髪を長めに作り、シャスの糸で作ったマントを被る。服は公爵家から持ってきた破れたカーテンをインディゴ草で染めると、デニムのような藍色に染まった。キレイに染まったカーテンで、チュニックとズボンとウエストポーチとリュックを作った。ウエストポーチは錬金術でマジックバッグにし、マジックバッグがバレないようにリュックはそのままだ。


ギルドで売る予定の魔石、魔物の爪と牙と毛皮をリュックに入れる。


私は、フィリアだ。フリィスティア·リトラーゼ公爵令嬢じゃない。


シャインスパイダーのシャスとファイアハムスターのファハの従魔登録もしよう。


街で暮らすつもりはない。必要なものを買って、シャスとファハとこのアウロの森で暮らすんだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る