第12話 節分

節分(せつぶん)



鬼は外、福は内


2月のイベントといえば、節分ですね。

節分といえば、「豆まき」をする年中行事(ねんちゅうぎょうじ)ですが、

みなさんも、一度は、豆まきを見た事があるのではないでしょうか。


日本でも、良く知られている行事の、節分ですが、

実は、節分は、本来1年に四回あるという事をご存じですか?


そもそも節分とは、「季節を分ける」という意味の言葉で、

暦の上で、春が始まる日である立春(りっしゅん)だけでなく、

夏が始まる立夏(りっか)、秋の始まる立秋(りっしゅう)、冬の始まる立冬(りっとう)など、

四つの、季節が始まる日の「前日」が節分とされているのです。


昔から、季節の変わり目には、鬼が出ると言われており、宮中(きゅうちゅう)では、悪霊(あくりょう)払いの行事が行われてきました。

ちなみに、この「鬼」とは、事故や災害、病気などの不吉な事を起こす、悪い霊(れい)などを総称して「鬼」としているようです。


そして、四つの季節に、それぞれあった節分が、江戸時代頃から、春の節分だけが民間の行事として残ったのです。


ではみなさん、この「春の節分」が二月の何日に行われるかという事は、ご存じですか?


節分は、いつも二月三日(みっか)と思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、節分は、なにも二月三日と限っている訳ではないのです。


確かに、2023年の節分は、二月三日なのですが、

1984年、昭和59年の節分は、二月四日(よっか)でしたし、

2021年の節分は、二月二日(ふつか)でした。


2021年の節分は、覚えている方もいるかと思いますが、二月二日が節分となったのは、なんと124年ぶりでした。


では何故、節分の日にちが年によって違ってくるのでしょうか?

それは、地球の動きに関係があるのです。


暦の上では、一年は365日ですが、実際に地球が太陽の周りを回る時間は365.2422日と言われています。

つまり、一年が365日では、約6時間ほど、時間がズレてしまうのです。

このズレを4年に1度の閏年(うるうどし)で調整するのですが、それでも微妙にズレてしまうようです。


この微妙なズレのせいで、節分の日もズレてしまうのです。


ちなみに、先ほど、2021年にあった、二月二日の節分が124年ぶりというお話をしましたが、

これから先は、四年に一度の閏年(うるうどし)の翌年は、二月二日が節分となるようです。


それだけではありません、2050年代から、段々と二月二日が節分となる年が増えていき、

なんと2088年から2100年までの間は、閏年以外は全て二月二日が節分となるのです。


そう遠くない未来では、「節分といえば、二月二日でしょ」という人が多くなるのかもしれませんね。



さて、節分と言えば、豆まきの他に、「恵方巻(えほうまき)」を食べるという風習がありますね。


この恵方巻の風習とは、

節分の夜に、太巻きの寿司を、恵方(えほう)と呼ばれる、歳徳神(としとくじん)という神様がいるという、方角を向いて

願い事を想い浮かべながら、無言で、一気に食べきると、その願い事が叶うというものです。


食べる巻き寿司は、地方によっては、細巻であったり、手巻き寿司であったりするようですが、

もともとは、おめでたい、七福神に見立てた7種類の具材を使うとされていたので、太巻き寿司になったという事のようです。


今では、すっかり有名になった、この恵方巻ですが、

みなさんの中には「子供の頃には、恵方巻なんて食べなかったよ」という人も多いのかも知れませんね。


この恵方巻については、そのルーツは定かではないようですが、

どうやら、幕末から明治期にかけて、大阪で始まったのではないかという説が有力のようですね。

でも、その頃は「恵方巻」とは呼ばれていなかったようです。


恵方巻が全国で知られるようになったのは、

1989年に、某コンビニエンスチェーンが、中国地方で、この太巻きを「恵方巻」と名付けて販売した事が、きっかけだと言われています。


そして、これが2000年頃から、大手スーパーや、他のコンビニチェーンらが参戦し、一気に全国へ広がって行ったようですね。



いかがでしたか

古くからある節分という行事が、今では、恵方巻という、ちょっと楽しいイベントが加わり、なんだか華やかになりましたね。

みなさんは、今年の節分は、恵方巻を食べるのでしょうか?

でも、恵方は毎年変わるので、みなさんも恵方巻を食べる時は、注意してくださいね。


それでは、またお会い致しましょう。

さようなら

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