第6話 食欲の秋



食欲の秋


みなさんは、秋と言えば、どんな秋を想像されますか?


読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋


日本には沢山の秋がありますが、とある就職(しゅうしょく)支援(しえん)を行っている会社の調査によると、

秋と言われて、何を思い浮かべますかという質問に

「食欲の秋」

と答えた人が一番多かったといいます。


何だか納得できますね


では、どうして日本の秋は「食欲の秋」なのでしょうか?


これには諸説あるのですが

一番は、日本の秋は、お米を始め、多くの野菜や果物が実りの時期を迎える。

つまり「目の前に美味しいものが増えるから」と言われています。


でも、それだけではありません。

食欲の秋の原因は、単純に「秋はお腹が減るから」とも言われます。


みなさんも、秋になって、不思議と空腹感を感じた事はありませんか?

実はこれ、気のせいではないのです


秋にお腹が減るという現象は、秋になると「セロトニン」というホルモンの分泌(ぶんぴつ)が減るからなのです。


このセロトニンは、太陽の光を浴びる程、分泌が増えるそうなのですが

秋になり、日照時間が短くなると、分泌される量が少なくなります。


セロトニンには、食欲を抑(おさ)えるという働きがあり、セロトニンが不足するほど、食欲が増すのです。

これが、秋になるとお腹が減る原因なのです。


また、このセロトニンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれていて、

「幸せホルモン」であるセロトニンが、沢山分泌されていると「幸せ」や、「心の充実」を感じるそうなのですが、

逆に、セロトニンが不足すると、物悲(ものがな)しくなったり、不安になるそうです。


秋になると、何故だか、物悲しくなるのは、このセロトニンのせいかもしれませんね。

そして、食事をとる事で、心のバランスを保とうとしているのかもしれませんね。



では、ここで、秋の味覚についての、お話をしましょう


みなさんは、秋の味覚というと何を思い浮かべますか?

日本の秋には、沢山の美味しいものがありますよね。


とあるアンケートの結果、男性も、女性も、第一位は断トツで「サンマ」でした。

ちなみに、男性の二位は「マツタケ」、女性の二位は「栗(くり)」だったようです。


サンマといえば、何と言っても、日本の秋を代表する食べ物ですよね。


秋の魚と思われがちなサンマですが、毎年、サンマが最初に水揚げされ、市場(しじょう)に登場するのは、7月の事です。


その頃のサンマは、1匹、二千円以上していて、私達にはとても手が出ません。

それでも、旬の秋になると、スーパーで1匹、百円程度になり、庶民の味方として活躍してくれます。


しかし、近年、サンマの漁獲量(ぎょかくりょう)は、どんどん少なくなっているのです。

また、かつては日本近海(きんかい)で沢山とれたものが、次第に遠い場所まで行かないと、取れなくなって来ており、

漁獲量だけでなく、船の燃料代も深刻な問題になりつつあるようです。


ひょっとしたら、いつの日か、サンマもウナギのように高級魚になってしまう日が、来るかも知れませんね。


そう思うと、今のうちに、美味しいサンマを沢山食べておきたくなりますね。


ここで、美味しいサンマの見分け方を、お教えいたします


サンマは、尻尾(しっぽ)を持って、刀のように持った時に、ピンと立つものが良いのですが、さすがに、お店でそれはできませんよね

でも、それくらい身がしっかりしたものが、良いと思ってください。


簡単な見分け方としては、下顎(あご)の部分。

ここが綺麗な黄色のものは鮮度が良く、鮮度が悪くなる程、茶色に変色していきます。


そして、やはり、全体的に丸々と太っているものが、脂がのって美味しいです


サンマ料理といえば、塩焼き、お刺身、お寿司、唐揚げ、煮物、炊き込みご飯など、沢山の種類がありますが

何と言っても、サンマの美味しい食べ方といえば、やはり「塩焼き」でしょうか


サンマの魅力は脂ですから、脂が十分のったジューシーな身を、大根おろしと、すだちや、お醤油で食べるのを想像するだけで、不思議と秋を感じますね。


サンマの塩焼きは、強火で一気に焼き上げるのが、美味しく焼くコツです。

昔は、サンマを焼くと煙が大変でしたが、今は、魚焼きグリルがあるから安心ですね。

グリルの中を十分に余熱して、グリルの中央ではなく、端(はし)に置くと、火に近くなり、上手に焼けますよ。


いかがでしたか

何だか、お腹が空いてきましたね、今夜は何を食べましょうか


それでは、またお会い致しましょう。

さようなら


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