第5話 ハロウィン
ハロウィン
トリック・オア・トリート!
子供たちが仮装をしてお菓子を貰う、10月31日のイベントといえばハロウィンですね。
幼稚園や小学校でもハロウィンのイベントを行う所がありますので、ハロウィンを知らないという人は、少ないのではないでしょうか?
今や、日本の秋の風物詩(ふうぶつし)とも言える程、すっかり日本に定着したハロウィン。
仮装(かそう)をした人達が、渋谷(しぶや)の街を占拠(せんきょ)する光景は、今では珍しくありませんが
ハロウィンが日本に定着したのは、そんなに古い話ではないのです。
ハロウィンが日本で最初に紹介されたのは、1970年代頃ですが、最初は子供のお祭りとして紹介されたようです。
そして、そこから30年近くの間、日本にハロウィンは、なかなか定着しなかったようです。
では、30年近くもの間、定着しなかったハロウィンが、どうして今のようになったと思いますか?
それは、1997年に起きた2つのイベントが切っ掛けでした。
一つは、東京ディズニーランドの「ディズニー・ハッピー・ハロウィーン」というイベント
そしてもう一つは、JR川崎駅前の「カワサキ・ハロウィン・パレード」という仮装パレードです。
どちらも、最初の規模は小さかったものの、テレビで取り上げられて話題となりました。
これまでのイベントが、どちらかというと、子供をターゲットとして、商品の販売目的で開催されていたものに対して、
純粋に「楽しむ事」を目的とした事と、大人を巻き込んだ事が、その後開催されるイベントに大きな影響を与えました。
また、その頃、日本には既にコスプレ文化も根付いていましたから、それまでのイベントには無かった仮装(かそう)も、受け入れられる要因になったのかもしれませんね。
1997年のこのイベントを切っ掛けとして、全国のテーマパークなどでも、ハロウィンイベントが行われるようになり、
2000年代に入ると、お菓子メーカーやバラエティショップなどが、ハロウィングッズに力を入れるようになりました。
そして、可愛いハロウィンの仮装やペイントが、メディアやSNSなどで注目され、今の盛り上がりに繋がっていきます。
今では、ハロウィンは「クリスマス」に次ぐ経済効果をもたらしていると言われる程の、一大イベントになったのです。
では、もともとハロウィンとはどんなものだったのか、みなさんはご存じですか?
ハロウィンの歴史はかなり古く、紀元前にまで遡(さかのぼ)ります。
その起源は、アイルランドの古代ケルト民族の風習でした。
日本では1年を、春、夏、秋、冬の4つの季節に分けていますが、
古代ケルト民族は、1年を、温かい季節と、寒い季節の2つに分けていました。
温かい季節は、5月の始めから10月の終わりまで
寒い季節は、11月の始めから4月の終わりまでとしていました。
ケルト民族は、11月1日を新年としており、サウィン祭という、夏の収穫を祝う祭りが開かれます。
祭りは、11月1日を祝祭(しゅくさい)、10月31日を前夜祭(ぜんやさい)としていました。
古代ケルトでは、それぞれの季節の境目(さかいめ)には、死後の世界との扉が開き、先祖の霊が戻ってくると信じられていました。
ですから、祭りには、死者や死後の世界に関係する、いろんな儀式が行われたといいます。
悪魔や魔女などの仮装もその一つ。
中には、目を覆いたくなるような怖い儀式もあったようです。
この10月31日の祭りが、ハロウィンの元になったと言われています。
日本でいうと、秋の収穫祭と、お正月と、お盆が一緒になった感じでしょうか?
しかし、この祭りがハロウィンと名付けられるのは、もう少し後のお話。
この祭りがキリスト教に吸収されていった後、11月1日がキリスト教の諸聖人(しょせいじん)に祈りを捧げる祝日となりました。
この祝日を「オール・ハロウ」と呼び、その前日である10月31日を「ハロウ・イブ」と呼びました。
この「ハロウ・イブ」が「ハロウィン」になったと言われています。
ちなみに、ケルト人の、もう一つの季節の終わりである、4月30日の夜のお祭りも、キリスト教に吸収され、後に「ワルプルギスの夜」と呼ばれるようになりました。
そして、ハロウィンは、19世紀になって、アメリカに渡り、次第に宗教色(しゅうきょうしょく)が薄れていき、今のような娯楽性(ごらくせい)の高いイベントになったのです。
いかがでしたか。
みなさんは、どんなスタイルで、ハロウィンを楽しむのでしょうか
それでは、またお会い致しましょう。
さようなら
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