第3話 パスタ



パスタ


今や、ラーメンと並ぶ、日本人の国民食とも言っていいのが、パスタです。


イタリアの麺料理で、昔は「スパゲティー」と呼ばれていた、このパスタですが

実は、結構奥が深いのです。


今回は、そんなパスタの世界に皆さんをお連れ致しましょう。


イタリア人の主食の一つであるパスタですが

その歴史は古く、紀元前4世紀ごろには、既に食べられていたと言われています。

しかし、今のような食べ方をされるようになったのは、13世紀ごろからのようです。


パスタは麺料理ですが、麺料理と言っても、うどんやラーメンのように細長い形にこだわっているわけではありません。


よく知られているのは、スパゲッティのような細長いロングパスタと呼ばれるパスタですが、

マカロニとかペンネのような、短い形のショートパスタと呼ばれるものも、パスタの仲間です。

しかし、それだけではありません。

平たいもの、粒(つぶ)のようなもの、団子のようなものなど、形や大きさは様々で、全部で500種類以上あると言われています。


ラーメンであれば、麺は、細麺、中太面、太麺、ストレート麺、ちぢれ麺などの大雑把な分け方しかされませんが、

パスタは、形や太さ、長さによって、それぞれ名前が付けられています。


例えば

断面が円(えん)になっているロングパスタの場合

太さが

2.1ミリ~2.2ミリなら、ヴェルミチェッリ

1.6ミリ~1.9ミリなら、スパゲティ

1.5ミリ~1.7ミリなら、スパゲッティーニ

1.3ミリ~1.5ミリなら、フェデリーニ

0.8ミリ~1.1ミリなら、カッペリーニ

という具合です。

そして、太さが1ミリ~3ミリの間で、断面が円ではなく楕円(だえん)になると、リングイネという名前になります。


こう聞くと、なんだか、細(こま)かすぎて、良くわかりませんね。

でも、それは、イタリア人も同じなのです。


パスタは沢山の名前がありますが、実は、明確な基準がある訳ではないようです。


地方によっても、パスタメーカーによっても、呼び方や基準がバラバラ。

ナポリでは、スパゲティもスパゲッティーニも、ヴェルミチェッリと呼ばれたりしているそうです。


そうやって聞くと、少し安心しますね。


ちなみに、太目で平らなロングパスタの事を皆さんは何と呼びますか?

フィットチーネですか? タリアテッレですか?


実は、この二つも同じものなのです。

パスタメーカーによっては、独自に基準を決めているところもあるのですが

大体、5ミリ~10ミリくらいの平らなパスタを、

イタリア中部から南部では、フィットチーネと呼び、北部ではタリアテッレと呼ぶようです。


イタリアは日本のように南北に長い国ですので、食文化でも南北で大きな違いがあるのです。

ここで、イタリア北部と南部のパスタの違いについて説明をしましょう


イタリアの北部は、冬は寒く、酪農が盛んに行われている為、

ヤギや牛の肉や、バターやチーズなどの乳製品を沢山使った、こってりしたパスタが多いのが特徴です。

パスタは、生麺を使う事が多く、ラビオリなどの詰め物パスタなども多く食べられているようです。


一方、イタリアの南部は、オリーブとトマト栽培が盛んな事と、海に面している箇所が多い為、

オリーブオイルとトマトを使ったり、魚介類を使った、シンプルなパスタが多いのが特徴です。

また、乾燥パスタがイタリア南部で生まれたという事もあり、パスタは乾燥パスタを使う事が一般的です。


日本にあるイタリアンのお店の多くは、南イタリアの料理を出すお店が多いために、日本人のイメージするパスタとあっていると思います。

南部に行くほど、茹で加減はアルデンテを好む傾向にあるようなので、その辺りも日本人にはあっているのかもしれませんね。



では、ここで日本生まれのパスタ、「ナポリタン」をご紹介しましょう。


ナポリタンは、まず、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム、ソーセージなどの具材を炒めます。

それにトマトケチャップを混ぜてさらに炒め、アルデンテにはほど遠い、茹でて一日置いた冷たい麺と、炒め合わせるパスタです。

勿論、本場のナポリにはナポリタンはありません。

昭和の時代には、喫茶店の定番のメニューでした。


しかし、このナポリタン

戦後の日本で作られたらしい事は分かるのですが、誰が最初に作ったのかは、正確には分かっていません。


なんとも不思議で、ノスタルジックな雰囲気のするパスタですね。


みなさんも、今日の食事は、パスタにしてみてはいかがでしょうか?


それでは、またお会い致しましょう

さようなら

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