剣と魔法の交錯点

プロローグ

　彼女のことを話す時、人々は口を揃えてこう言った。

「星だ」と。

　それは未だに差別意識の強い【ダブル】でありながら、世界最強とまで呼ばれ、【ダブル】の可能性を広めたこと。

　そしてそれ以上に、自分がどのようにして強くなるかのみを考える者ばかりだった時代に、周りの人間を助け、共に歩もうとした人柄にあったのであろう。

　しかし、夜空で美しく輝く星というのは、往々にして周りの明かりをかき消してしまうものである。

　それが彼女の最期に繋がったのだろうと人々は語る。