第10話:今、本を読んでいる人ってどんな人?

 てことで、今回はちょっとだけマーケティングの話ぽいことをしちゃいます。といってもただの調査結果を調べるだけですけどね。あ、ちなみにマーケティングって難しいですよ。でも面白いので、好きな方は是非挑戦してくださいね。


 てことで今回は、2019年の文化庁がまとめた読書に関するデータを紐解いていきましょう。で、まず、一か月に読む本が1冊以上を見てみましょうか?


男性/女性

・10代: 71.0% / 46.4%

・20代: 54.0% / 52.8%

・30代: 49.0% / 46.6%

・40代: 64.1% / 47.4%

・50代: 57.5% / 59.1%

・60代: 73.2% / 49.2%

・70代: 40.1% / 43.3%


 これをみると10代の男性がメチャクチャ本読んでいますね。そりゃ各出版社が児童書に力を入れるわけですよ。でも、女性って意外と本を読んでないんですね。てことで月3冊以上読む人を調べてみましょうか?


男性 / 女性

・10代: 19.4% / 17.8%

・20代: 9.6% / 9.4%

・30代: 17.0% / 12.2%

・40代: 21.4% / 16.5%

・50代: 19.7% / 11.9%

・60代: 20.0% / 14.4%

・70代: 15.1% / 11.1%


 うーん、こう見ると20代以外は、1割から2割のひとが月3冊以上本を読むんですね。私の中では本月3冊以上本を読む人は読書好きだと思うので、ま、全世代、これくらいの本が好きな人がいるってことですね。でも、 これでみると、男性の方が女性より本を読むんですね。ちょっと意外な感じがしますね。私が知っている本好きの人って女性の方が多いので意外でした。


 てことで、じゃあこの人達はどんな本を読んでるかが気になるでしょ? てことで、それを調べている会社がありましたのでリンク載せておきますね。


引っ越し侍社さまの調査結果:

https://media.hikkoshizamurai.jp/press/press011/


 どうです? この結果違和感を感じませんでした? このデータ2014年のデータなんですが、男・女共に読む本の割合3%がライトノベルで、順位は14位で最下位付近なんです。そして私の戦場である文芸は男性7位で12%、女性が5位で18%です。


 これはさすがに、と思って調べました。だって2014年の文芸本の売り上げが1024億円、ライトノベルが含まれる文庫本は2176億円ですよ。で思ったんですよ。こうなると意地でもラノベの売り上げの正確な数字が知りたいって。で、みつけました。「出版月報」2021年5月号によれば、2014年のライトノベルの売り上げは、275億円でした。なんと、文芸本の方が売り上げが高かったんですね。まぁ、文芸本っていっても色々ありますし、大カテゴリーのミステリーも文芸本で出したりしますから、単純には比較できないんですけどね。


 でもまぁ、そんな感じで引っ越し侍社さまのデータは信用できると思うのです。ということで内訳っと。漫画をのぞくと、全世代の中で強いのは「ミステリー・サスペンス」、「趣味・実用」、「ビジネス・経済」なんですよ。注目の「ファンタジー」は「20代」が38%と高いだけです。他の世代はファンタジー読まないんですね。2014年のデータなので今とは違うかもしれませんが、これを「正」として考えれば、投稿サイトで「ファンタジー」が強いのはすごくわかります。


 だって、2019年における小説家になろうの読者層は、会社発表によれば20代が44パーセント、30代が24パーセント、10代が14パーセントなんですもの。8割近くが30代以下の読者層なんですもの。他の投稿サイトも同じ読者層だとすれば、そりゃ「ファンタジー」が強いのは当たり前なんですよね。なんてったって20代が読む本のファンタジーのシェアが38%なんですから。


 で、私はどの分野強いと言えば、引っ越し侍さまのケース分けで言うと「ビジネス・経済」、「SF・ホラー」、「人文・思想」、「エッセイ・随筆」、「文芸」なんですよ。そりゃ読まれませんよ、カクヨムでは。ほんと納得しました。でも、それはおいておいて、もしかしたら私が「ライトノベル」と「ファンタジー」を諦めたという判断は正解だったかもしれないですね。


 って、嘘ですよ。第1回にも書きましたが、ライトノベルは新人賞たくさんありますもん。チャンスは圧倒的にライトノベルの方が多いんですからorz

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