第04話:小説家として生き残るのは困難なのか?

 今日は、万が一、小説家になれた場合について考えてみますね。捕らぬ狸の皮算用もいいところなお話です。でも、気になるものは気になるでしょ? まるで婚約もしてないのに、結婚後の生活を想像しちゃう若いカップルのようですねw


 あ、余談ですけど、付き合うことはいいけど、結婚はできないって言葉よく聞きますけど、なんなんでしょうね? あれ。結婚する気がないなら付き合っても時間の無駄だから他に有意義なことをすればいいのに、と思っちゃう私は典型的な実利主義者です、はい。軽蔑してもらってもいいです。自分でわかっていることなので。


 ということで、今日の本題は


「小説家として生き残るのは困難なのか?」


 です。これ、よく言われてることですよね。小説家としてデビューした後の方が大変だって話。ネットの海をさまよっていると、5年後の小説家としての生存率は、一般文芸が5%、ラノベが41%と書いてあるじゃないですか! ほんまいかいな? と思って調べてみると、まぁ、ばかばかしいことが色々分かってきました。


 一般文芸の5%の生存率の根拠を調べてみると、 2013 年に宝島社第 12 回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞された八木圭一先生の発言だけなんですよね。つまり八木先生が、とある取材記事の中で


「年間に 200 人がデビューし、5年後も生き残るのは5%以下と言われています」


 と述べたことを正にして、現小説家の発言だから話の信憑性は高いと言い切って話を進めていました。


 てことで、調べてみました。といっても、すぐにやめちゃったんですけどね。文藝賞という純文学の賞の2000年から2015年まで受賞者の5年後生存確率を調べてみると、57%でした。まぁ全部の賞を調べてば、もっと下がるかもしれませんが、5%は盛りすぎですし、この言葉を裏付けを調べることなく垂れ流す記者も記者だと思います。


 私たち、投機家の世界で、こんなことがあったらタコ殴りですよ。ほんと訴訟もんですよ。マスコミのニュースとか見ていると、ほんとそれを感じることが多くて、経済ニュースの数字はかなり正確な報道がなされますが、それ以外は、お察しですよね、特に政治のニュースがひどい。憶測だらけのミスリードばかり。事実を伝えて欲しいだけなのに、それさえもできないのか! と思う時が多くあります。これじゃあ新聞情報は株取引AIのエラーにしかならないといって、政治ニュースをAIのアルゴリズムから外すエンジニアの気持ちがわかるというものです。


 で、ちなみにラノベ作家の5年後生存率は41%。これは正確なものでした。ラノベ作家の生存曲線ということで、遠野九重さんが Twitter に画像を投稿しています。興味がある人は調べてみてくださいね。データとしても1975年から2016年までを調べているのでナカナカのものです。こういうデータは解析しがいがあるんですよね。気が向いたらこのデータを解析をしていきますね。


 てことで、この数字をどうみるかですが、私はなかなかいい数字だと思っています。だって文芸で5割、ラノベで4割生き残れるんですよ。ちなみに2019年の新入社員の離職率は、高卒が35%、大卒が31%です。その数字とくらべても、まぁまぁいいんじゃないと思えませんか?


 で、私が強く言いたいのはですね。数字を最初から信じちゃダメってことです。ちゃんと裏付けをつかんで、確信をもってから判断しないとダメってことです。私、結構、偉そうなこと書いていますが、私が嘘をついている可能性だってあるんですよ? 私は本当のことを言っているつもりでも、気がつかないところがあって、結果として嘘になっていたり、私が数字を読み間違っている可能性だって充分にあるんですよ?


 ほんと、皆さん数字に躍らされないように気をつけてくださいね。ちゃんとその数字が信用にたるものかどうか? 感覚と合うものかどうか、チェックにチェックを重ねて結論をつけた方がいいです。私みたいに適当に調べて、分かった気になるのはいけないことですw いやいや、嘘です。私はちゃんと調べてるつもりなんですが、どうも調査が甘いって言われるんですよ。だから自戒をこめって感じですw


 あ、あと蛇足ですが、小説家としてデビューする時、編集に「仕事を辞めるな」って言われるみたいです。この言葉だけでも色々なことは想像できますね。つまり、作家としては生存できるかもしれませんが、専業となると厳しいってことなんだと思います。そりゃそうですよね、小説家を専業としてできる人数と漫画家を専業としている人数を調べてみたら、一目瞭然ですからね。


 でも、私もそうなんですが、こんな厳しいと分かっていることをよく一生懸命やるもんだな、と我ながら感心したりしますw 




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