第32話 知りませんでした
その後、いったん
時間いっぱいまで講義動画を探し回って、昼食の時間になったら
そのことを
「楽しんでくると良い。メンタルケアは重要だ」
とのこと。
お許しも頂いたので、私は待ち合わせ場所である学食の前に到着した。
「おまたせ」
「はい」
私たちのグループには、いつも
「突然のお誘い、申し訳ありません」
「いや……大丈夫だよ。私も、
「……そうなんですか?」
「うん。なにか話題があるわけじゃないけれど……」気まずくて、ちょっと早口になってしまう。「ほら……
「そうですね……いつも
私たちをつなぎ合わせてくれていたのは、
その
だからいつかはこうやって会話をしたかったのだ。
「調査は順調ですか?」
「そうだね……
「……推理、ですか?」
「うん」
私は
301号室の事件。スクリーン操作のリモコン……その電波が301号室の外にも届いてたこと。そして室内が暑かったのは繋いでいた糸をバラバラにするためだということ。
「……」
「え……? ああ、そういえばワイドショーでは温度については触れられてなかったね……」不要な要素だと判断されたのだろう。「ところで……その事件の日、
「私、ですか?」
「うん」少しばかり気になっていたことだ。「
そしてたまに私もいることがある。それが私たち3人グループなのだ。
「いつも一緒、というわけではありませんが……
「そうなんだ……じゃあ事件の時は家にいたの?」
「学校にいましたが……」
「あ、いや……」疑っていると思われただろうか。「学校にいたのなら、警察に調査されてたりしないかなって思って……」
私のところにきた失礼警官たち。彼らが
思えば
「なるほど……警察の方はいらっしゃいましたよ。今回は紳士的な方々でしたが」
「あ、そうなんだ。それならよかった」親友を亡くして傷ついている
「ご心配ありがとうございます」
それきり、会話がなくなる。
……
……
もしかして私たちって……
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