シンセイ装備れんしゅう中
「打ち込みが甘いっ! もっと腰落とせっ!」
「はい!」
思い切り振りかぶって打った木刀は
「刃筋立てろって言ってるだろ! そんなんじゃ雑草も狩れねぇよ!」
「はい!」
ぎゅっと、左手に力を込める。軸は左手、利き手の右はどんな打ち込みでも相手に刃筋を立てるための調整と、引き戻しのために使う。格闘戦で重要なのは相手をたおした後に隙を作らないこと。
それに俺が実戦で対峙する相手はキノコ怪人だ。なら、
低く低く、腰を落として踏み込む。もうほとんどしゃがみ込むような格好だ。それでもかかとは地面につけない。重心をつま先に置いておかないといざというときに動けなくなる。
カーンッ! と即座に防がれた。
「今のは良かったぞ! 感覚忘れるなよ!」
「はい!」
そしてまたすぐに次の打ち込み姿勢に移る! 打って打って打つ! 刃筋の立て方を手に覚えさせる。どんなタイミングからでも打ち込めるようになる。おれの目標はこの二つだ。
「よし、いったん休憩にする。水分取ってこい」
「はい!」
息を切らせて座り込んで、汗を拭きながら立ち上がる。けど、ひざが笑ってしまって中々立ち上がれなかった。
深呼吸して、それからゆっくりと立ち上がる。汗でびしょびしょだし、水飲み場で顔を洗いたい。もちろん水も飲みたい。
若干ふらつく足で水飲み場へ辿りついたら、コウイチとダイチがそこでヒィヒィ言っていた。
「あ、ヒトヨシくんも休憩? ボクたちもなんだ」
「うわぁ、ジーちゃん班長汗すごいね」
「
蛇口をひねって顔を洗ってから水をがぶ飲みする。一口飲んだら次へ次へと止まらなくなった。自覚してなかったけど、相当のどが乾いてたらしい。
「あんまり一気に飲み過ぎると良くないよ?」
俺があんまり水を飲むものだからダイチが心配しだす。しかしダイチのいう通りだ。
「のど乾きすぎてて気が付かなかった」
蛇口を止めて口元を軽く拭う。
「
「いや、今度の新装備おれは日本刀なんだ、だから使い方の練習中」
コウイチの問いにおれが答えたら二人ともぽかんと口を開けていた。
「日本刀なら弾薬の節約にもなるし、今回の任務のカベを切払うにも十分だしで、合理的なんだとさ」
「そういえばボクもカベ破る用の金づちと銃の使い方教えてもらったなぁ」
「ぼくはショットガンで効率的にカベに穴開ける訓練してるよ。扱いが難しくってさ……」
二人ともおれと同じように訓練しているらしい。
「お互いがんばろう」
ぐっと拳を突き出す。二人もおれの拳に拳を突き出す。こつんと三人で軽く拳を合わせて、それから訓練にもどる。
時間はそんなにないから、だからこそこの間に出来る限りのことをしておきたい。みんなガンバってるんだ、おれだってがんばらないと。
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