第62話 梓の大暴れ


 翌日の木曜日の放課後、重徳は歩美たちと別れて自宅方面に向かう道すがら、いつものように彼の隣を歩く義人に話し掛ける。



「義人、確かこの前『俺が行くところだったらどこでも付いていく』って言ってたよな」


「当たり前ッス。師匠のあとを付いていくのが弟子の務めッス」


 はい、言質をいただきました… と言わんばかりの重徳のとっても悪い表情が一瞬浮かぶが、義人に気付かれないうちにサッと引っ込める。どうやら義人にとってはとっても危険な未来が待っているよう。



「そうか、実は明日大事な用があるから稽古は休んでくれ。義人には重要な役目を与えるから、俺の期待に応えてくれよな」


「任せてほしいッス。必ず師匠のお役に立つッス」


 こうして何も知らないままに義人は無理やり重徳の企み通りにバイオレンスな世界へと引き擦り込まれていく。おそらくダンジョン以外にも恐ろしい世界が存在すると知ることになるだろうが、当然ながらその点に関しては義人の意思とか信条といったものは一切考慮などされてはいない。


 対する重徳のほうだが、四條流の一員ならばこれくらいはとうに経験してないとおかしいという構え。やはりこの男は頭のてっぺんからつま先まであの怪物ジジイの孫だということなのだろう。


 ということで自宅に到着すると義人を道場に預けて、重徳はコッソリと門弟の森田兄弟を呼び出す。



「若、急にどうしたんですか?」


「実は明日二人に協力してもらいたいんだけど」


「何ですかい? 未知の階層の攻略でもおっぱじめるんですか?」


「いや、ちょっと違うかな。場合によっては暴力団の事務所に殴り込みに行かないといけないかもしれない」


「ほう、それは中々面白いですね。ここ最近もっぱらダンジョンでしか腕を振るっていなかったから、久しぶりに外で暴れるのも一興ですな」


「四條流がヤクザごときにビビらないと骨の髄まで叩き込んでやりましょう」


 森田兄弟は重徳からの話を受けて至極当たり前のような顔で了承している。四條流の一員ならばヤクザと抗争を繰り広げるのがデフォとでも言いたげな物騒な顔付き。師範が師範なら門弟も門弟であろう。世間一般の善良な皆さんが聞いたら呆れてモノが言えなくなってもおかしくない。というよりもこの門弟二人のほうがヤクザよりもおっかない顔をしている。



「それで、若。義人はどうするんですか?」


「もちろん記録係として同行してもらう。さっき本人から同意は得た」


「へぇ~、義人も中々肝っ玉が据わってきたじゃないですか」


「いやいや、細かい話は全部伏せてあるから、二人には義人のお守りも頼んだぞ」


「そういうことですか。いいでしょう。可愛い弟弟子が一皮剝けるためだったら喜んで力になりますぜ」


「そろそろ義人にも大人の社会見学をさせておくべきですからね~」


 とまあ、こんな感じで簡単に話がまとまっている。それはもう日常の極々当たり前の打ち合わせのように。相手がヤクザだろうが何だろうが事もなげにケンカを売るという暴力に対する根本的な感覚が完全にマヒしているこのような考え方こそが、四條流の最もヤバい特徴ではないだろうか。そしてその最大の原因は、師範たるジジイが率先して見本を示してきたというこれまでの四條流が歩んできた歴史に尽きるだろう。


 こんな感じで重徳は森田兄弟に車を準備することや諸々の細かい注意点を伝えてから自室に戻る。滅多に座らない机に向かってから一番上の引き出しを開けて取り出すのは一枚の名刺。何のためらいもなくその名刺に書かれている携帯番号をプッシュしていく。



「はい、こちら木津原です」


「ご無沙汰しています。四條流のジジイの孫の重徳です」


「ああ、見知らぬ番号だったので誰かと思ったら、先日の坊ちゃんでしたか」


 急に通話相手の声が明るい口調に変化している。例の港北昇竜会にカチコミした一件で木津原は重徳と顔馴染み。というよりもジジイの孫だと知って上にも置かない扱いのよう。そんな態度の裏には、おそらくはジジイの手で相当にコテンパンにされた過去があるのだろうと推測される。



「実は木津原さんに確認したいことがありまして。山一金融ってのは木津原さんのところと関係がありますか?」


「ああ、山一ですかい。あそこはウチの組とは対立関係にある興将会の傘下の闇金です」


「そうですか、それじゃあ遠慮なく」


 重徳が通話を切ろうとするのを察した木津原が慌てて止めてくる。



「坊ちゃん、『遠慮なく』ってのはどういう意味ですかい?」


「いえねぇ~、俺の知り合いがアコギな取り立てに遭っているから、ちょっとばかり痛め付けてやろうかと思って」


「いやいや、ちょっと待ってくださいよ。アコギな取り立てといっても連中は表向きは金融を看板にしているんですぜ。この前みたいに力尽くでどうにかしようとしても法律を盾にして反論してきますよ。場合によってはこちら側が訴えられるリスクもありますから」


「ええ、そうなのか。だったらジイさんに頼もうかな~」


「絶対にヤメてください! ここ最近、ようやくこの辺りの勢力図が落ち着きを取り戻したんですから、そこに爆弾を放り込むようなマネは間違ってもしないでください!」


 木津原の言葉の端々になんとも必死な様子が… それはおそらく彼の偽らざる心情なのだろう。ジジイがちょっと介入しただけでひとつの組織が跡形もなく消え去っていく。その後のゴタゴタとシマの分捕りを巡る面倒な遣り取り考えたら、現状を維持するほうが木津原にとっては格段に楽なのだろうと察せられてくる。とはいえ重徳としても今の段階では力押しの解決方法しか思い描いてないだけに、反論するのも致し方なし。



「ええ、じゃあどうしろって言うんだ?」


「坊ちゃん、ひとまず落ち着きましょう。自分も顔を出しますから。とにかく暴力はなるべく避けてください。できればヤツらの犯罪の証拠になるような映像を残すことに専念していただけると助かります」


「了解。それじゃあ木津原さんは夕方の5時以降山一金融の近くで待機しててもらえるかな。相手が納得しないようだったらお願いするから」


「承知しやした。坊ちゃん、くれぐれも迂闊な真似をしないでくださいよ。自分にもフォローできる限界はありますから」


「まあ、大丈夫だと思う。それじゃあ、ヨロシク」


 重徳は通話を終えてこれで準備完了という表情だが、難題を押し付けられた形の木津原からしたら堪ったものではないだろう。今頃一歩間違えたらジジイが暴れ始める恐怖に身を竦めながら方々と連絡を取って何とか丸く話が収まる方向に懸命に調整をしていると思われる。







   ◇◇◇◇◇







 翌日、重徳は何食わぬ顔で学園で一日過ごして、放課後は歩美たちと再び御中神社へと向かう。もちろん名目は舞の練習の見学なのだが、今日は何も知らない義人も一緒。そして実際に練習が開始されると、重徳たちは梓の案内で境内を抜け出して圭子の自宅へと向かう。連れてこられた先には予想通りの築40年以上は経過している古びたアパートが建っている。



「親子でかなり苦労しているんだろうな」


「そうだな。母親が必死に仕事をしても借金取りに全部吸い上げられてギリギリの生活なんだろう」


 アパートを前にこのような会話を交わす重徳と梓。義人だけはなぜこの場所に連れてこられたのか皆目見当がつかないといった表情。


 そのまま梓の誘導に従って1階の一番東側の部屋の前に立つとチャイムを押す。同時に…



「圭子、約束通り来たぞ。開けてもらえるか」


 梓の声が部屋の中に届いたようで玄関に向かうバタバタという足音が響き、直後にドアが勢い良く開かれる。



「梓先輩、四條さん、本当に来てくれたんですね」


「明子ちゃんと指キリまでしたからな。ひとまずは中に入れるか?」


「散らかってますけど、どうぞ」


 圭子の勧めに従って玄関に入ると、そこはすぐに台所となっている。小型の冷蔵庫と背の低い食器棚に必要最低限の皿やコップが並ぶだけという、極端に物が少ない状況が目に飛び込む。さらにふすまを開いて先に進むと、そこには薄い布団に力なく寝かされている顔色の悪い女性の姿が。その枕元には昨日で出会ったばかりの幼い妹弟が心配そうな表情で容体を見守っている。



「これはマズいな」


 重徳は一言呟いてからすぐに臥せっている女性の枕元に。首筋に指先を当てて脈を確認すると、弱々しい気配が伝わってくる。



「いつからこんな状態なんだ?」


「一昨日から具合が悪くて起き上がれなくなってしまって…」


「原因に思い当たる節は?」


「それが… お金がなくって、お母さんは残り少ない食料にほとんど口を付けずに『自分は大丈夫だから』と言って私たちに食べさせていたんです」


「そうか、どうやら疲労と栄養失調だな。このままでは危険だから救急車を呼ぶぞ」


「待ってください。病院に連れてきたいのは山々なんですが、ウチにはお金が…」


「心配するな。どうにかする。まずは一刻も早く手当てしないとお母さんが危険な状況だ」


 ということで、すぐに119番。数分後にはアパートの敷地に救急車が停車して救命隊員が部屋に入ってくる。



「すぐに搬送しましょう」


「この子たちも同乗させてください」


「わかりました」


 緊急を要すると判断されたのだろう。救急車は20分もしないうちに圭子たち家族全員を乗せて病院に向かう。


 取り残された形の重徳たち3名は…



「四條、圭子たちの家族が全員いなくなったけど、一体どうするつもりなんだ?」


「まあこの状況は好都合といえば好都合かな。あの子たちにヤバい場面を見せずに済むし」


「ヤバい場面? お前は一体何を企んでいるんだ?」


「取り敢えず二宮さんはこの家の親戚のフリをして借金の取り立て屋の話を聞いてもらえますか。俺と義人は物陰に隠れて撮影しているから」


「なんで私が取り立て屋の相手なんかするんだ? 誰もいないと言って追い返せば済む話だろう」


「今日はそれでいいかもしれないけど、明日になったらまた取り立てにやってきますよ。それじゃあいつまでたってもここの家族たちが安心して暮らせる環境にならないでしょう」


「う~ん、確かにその通りかもしれないな。それで、私は何をすればいいんだ?」


「それはですね~、ゴニョゴニョ…」


 重徳は義人に聞こえないように梓の耳元で何か囁いている。フムフムと頷く梓とは対照的に、何も聞かされていない義人は依然として不安げな表情のまま。


 ということで打ち合わせを終えると、梓はそのまま台所に待機。重徳と義人はふすまの奥に隠れて様子を窺う。もちろん義人の手にはスマホが握られており、撮影係としての使命が与えられているのは言うまでもない。


 そのまま30分ほど経過すると玄関のチャイムが乱暴に連打されて、同時に薄っぺらいドアを蹴り付けるように音が響き出す。



「おい、今日が今月分の支払日だ! 隠れても無駄だからな。耳揃えてキッチリと払ってもらうぞ」


 来た! という具合に梓の表情に緊張感が走る。ふすまの隙間から顔を覗かせている重徳に一度振り返ってからゆっくりとドアに向かっていく。



「はい、どなたですか?」


 いかにも何も知りませんという表情で梓がドアを開くと、そこにはどう見てもチンピラとしか言えないような風体の男が立っている。もちろんこの男が本日の犠牲者… ゲフンゲフン、借金の取り立て屋で間違いない。



「何だ、いつものメスガキとは違うみてぇだな。まあいい、今月の返済分をキッチリ払ってもらうぞ」


「この家の人たちはいませんよ。私は留守を預かっている親戚の者です」


「コッチは誰だろうと知ったこっちゃないんだよ。ともかく今月分の10万を払ってもらうぞ」


「急にそんな話をされても何のことかわかりません。どうぞお引き取りください」


 梓のこめかみの辺りがすでにピキピキしているのは気のせいではない。ご存じのようにこの女勇者はかなり沸点が低い。問答無用でこのチンピラ殴ってやろうという気持ちを懸命に抑え付けているよう。怒らせると重徳ですらも簡単にノックアウトする恐ろしい戦闘力の持ち主という事実をこのチンピラはまだ知らない。



「とにかくあなたに渡すお金はありませんから帰ってください」


「グダグダ言っているんじゃねぇよ! この家の人間がいねぇならお前が払うんだよ。逆らっても無駄だぞ。こっちには興将会というバックがついているんだからな。お前たちをコンクリート詰めにして東京湾に沈めてもいいんだぜ」


 梓の表情は依然としてピキピキしたままだが、重徳はチンピラのこのセリフを聞いて笑いを噛み殺す表情。世の中には暴対法というれっきとした法律があって、借金の取り立てに暴力団の名前を出すなど愚の骨頂と呼べる悪手といえる。だがこのチンピラは、相手が梓ひとりしかいないと完全に侮っているよう。



「おら、さっさと10万円出せよ」


「さっきから言っていますが、家族ではないので払ういわれはありません」


「話の分からねぇメスガキだな。ちょうどいいや。金が払えねぇんだったらお前の体で払え。稼げる店を紹介してやるから俺と一緒に来いよ」


 などと言いつつ、チンピラは梓の腕を取って強引に外へ連れ出そうとする。だがそこは女勇者。梓のほうが圧倒的に腕力で上回っており、いくらチンピラが引っ張っても彼女の体が1ミリも動かない。そして必死で外に連れ出そうと悪戦苦闘するチンピラをよそに、梓の低い声が響く。



「四條、そろそろいいか?」


「二宮さん、ありがとうございます。証拠はバッチリ撮れました」


「そうか、それじゃあ正当防衛が成り立つな。キャー、助けてぇぇぇぇ!」


 まったく似合わない悲鳴らしきものを上げる梓。その声を合図にして重徳と義人が登場してくる。これには梓ひとりしかいないものと油断しきっていたチンピラの表情が変化する。



「何だと、ガキが増えたくらいでいい気になるなよ。テメーら、俺様に盾突くとはいい度胸だ」


 梓ひとりにかなり手古摺っているにも拘らず、チンピラなりの虚勢を張っているよう。だが次の瞬間、その口から苦痛の叫びが漏れ出す。



「イテテテテ、テメー、何しやがる!」


 梓はいつの間にか自分の右手を掴んでいたチンピラの手を引き剥がして思いっきり捻り上げている。さらに頭の下がった体勢のチンピラの腹部に軽くトーキック。女勇者の蹴りを食らってしまえばチンピラごときが耐えられるはずもなく、結構な勢いのままドアの外に蹴り出されていく。そして…


 パーン!


 乾いた音が響いて何事かと重徳がその方向に目を遣ると、梓のビンタがチンピラの頬にクリティカルヒット。もんどりうって倒れ込むチンピラのライフは限りなくゼロに。だがこれくらいで止まる梓ではない。



「もうちょっと他人様の家を訪問するマナーを覚えたほうがいいな」


 玄関先で寝転んでいるチンピラに今度は梓がマウントポジション。そのまま左右の手でビンタの雨を降らせていく。無慈悲な女勇者のビンタを数発食らっただけでチンピラは意識を手放している。というよりもすでに両頬が真っ赤に腫れ上がっているせいで顔の形が下膨れのとんでもない姿に。十数発の追加のビンタを食らわせると、ようやく梓の物凄く過激な闘魂注入が終わりを迎える。



「まったく見掛け倒しだな。口ほどにもないというのはこういうのを言うんだろう」


 立ち上がった梓に対して、完全にビビった表情の義人が恐る恐る問い掛けてくる。



「あのう… 暴力団の関係者をボコボコにしたのはマズいんじゃないッスか?」


「心配するな。こいつが先に手を出してきた証拠映像があるんだろう。これはあくまでも正当防衛だ。何しろ私はいかがわしい店に売り飛ばされるところだったんだからな」


「動画はもちろんありますけど、後半は完全に二宮さんの暴力映像ッスよ」


 義人と一緒に録画されている画像を確認した重徳がコクコク頷いている。四條流が霞んでしまう勢いの女勇者の大暴れに男子2名は相当に引いている様子。


 だが梓にも言い分はある。



「このチンピラのせいで圭子の一家は食べる物にも困るくらいの苦労をしたんだ。それを思えばこのくらいの寛大な処置で済ませてやったことを感謝してもらいたいな」


 どうやら梓の考え方も四條流にかなり近いよう。これは重徳にとっても話が早いと歓迎出来る展開かもしれない。ということで気を取り直した重徳がスマホを取り出して誰かと連絡を取り始める。しばらくするとボロアパートの前に二つの人影が…



「誰だ?!」


「おやおや、若、ずいぶん派手に痛め付けましたね~」


 やってきたのは森田兄弟。てっきりこのチンピラは重徳が叩きのめしたものと勘違いをしている。



「二宮さん、警戒しないで大丈夫だよ。この二人はウチの道場の門弟だ。ほら、バーベキューの時に顔を合わせただろう」


「ああ、そういえばどこかで見た顔だと思ったんだ。どうもお久しぶりです」


 森田兄弟は梓から挨拶をされてちょっと照れたような表情。兄弟揃ってこれまで武道に明け暮れてきただけに、女子に対する免疫が重徳よりも乏しいよう。それよりも重徳はここできちんと訂正しておかないといけない問題があると気付く。



「二人とも勘違いしないでくれよな。このチンピラをここまでブチのめしたのは二宮さんだからな」


「師匠、いまさらそんな訂正が必要なんっスか?」


「いや、こういうことはハッキリとさせておかないと良くないだろう」


 大事なことだからと生真面目な表情の重徳の訂正を聞いて森田兄弟がちょっと驚いた表情を浮かべている。



「これはこれは失礼いたしました。さすがは若のご学友だけありますな」


「女だてらと言っては失礼だが、見事な一本です。義人もこのくらいできるように頑張ってくれよ」


「自分はムリっス。スマホを構える手が小刻みに震えたッス」


 やはり同じ勇者と言えども天然勇者の梓と比べると義人は一枚も二枚も格落ちのよう。というかこういった見てくれが恐ろしい人種を相手にする際の度胸が義人にはまだ出来ていないと言ったほうが正しいだろう。



「で、若。このあとはどうしますかい?」


「予定通りコイツの事務所に行くぞ。二宮さん、ここまで付き合ってもらって申しわけないけど、ここからは四條流の闇の部分だから遠慮してもらえるかな」


「そうか… 圭子の仇はひとまずは取れたから今日はここで終わりにしておこうか。その後の顛末は聞かせてもらえるんだろうな」


「もちろん。ああ、そうだ。出来ればお母さんが運ばれた病院に行っててもらえるかな。俺たちも事が片付いたら顔を出すから。あの子たち三人に『心配いらない』って伝えてもらうと助かるんだけど」


「わかった。私も圭子の母親の容体が心配だから先に病院で待っている。何かあったら連絡してくれ」


「了解。それじゃあ義人は俺についてこいよな。森田兄弟はこのチンピラを車に放り込んでもらえるか」


「合点でさぁ。事務所の場所も調べてありますから、景気よく殴り込みに行きましょう」


「し、師匠… 本当に暴力団の事務所なんかいくんッスか?」


「義人、仮にも四條流を名乗りたいんだったら覚悟を決めるんだ。お前自身どうしたい?」


「わかりました。行くッス」


 こうして一旦梓とは別れて、重徳たちは車に乗り込んで一路山一金融の事務所へと向かうのであった。



   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



今回は重徳よりも先に梓が大暴れ。あっという間にチンピラをノックダウンさせました。ジジイに鍛えられた四條流の面々が異常なだけで、やはり勇者というのは強いというのを改めて実感したような気がしてきます。そして次回、いよいよ闇金の事務所に乗り込む重徳たち。無事に貧しい一家を救い出せるのかこうご期待です。この続きは出来上がり次第投稿します。どうぞお楽しみに!


「面白い」「続きが早く読みたい」「重徳は人が良さ過ぎ」


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