第47話 聖女


 勇者高山義和が姿を消した翌日、担任から「一身上の都合による退学」という表向きの発表がなされる。もちろん梓やロリ長が彼が引き起こした事件の詳細な内容を広めてくれたせいで、担任が口にする表向きの事情など信じる生徒は誰もいない。


 同時に勇者などといった強大な力を持つ人間が人の道に外れた行動をするといかような最終処分が下されるのか改めて知るところとなる。そのおかげでクラス全体の雰囲気が引き締まったというか、自らは責任ある立場と自覚して常に模範的な行動を心掛けなければならない… 当たり前ではあるがこのような意識が浸透してくる。これまで面白半分に重徳や歩美に対して理不尽な態度をとってきたのはやはりマズかったのだと、接し方を改めようという向きも徐々にみられるようになってくる。これはクラス全体にとってまずまずよい傾向であろう。義和は反面教師としてクラスの生徒の規律や規範の向上に役立ってくれたよう。




 そうこうするうちに2週間ほど過ぎて、4月末の1年Aクラスの昼休みのこと… 

 

 ひとりの女子生徒が校舎の屋上でボンヤリと青空にたなびく雲を見つめながら物思いにふける姿がある。彼女の名は上条かみじょう彩夏さやかで1年Aクラスの所属する聖女。深いため息をつきながら空を見つめる彼女の心の内をちょっとだけ覗いてみると…


(私は聖紋学園1年A組に所属しているいわゆる聖女。入学して約1ヶ月、ダンジョンを攻略するための訓練を続けてきたが、いよいよ明日から実際に内部に入って魔法の練習が始まるらしい)


 彼女が心の中で綴っているように、学園のカリキュラムに定められてある通り5月から聖女と魔法使いはダンジョンの内部に入り込んで魔法の練習が開始される。なぜわざわざダンジョン内部で練習するのかといえば、実は地球の大気中には魔素がごくわずかしか含まれていないから。したがってダンジョンの外で魔法の練習は可能ではあるが、使って減った分の魔力の回復には大幅な時間が必要となる。その点ダンジョン内部にいれば仮に魔力が半分程度に減ったとしても、3時間程度でほぼ100パーセントまで回復が可能。つまり後々のことを考えるとダンジョン内部で魔法の練習を行ったほうが圧倒的に効率がいいという結論となる。


 そのため聖女や魔法使いたちは、入学当初から配布されたテキストに記載してある魔法式を必死で丸暗記して明日から開始されるダンジョン実習に備えてきた。


 もちろんAクラスの女子生徒たちは己の魔法がどのような効果を持っているのを知りたくて明日を心待ちにしているが、実地訓練を前にして屋上に佇む彩夏はどうにも気が重い状態が続いている。というよりも自らの聖女という肩書きそのものにいい加減嫌気が差しているよう。さらに彼女の回想は続いていく。


(小さな頃を振り返ると、私はダンジョンでの冒険に胸をときめかせるひとりの子供だった。冒険小説やアニメに夢中だった当時の夢は自分が勇者になって異世界の侵略からこの世界を守ること。成長するにしたがってそれは荒唐無稽な夢だと理解するようになったが、それでも戦士として魔物を相手に活躍できるようにそれなりに体も鍛えてきたつもり。


 だが小学校を卒業する頃に私が得た職業は驚くことに聖女。確かに聖女もパーティーメンバーと一緒にダンジョンに入って神聖魔法や治癒の術を用いて攻略に協力する役割ではあるが、それは私が求めていたものと根本的に違うような気がする。私は戦いの最前線に立ってこの手で魔物を屠りたい。メンバーに守られながら万一に備えて後方で待機する役割など真っ平ご免と声を大にして言いたい。


 もしも私の職業がB組のワルキューレやD組の一般戦士だったらどんなに良かっただろう。そうだとしたらば私は誰に気兼ねすることもなく最前線に立つはず。そして剣を手にして魔物と戦うという子供の頃からの夢を実現するに違いない。だがなんとも皮肉なことに私は聖女になってしまった。世間の常識から言えば聖女は憧れの職業であり、私が心に抱く夢など小さなワガママなのかもしれない。与えられた職業に忠実に従ってパーティーを支える役割を果たしていくと割り切れればきっと楽なのだろうとは思う。


 聖紋学園に入学して約1ヶ月、学園の授業で教えられるのはやはり後方から支援する役割としての聖女の姿。最前線に立つなど以ての外で、常にメンバーから守られながら後ろをくっ付いて歩けと言われている。確かにそれも正解なのだろう。聖女がいれば誰かが怪我をしても治癒魔法で治せる。余程重篤な怪我や命を落とさない限りは短時間で戦線に復帰出来る可能性が高い。だが治癒魔法もけっして万能ではない。聖女の実力を上回る怪我への対処は困難を極めるし、命を落とせばそこから蘇生することなど絶対に起こりえない。これこそが聖女の限界でもある。


 だから私は守られる立場に甘んじたくはない。もっと一緒に戦いたい。仲間を守るために魔物を倒したいと心から願っている。とはいっても体力や攻撃力が戦闘職に比べて恵まれていないという現実が立ちはだかっている以上、いくら私に夢を実現したいという願望があっても実際には抗うことが出来ない。この夢と現実のギャップに私の気持ちは重たく沈んでいる)


 なんという皮肉だろうか。上条彩夏は戦士を目指していたにも拘らず蓋を開けてみると職業は聖女という激レアパターン。これは歩美のように職業がいまだに表示されないという悩みとある意味共通しているかもしれない。さらに…


(そして私の気持ちをもうひとる重たくさせていく問題… それは同じクラスの女子たちの考え方にある。彼女たちの頭の中は「勇者の誰とパーティーを組むか」というどうでもいい思考に囚われ過ぎているのではないだろうか? 自らの実力を高めてより希望に叶う勇者や他のメンバーとパーティーを組めばいいだけなのに、彼女たちが現実に行っているのは醜い足の引っ張り合いとしか表現出来ない。


 聖女同士の実力争いで火花を散らすのならばそれは大いに歓迎すべき事態なのであろうが、現実に行われているのは派閥作りだったり派閥間の抗争といった愚にも付かないことだらけ。こんな女同士の世界に身を置きながら様々な問題に嫌気がさしているのが今の私といえる。


 こんなどうしょうもないクラスではあるが、私の目には眩しく映る存在がある。それは新学期早々一般人だと担任から明らかにされた四條という男子生徒を中心にした五人のグループ。彼らは身の置き所に困って窮屈な思いをしている自分とは対照的に、ノビノビと学園生活を送っているように私の目には映っている。


 新学期早々の時期は勇者でもない一般人ということで小バカにした目を向けていたクラスの生徒たちだったが、あの四條という生徒は模擬戦でその実力を示して周囲の雑音を完全に捻じ伏せた。私は興味があって彼のすべての試合を見学したが、勇者を悉く圧倒するその力には目を見張るものがあるとしか言いようがない。そして三人の勇者を加えた彼らはいまやクラス内に大きな影響力を及ぼし始めて、口煩い聖女グループからも一目置かれ始めている。


 だがそんな彼らにも現実的な弱みが存在する。それは五人のうちのひとりである鴨川歩美という女子生徒の存在。彼女も四條同様に一般人ということで、聖女の授業カリキュラムから除外されたのが原因でどうやら仲が良くなったらしい。そのあたりの経緯はよく知らないが、女子たちの噂話を総合するとそうなのであろう。


 私自身は一般人と呼ばれる二人に対して悪い感情は持っていない。むしろ聖女の職業が邪魔をして身動きし難い私よりも遥かに自由で羨ましく思っているくらい。もし可能ならば立場を代わってもらえたらどれだけ幸せだろう…)


 長々とこんなことを考えている彩夏のいる屋上の一角にもうひとつ別の影がやってくる。その正体は奈良なら康代やすよという生徒。彼女も自分の派閥作りに熱心なタイプで、彩夏をその仲間に引き込もうとこれまでも盛んにアプローチをしてきたという過去がある。



「彩夏さん、ご機嫌はいかがですか? 明日からいよいよダンジョンでの実習が開始されますわね」


「奈良さん、今はそれ程機嫌が良いという訳ではありません」


 あまり関わりになりたくないという気持ちを込めてわざと素っ気無い返答をする彩夏。そもそもそれ程仲が良くないのにわざわざ昼休みに誰もいない屋上まで追いかけてくるとは一体どういう了見なのかと、彩夏としては疑いたくなってくる。だからこそ彩夏は必要がある時には康代を姓で呼んでいる。その彩夏の態度が気に入らない様子で、こめかみの辺りをピクピクさせながら更に彼女は言葉を続ける。



「実は私と仲の良い葉月さんには鑑定のスキルがありますのよ。彼女があの女子の一般人のステータスを鑑定したところ驚くべき結果が出ましたの。なんと彼女にはいまだに職業がないらしいですわ。いくらなんでも一般人にも程がありますわね。本当にこのクラスには相応しくない存在だと思いませんか?」


「無職だろうが漫才師だろうがこのクラスの所属と決まったのを今更覆せるとは思えないし、彼女の職業に対して特にこれといった感想も浮かばない」


 本当にどうでも良いから私の前ではいい加減止めてほしい… このように心から願う彩夏だが果たしてその思いが康代に通じたのだろうか?


 それよりも他人のステータスを覗き見ることが可能な人物がいるほうが大問題だと彼女は危惧している。ひょっとすると彩夏自身のステータスも丸裸にされる可能性がある。いずれ何らかの対策を立てないと容易に足を引っ張られる危険がありそうな嫌な予感が過る。相手の各種数値が事前にわかっていれば敵に回した際には対策が取り易いだろうし、それでは弱みを握られているのも同然。


(このクラスの聖女どもというのは揃いも揃って性格が悪い女ばかりだ)


 これは彩夏の心の呟き。声に出さないように結構彼女なりに労力を要したのは言うまでもない。あくまでも素っ気ない態度の彩夏に派閥に引き入れるのを断念せざるを得ないと判断した康代は…



「あなたの態度は良くわかりましたわ。それではご健闘をお祈りしますの」


「何がわかったのかは敢えて聞かないでおく。精々頑張ってくれ」


 まったくなびく様子を見せない彩夏に愛想を付かした表情で康代は屋上から姿を消す。おそらく自分の派閥の生徒たちが待っている溜まり場に戻っていくのだろう。そんな邪魔者の後ろ姿を見送りつつ、彩夏はといえば…


(鴨川歩美の職業をわざわざ私に教えて何がしたかったのだろう? 彼女に同調して非難すれば良かったのか? それはあまりにバカらしい行為に感じる。なぜなら私は彼女も含めた五人のグループが羨ましい。あのくらい無理やりに己の意見を押し通せれば、窮屈な状態を強いられている私から見れば羨ましく映っても当然だろう。今や彼らには担任でさえ何も言えないのだから)


 こうして空を流れる雲を見つめながら彩夏の昼休みは終了して、彼女は午後の学科の授業の準備に取り掛かるのだった。






   ◇◇◇◇◇






 帰りのホームルームでは〔重徳と絶対に目を合わせないマン〕ことクラス担任が…



「明日の実習から聖女はダンジョンで実際に魔法の訓練に入る。各自は準備を整えるように。それから一般人の鴨川歩美にも特別に聖女との同行を許可する」


 担任からの事務連絡の際に歩美の名前が唐突に出てくる。実習の授業では聖女たちのグループから排除したくせに、何で急に一緒にダンジョンに入らせようとするのだろうか? どうせ良からぬことを企んでいるに違いないと重徳は少々殺気を込めた眼光を担任に向けている。「どうせだったら盛大にチビってみやがれ」という念が込められているのは言うまでもない。


 それよりも歩美の様子が気になる重徳が彼女に視線を転じると、あまりに突然のことなので他人事のようにポカンとした表情を浮かべている。


(さて、どうしたものかな。担任に捻じ込んで歩美さんの同行を取り止めにさせてもいいんだけど、まずは本人の意向を確認しないといけないよな。歩美さん自身がどう考えているかしっかりと確認しよう)


 こんなふうに考えている重徳だったが、歩美のほうが行動を起こすのが一歩早い。ホームールームが終わると猛ダッシュをかます歩美が重徳の元に駆け寄ってくる。



「ノリ君、急にダンジョンに入れと言われました」


「歩美はどうするつもりだ?」


「言われた以上は入らないと色々と不味いような気がします」


 そこへ梓やロリ長が加わってくる。特に梓は幼馴染の歩美が心配でならないような表情で眉間の皺がいつもより増えている。


(あんまりそんな顔をすると皺が取れなくなりますよ。俺の母親の実体験ですからね!)


 そんな表情の梓を見て取った重徳は心の中でコッソリとツッコミを入れる。もちろん声になど出せるはずがない。重徳にも多少なりとも学習機能が搭載されている。ようやく今日で例のセクハラ騒動の際のワビである梓へのパフェの献上が完了したはかり。ようやく刑期が満了した日に新たな罪をひっかぶる人間はそうそういないだろう。ということで重徳はいかにも真面目そうな表情で…



「たぶんこれは担任の嫌がらせだろうな」


 何か言おうとした重徳だが、ロリ長に一歩先んじられている。セリフを奪われた重徳は口をパクパクさせてロリ長を見つめる。



「信長君、何のための嫌がらせですか?」


 ロリ長の意見に歩美が首を傾げている。彼女自身は担任から嫌がらせを受ける心当たりなどもちろんあるはずがない。



「鴨川さんに対する嫌がらせじゃなくって、間接的に四條に対する嫌がらせだと思うな。それに僕たちを分断しようとする意図も透けて見えるよ」


「これは信長が言うとおりかもしれないぞ! 歩美、すまない。俺が担任から嫌がらせを受ける理由は掃いて捨てる程ある。むしろ心当たりしかない。どうやら俺のせいで歩美を巻き込んでしまったらしい」


「ノリ君、気にしないでください。せっかくですから見学ついでにダンジョンに行ってきます」


「歩美、それで本当に大丈夫なのか?」


 今度は梓が心配そうな表情を歩美に向けている。重徳は何かいい打開策はないかと必死に頭を回転させる。そして思いついたのは…



「そうだ! こういう時こそダンジョン部だ。先輩たちにダンジョン実習の内容を聞いてみよう」


「四條にしてはナイスアイデアだな。私も賛成だ」


「そうだね、先輩たちに訊くのが一番手っ取り早いよ」


 重徳の意見に梓とロリ長が賛同の意を示す。ということで五人揃って第八ダンジョン部の部室に… すでに縦ロール榎本とロリ長ファンの楓がスタンバイ。重徳に続いて入室した梓とロリ長の姿を見て二人の瞳はキラキラを通り越してギラついているような気がしないでもない。



「よし、これで全員揃ったな。おや、四條君は何か私たちに訊きたそうか顔だが、どうしたんだ?」


「真由美先輩、実は明日からスタートするダンジョン実習に歩美さんも参加することになりまして、ついてはどのような内容で実習が行われるのか教えていただけたらと思いまして」


「なるほど…」


 部長の稲森真由美が返事をしようというのをぶった切るように、横からとんでもない勢いで割り込んでくる人物が約一名。



「私もその件が心配になって本日お話を伺いにまいりましたの。先輩方、ダンジョンの中で魔法を使う際の留意点など教えていただけたら喜ばしいですわ」


 この空気を読まない勢いで横から入ってくる太々しい神経の持ち主は他でもな縦ロール榎本。彼女たちはAクラスから1日遅れて明日からダンジョンに入る予定が組まれている。 



「そうかそうか、心配はいらないよ。私たちが経験した範囲で色々と教えてあげよう。藍と芹奈、二人が去年初めてダンジョンに入った時のことを話してやってくれないか」


「ええ、いいわよ」


「今振り返るとちょっと懐かしい気分になるわね」


 藍先輩と芹奈先輩はMBGの魔法系メンバー。当然去年の同時期にダンジョン実習を経験している。ということで二人は今回の実習がどのような運びで行われるのかなどなど具体的に話し始める。もちろんその内容は1年生にとっては非常に役立つモノばかり。ただしすでにレベル98の重徳には今更の話なのは言うまでもない。ちなみに重徳は高山事件解決後にジジイや門弟と共に2度ダンジョンに出向いており、前回のような無茶な隠し部屋には足を踏み入れてはいないものの15階層まで攻略を完了している。その分だけレベルが上昇して、今は100の大台が目の前という状況。


 

「…とまあ、大体こんな感じかな」


「先輩方、とっても参考になりました。ありがとうございます」


「ワタクシの能力でしたら初日は楽勝のメニューですわ」


 歩美が感謝を示し、その横では縦ロールがふんぞり返っている。このお嬢様系女子は、その外見通りにやや横柄な性格が顔を覗かせるのが大きな欠点。慎ましやかな歩美の振る舞いを見習って爪の垢をドンブリ一杯ほど口の中に無理やり捻じ込んでやりたい。ちなみに楓はといえば心の中で「信長君の役に立てるように一人前の魔法使いを目指して頑張ろう」と固く決意している様子。



「それじゃあ、私たちはこれからダンジョンに向かうから今日はこの辺でいいかな?」


「「「「「「はい、ありがとうございました」」」」」」


 こうして全員が部室を出ていく。その後はロリ長や梓たちが駅の方向に帰っていき、重徳と義人は先輩たちとともに反対方向へ。義人は道場で汗を流し、重徳はカレンを伴っていつものようにダンジョンへ。転移魔法陣の近くで待ち合わせをして、重徳とカレン、そしてMBGという合計七人で5階層を探索していく。



「カレンさん、次の曲がり角は右方向で大丈夫ですか?」


「ああ、メインのルートは右だからね。まだこの階層は日も浅いから、脇道は避けたほうがいいだろう」


 弘美先輩がカレンの指示を仰ぎながら通路を進んでいく。隊列の後方では…



「四條君、さすがにまだオークと正面からぶつかるのは厳しい。君に任せていいかい?」


「はい、大丈夫です」


 重徳からは何とも軽い返事が返ってくる。その直後…



「マズい、前方にオークがいる。すでにこちらの気配に勘付かれているようだ」


「四條君、頼んだぞ」


「バッチこいです」


 ということで重徳が単独で隊列の先頭に躍り出て、そのままさらに前進して十分な距離を確保していく。そこに正面方突進してくるオーク。だが重徳は構えも取らずに立ったまま。ただし右手ではコッソリと闘気の塊を圧縮している。そしてオークをギリギリまで引き付けて逃げようのない距離までやってきたところに気弾を全力投球。


 ズガガーーン!


 通路全体が閃光と轟音で埋め尽くされる。しばらくして煙が晴れて視界が開けると、そこにはオークの姿などどこにもなくて魔石とモモ肉の塊がドロップアイテムとして置かれているだけ。


 重徳がドヤ顔で後方を振り返ると、先輩たちが全員涙目でガタガタ震えながら抱き合っている。



「あれ、先輩たちどうかしましたか?」


「殺される! 私たちは絶対に四條君に殺されるんだぁぁぁ!」


「どうしてあ魔法も使っていないのにあんな爆発が起きるのよ」


「ちょっとチビったかも」(小声)


 あまりの爆発の勢いに先輩たちは完全にビビり散らかしている様子。



「若、もうちょっと威力を加減しないとMBGの皆さんが本当に怪我しますから」


「すまない、ちょっと加減を間違えてもっと下の階層の魔物のレベルに合わせてしまった」


「本当に若はウッカリさんなんだから」


 カレンは重徳の討伐方法にすっかり慣れたようで落ち着き払っている。それもそのはず、この2週間でレベルが40手前まで上昇しているのだから。だが…



「ウッカリ済ませられるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 リーダーの真由美の大声が5階層の通路に響き渡るのであった。 



   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



新キャラの登場と、先輩たちと重徳のほのぼのとしたダンジョン5階層風景をお届けいたしました。次回はいよいよ歩美がダンジョンに入っていきます。そしてそこに待ち受けるのは…


この続きは出来上がり次第投稿します。どうぞお楽しみに!


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