第3話 パチンコで大負けでカンパイ?
「(背後の離れた扉が解錠され開く音)ただいま〜♪ (スリッパのパタパタした足音が近づいてくる)ん? どうしたんだい、そんなにたまげた顔をして? (揶揄っている感じの声で)あー、もしかしてエッチな動画でも見ていたのかな? それともイヌスタで胸元を大胆に開けた女の子の写真でも眺めて…(拍子抜けした声)え、どうやって鍵を開けたのか?」
(ヒサメさんがポケットから革製のキーケースをゴソゴソと取り出す)
「あれれ? この間
(左から回り込んできて貴方の隣に腰掛けるヒサメさん→ソファから衣擦れの音とビーズクッションをヒサメさんが抱えるサラサラした音)
「僕と君の仲だろう? 安心したまえ、僕の部屋の合鍵も君に渡しておくよ。等価交換という奴さ☆ (PONと手を叩くヒサメさん)そうだよ! 等価交換といえば今日はメトロの方の失楽園で1パチを打ってきたんだけどね!!」
(貴方の左肩にヒサメさんが頭を
「(食い気味に)そうそう、普通の4倍遊べる負けにくい方のパチンコ! なのに1,200回転も当たらなくてねー!! あれは絶対店側が遠隔操作で僕の台だけ当たらない様にしていたに違いないんだ!! (残念そうに)はぁ、おかげで諭吉が4人も旅立ってしまったよ」
「え、そう思ったのなら打たなければ良かったじゃん・・・? 当たりもしないで帰るなんて、それこそ店側の思う壺だろう? そう易々と気に入らない奴らの思惑通りに動いてやるわけにはいかないさ! (自信満々に)えっへん☆」
「…その結果がこれですか?」
「(意気消沈した感じ)はい、面目次第もございません…(嘘泣き)ヨヨヨ」
(ヒサメさんの頭が貴方の膝まで落ちるポムっとした音)
「(構って欲しそうな感じで)何もかもを失った僕を慰めておくれよ〜!! 頭撫でてマッサージして美味しいご飯を作って、眠れるまで呪術廻戦を音読しておくれよ〜!! …むしろ眠れなくならないか? そうかい、僕は案外読みながら寝落ちしたりするけど」
(貴方がヒサメさんの髪と頭を撫でるサラサラした小さな音)
「(嬉しそうな感じの声)お、急に来るね〜♪ なんだかんだ労ってくれる感じの君の撫で方、凄く好きだよ。フフフン♪ えへへ…君の膝下がやっぱり、一番落ち着くな〜」
(ヒサメさんが猫みたいにニャウニャウ唸ってる声が暫く続く)
「(蕩けた声で)うへー? いつも不思議に思っていたが、無職のヒサメさんのどこからそれだけギャンブルする為の資金が湧いてくるのか…? ですか、ふむふむ」
「(突然のイケボ)まだ内緒だよ☆」
(起き上がったヒサメさんが自身の膝をポンポン叩く音)
「(楽しそうな感じで)交代♪ ほら、僕の柔らかいお膝にルパンダイブしちゃっていいよ、おいで? もー、そんなに照れなくったっていいじゃないか! ほら、ほらほーら♪ 」
(衣擦れの音と同時に左耳の音が通信途絶する)
「やっぱり男の人の頭って結構ずっしりしているというか、人の頭だなーって感じがするね! え、他にサンプルデータがあるのか? あるとも。あ! もしかして、(嬉しそうな囁き声)妬いているのかい?」
「ンフフフw、ごめんごめん。何だか嫉妬の焔を燃やす君の瞳って新鮮だったから、ついつい揶揄ってしまいたくなってしまったんだ。(頭をヒサメさんに撫でられるサワサワした感じの音)どうか許しておくれよ」
「(小さな気付きを得た時の声)お、君の耳…結構垢が溜まっているね。最近は痒そうな仕草も見せていたよね。最後に耳掃除して貰った…したのはいつだい?…思い出せないくらい前、か。(不服そうに)この間丁度綿棒を使い切ってしまったし、(周りを見渡すヒサメさん)君の部屋にも使えそうな道具は見当たらないね」
「(右耳にヒサメさんが吐息混じりに囁く)もう少しだけ待っていてね。近いうちに僕が、君の不浄な耳を清めて元の可愛らしい天使みたいなお耳に戻してあげるからね♪」
「…そこまで汚いのか? それは当日取れた垢を見てからのお楽しみだね。(優しい声音で)君はいつも僕に優しくしてくれるし、色々と世話を焼いて面倒も見てくれるんだ。僕を頼ってくれていいんだからね? 何かして欲しい事があれば遠慮なく言ってよ。(少し恥ずかしそうに小声で)ほら、もう家族みたいなものだし…(元の声音に戻って)ううん、何でもないよ♪ 困った時はお互い様って話さ」
「そういうわけにはいかない? やれやれ、本当に君は甘え下手だね。そういう台詞を吐くときはポーカーフェイスを意識しないとダメだよ? 」
「(ヒサメさんが右耳に囁く声)だって、そんなに蕩けた目で言われても説得力…まるでないからね♪ えいや」
(貴方の顔面をビーズクッションが圧迫するサラサラした大きな音→起き上がる貴方)
「HAHAHA☆ 僕で寛いで貰えているのは嬉しいのだけど、この後ちょっと野暮用があってさ。悪いんだけど、この辺で一旦失礼させて貰うとするよ!」
(立ち上がって貴方の目と鼻の先に待ち構えるヒサメさん)
「はい、行ってきますのチューを…(心底驚いたように)そ、そんな勢いでそっぽを向くこともないだろう!? むー、照れ屋さんめ」
(遠のいていくヒサメさんのスリッパの足音)
「(とても穏やかな声で)…フフフ、いってきます♪」
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