【運動の凄さを知る】

最後に私が自分自身のことで気になっていたのは、【体型と体力】である。


町役場に入職してから酒にハマり、(第4章【酒】参照)毎日のように暴飲暴食をして10キロ近く太っていた。


そして、子どもの頃から運動嫌いだったけれども、社会人になってからはデスクワークのしすぎで、ますます運動不足に。

体力も衰えて「この先、8時間労働ってできるの?」と考えてしまう程だった。


この状態で再就職しても保つのだろうか?と心配になったので、ひとまず運動してみることに。


朝のテレビ体操(現在もNHKで放送中)。

当時、流行っていたコアリズム。

ジョギング。


これらを試しにやってみた。


初めは、筋肉痛で全身痛いし、朝のテレビ体操のために起きるのも辛い。

今までの私なら3日で挫折していただろう。

しかし、この時ばかりは自分を『どげんかせんといかん!』と本気で思っていたから、結果が出るまで続けられた。


2週間も続けていると、筋肉痛が心地良くなっていた。

この痛みを続ければ、筋肉が付いて結果も付いてくる。

筋肉は裏切らない!(NHK『筋肉体操』より)

怠け者の私が筋トレに興味を持つようになった。


筋トレだけではなく、ストレッチも大事なのだと知った。

朝のテレビ体操は意外と汗をかくし、身体も存分に伸ばせる。

身体を伸ばすって気持ちいい。

筋肉を伸ばしてほぐして柔らかくすると、身体がよく動かせる。

ストレッチパワー(NHK『ストレッチマン・ゴールド』より)が溜まってきた感じがする。

ちなみに、私は俳優の宇仁菅 真さんが演じているストレッチマン・レジェンドが好き。


筋肉をつけて、ストレッチで身体が柔軟になると、ジョギングもサマになってくる。

最初は『競歩?』と言いたくなるような走りだったが、徐々に早く走れるようになった。


そんな日々を繰り返していると、1ヶ月で4キロ痩せた。

ちなみに、この時期は不思議と酒を一切飲んでいない。飲まないでいられたことに驚いた。

きっと悪いストレスが無ければ、酒もいらないのだろう。

食事量も減らしていたので、身体も軽くて朝のテレビ体操のために早起きするのも苦じゃなくなった。


運動はいいことづくめだとわかったのだけれども、1番驚いたのは気持ちが前向きになったことである。


あんなに『誰とも繋がりたくない』とか『もう社会に出られないのではないか』と絶望しか感じられなかったのに。

運動の結果が見えてから、嘘みたいに前向きな気持ちに変わっている。


町役場だけが職場ではない。

環境が変われば自分の置かれている状況も変わるかもしれない。

つまずくことがあれば、その都度考えていけばいい。


再就職に対して、不安しかなかったけれども徐々に希望を感じてきた。


運動って凄い!


ただし、人は追い詰められないと動かないものだ。

元々、運動が苦手の私がこれだけ運動に精を出せたのは、後にも先にもこの時だけである。


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